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イタイイタイ病とは富山県の神通川下流域で発生した公害病のことである。
概要
1910年頃から1970頃にかけて富山県の神通川下流域で発生した公害病。三井金属鉱業が抱える亜鉛精錬所から廃棄されたカドミウム化合物を含有した廃水により引き起こされた。日本の四大公害病に数えられる。水源が広く汚染され田畑や生活用水にカドミウムが溶け込むため、汚染地域の住民が個人で対処する事は難しい。
長期的なカドミウムの摂取により骨の強度が著しく下がるため、寝返りや咳をしただけで骨折し全身が激痛に襲われ、患者が思わず「痛い、痛い」と叫んでしまう事から名づけられた。骨軟化の他には肝機能と腎機能の低下に伴う頻尿や便秘、筋力の低下や脱力などの症状も現れるが、程度の軽い場合は骨軟化が現れずイタイイタイ病と認定されないこともある。
長期にわたり本格的な調査がされず原因不明とされてきたため、職業病として放置されたり風土病として差別の対象となった例もあるという。現在公害は収束し、患者との和解が進んでいる。
英語名はそのまま”Itai-itai disease”であり、国際的に通用する名称となっている。
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