オストマルク(Ostmark)とは、「東方の(Ost)辺境(Mark)」を意味するドイツ語の単語である。
概要
主に、現代におけるオーストリア一帯を指す。ただし、実際に使用されていた地名ではなく、中世ドイツ(神聖ローマ帝国)の東部国境地帯の名称として歴史学的に使用された用語に近いようである。
19世紀以降のドイツ史学においては、現在のドイツ・ザクセン州地域のうち、10世紀頃にゲロ1世(Gero I Magunus)が辺境伯として領したとされる地域を「ザクセンのオストマルク(Sächsische Ostmark)」と称した(現代の研究では辺境伯領としての存在は否定されている模様)。
また同じ19世紀には、神聖ローマ帝国時代のバイエルン公国東部(現在のオーストリア一帯)にあたるオーストリア辺境伯領(羅:Marcha orientalis)を指す歴史用語として「バイエルンのオストマルク(Bayerische Ostmark)」を使用した(神聖ローマ帝国当時の使用例は存在しない)。
オーストリアがアンシュルスによりいわゆるナチスドイツに併合されていた時代には、この後者の「バイエルンのオストマルク」に由来して、オーストリアの各州を置き換えた帝国大管区(Reichsgau)を総称して一時期「オストマルク」と称した。いっぽう、ナチ党(国民社会主義ドイツ労働者党)では党の大管区(Gau)としてドイツ北西部ブランデンブルク州(当時)周辺をオストマルク大管区(Gau Ostmark)とした時期があり、また別の時期には南部のバイエルン州北東部一帯をバイエルン=オストマルク大管区(Gau Bayerische Ostmark)としていた。
曖昧さ回避
- オストマルク - 二次大戦期ドイツ海軍の機雷敷設艦。旧フランス客船<コート・ダルジャン>。
- オストマルク - ドイツのルフトハンザが使用したカタパルト船。のちにドイツ海軍に徴用。
- オストマルク - ドイツ統治期に建造されたボーデン湖の客船。<オーストリア>と改名され現在も就航中。
- オストマルク軍集団 - 第二次世界大戦末期に設置されたドイツ陸軍の軍集団。旧南方軍集団。
- オストマルク - 小説『銀河英雄伝説』に登場する宇宙戦艦。
- オストマルク - 「ワールドウィッチーズ」シリーズに登場する国家。
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