コンストラクターとは、以下の様なものである。
- コンストラクター - 建設者、建造者、建設業者。製造者との意味もあるが、大量の商品を作る「メーカー」に対して、より限定された設備や特定の用途の「一品物」を「組み立てる」というニュアンスが濃い。
- コンストラクター - C++等のプログラミングにおいて、オブジェクト指向のプログラミングをするための手続きを指す。対義語はデストラクターなのだが、最近のプログラミング言語ではまず書かない。これは変数のためのメモリが解放されるタイミングがVMにゆだねられるため、制御が困難なためである。代わりにファイナライザというものがあるが、これも呼ばれるタイミングが不明(というより最悪呼ばれないパターンもある)なのでそうそう使われることはない。
- コンストラクター - モータースポーツにおける用語。本記事にて解説する。
概要
モータースポーツにおけるコンストラクターとは、レーシングカー、レーシングバイク、レーシングエンジンなどのレース専用のマシンを設計・製作し、レーシングチームに販売、または自らレーシングチームとしてレースに参戦するものである。
必然的に、F1などのフォーミュラカー、MotoGPなどのプロトタイプレーシングバイク、WECなどのプロトタイプスポーツカー、レース用エンジンの製作者はこう呼ばれる。自動車メーカーなどもこの形で参戦する限り、コンストラクターと呼ばれる。
WTCCなどの各種ツーリングカーレース、スーパーバイク世界選手権、WRCなどのラリーと言った市販車をベースに改造したマシンで競う場合、対義語として「メイクス」または「マニュファクチャラーズ」と呼ばれることが多い。
代表的なコンストラクター
- F1GPの各チーム、エンジンサプライヤー
全チームがオリジナルのマシンで参戦することが義務付けられている。つまり、チーム=コンストラクターの図式が成り立ち、ドライバーズチャンピオンの他にコンストラクターズチャンピオンという事実上のチームのチャンピオンシップが設けられている。 - MotoGPの各メーカー
本来はメーカー以外のオリジナルシャシーとエンジンで参戦することが可能だが、事実上は市販車メーカーがチームにマシンを供給(ファクトリーチーム)し、他にサテライトチームがその型遅れを貸与されて参戦している。Moto2クラスにおいては、エンジンが指定品のワンメイクであるため、レース専門のコンストラクターがバイクのシャシーを作って各チームに供給している。 - ダラーラ
イタリアのコンストラクター。世界のレーシングカーの大半はここ製と言っても言い過ぎではない。まず、F1(ハースF1チームのシャシーを製作)、インディカー、スーパーフォーミュラ、F2、F3、ワールド・シリーズ・バイ・ルノーなどのフォーミュラカーを製作する。そしてWECのLMP2マシン、IMSAのデイトナ・プロトタイプなどのプロトタイプスポーツカーなどを製作。つまり、先述の通り世界のレースを見つめればどこかでダラーラの作ったマシンが走っているわけである。 - オレカ
フランスのコンストラクター。かつてはF3などのフォーミュラカーを作っていた。現在はLMP2マシンを製作している。 - ギブソン
イギリスのコンストラクター。WECのLMP2用エンジンを供給。かつてはザイテックの名でLMPマシンも作っていた。 - ライリー
アメリカのコンストラクター。デイトナ・プロトタイプと呼ばれるデイトナ24時間を中心としたシリーズのマシンを供給。WECのLMP2にも参戦。 - 童夢
和製スーパーカー童夢-零で知られた、日本のコンストラクター。かつてはF3000、グループCなどのマシンを手がけ、F1参戦を目論んで実走する試作マシンまで作ったことがある。近年までJGTC、スーパーGTでの活動でも知られた。現在はWECのLMP2への参戦を計画中。
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関連項目
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