シムシティ(2013)とは、Maxis社が開発、エレクトロニック・アーツ社発売の都市開発シミュレーションゲームである。事実上シムシティシリーズ第5作目であるが、ナンバリングされておらず、初代と同じ名前になっている。 ソサエティーズなんてなかった。
概要
基本ルールにおける前作との違い
前作シムシティ4から10年経った今作は、グラフィックが完全に3D化し、シムシティ4以上に都市開発の自由度が増している。
- 道路が曲線に配置することができる。それに伴い、建物の配置角度も90度刻みではないあらゆる方向へ向けることができるようになった
- 地区や建物は道路に沿って指定・配置するシステムに変更。民間の建物は密度(というか容積率)も地権者の動向と道路幅によって決まるシステムになったため、市長は道路沿いのRCIを指定するだけになった
- GlassBoxエンジンによってシステムが作り直され、人や資源の流れが緻密にシミュレーションされ、それらが都市経営に影響を与える。ここんとこトロピコっぽい
- 公共施設のエディットが可能になった。自由な位置に看板を配置したり、学校の教室や病院の病室を拡張したり、警察署ヘリポートを後付けしたりできる
- 資源が重要な要素になっている。幾つかの地域では石炭や石油が産出するようになった。化石燃料を消費する施設(発電所とか)もあり、そういった施設を利用するにはグローバルマーケットから買うなり自分の地域で採るなりして燃料を確保する必要がある。また、採掘した資源をプラスチックや燃料に加工して、グローバルマーケットに高く売ることが出来る。やっぱりトロピコっぽい
グローバルマーケットは、石油や石炭からTV、パソコン等の特化産業に関わる資源の売買価格を、オンラインのシステムを利用し需給バランスに応じ変動させるシステム…だったのだが特化産業の中でも電子機器がほぼ1強となっている現状ではバランスが崩壊し価格の変動の上限・下限に達しほとんど変動していない状況になっている。ちなみにここを書いた市長も当然電子機器特化で儲けている。
それでも、市長がすべき仕事の根本は変わっていない。大忙しである。
地域とマルチプレイ
今作でもシムシティ4と同じく、いくつかの都市区域に分けられた広い地域を開発していくシステムを採用している。これまでどおりRCIの需要や水、電力などの取引が出来るほか、緊急車両やゴミ収集車を出張させたり、無償で資源を分け与えたりすることが可能になっている。さらには、公害や犯罪などネガティブな要素も地域内で共有することになる。
本作は都市一つ一つのマップが非常に狭くなった(シムシティ4の中マップ程度)ので、人口10万人程度まで発展させるとおおかたマップが埋まってしまい、再開発を頻繁に行うなど工夫しなければならない場面が多々出てくる。しかも重要な施設は(モジュール拡張分も含めて)かなりスペースを取るので、1つの都市で全てをまかなうのではなく、地域におけるそれぞれの都市に役割をいかに分担させるかが、シムシティ4以上に重要な鍵となるだろう。
地域内それぞれの都市は、単にベットタウンや商業都市というだけでなく、鉱山都市やギャンブル都市のように、産業をいくつかの分野に特化させることもできる。加えて、宇宙センターなど複数の都市の協力がないと建設できない施設(偉業と呼ばれる)を造成する場所が都市とは別に存在する。
本作ではシリーズで初めてマルチプレイが採用されおり、1つの地域を複数人で開発することもできる(今まで通りシングルで遊ぶこともできる)。1地域における最大の都市数は16で、それを一人でコツコツ開発するもよし、16人でわいわい開発するもよしと、これまでにない遊び方が出来る。
なお、要望が多かったため、オフラインモードが2014/3/18のアップデート10より実装された。システム改変MOD等もこのモード限定だが正式に導入出来るようになっている。
DLC: Cities of Tomorrow
シムシティに未来的要素を追加するDLCである。主に追加されるのはアカデミーおよびコントロールネット、オメガ社、メガタワーである。それぞれをざっくり説明する。
- アカデミーによって、各種未来的な施設を研究開発することができる。核融合発電やリニアモーターカー、放射性物質の除去施設まで様々な施設が追加される。これらの施設の稼働には、この施設等から供給されるコントロールネットが必要である。裕福な人が働くほど供給量が増えるちょっと変わった施設。
- オメガ社は、オメガと呼ばれる謎の物質を生産・供給して利益を上げる組織。オメガの力で通常の工業施設をフランチャイズに入れて、通常より大きな利益を上げることができる。また、ドローンを市民に供給すれば交通問題を気にすることなく買い物などを行うことができる。ところが・・・
- メガタワーは、SFに出てきそうなほど高いタワーである。ユニット単位で住宅や職場、公共施設(発電所から公園まで)を配置しながらタワーを高くしていく。それぞれのタワー同士をスカイブリッジでつなげることができる。ただし、有用な施設の稼働にはコントロールネットが必要である。横に伸びないなら、縦に伸ばせばいいじゃない。
現時点における問題
ここに記述されている内容は5/13時点の情報であるため、状況が変わり次第随時更新をお願いする次第
バグについて
今作ではGlassBoxなどの斬新な新機能が多く取り入れられているが、一方で残念なことにそれらのシステムの未完成な部分が随所に露呈している。グラフィックのバグなどの軽微なものから、ゲームシステムに関わる致命的なものまでピンキリである。代表例を以下に挙げる
- 以下のサーバー問題とも絡むのだが、サービス開始直後に一部の作成された都市が読み込めなくなるバグが発生。読み出し不能になったデータは現在も完全には復旧していない模様
- 市民(車両)の動きのアルゴリズムがおかしい。車が同じところをグルグル回り始めたり、バスや路面電車が乗客のいる停留所を素通りしたり、車両自体が突然行方不明になったりする。「市民の動きが都市の動き」な今作ではかなり重大なバグで、都市の存続に関わる事態になることもしばしばある
- 施設が突然何の理由もなく動かなくなったりする。そのくせ経費はきっちり取られる
こういったバグに迅速に対応するためにオンライン必須(後述)のシステムにしたのだが、如何せんなかなか修正がおっつかない。EA側も随時対応はしているので、根本的に解決するのは気長に待つしかなさそうだ
サーバ問題とEAの対応
10年ぶりの新作と言うこともあり期待されてきた一方、プレイする際に必ずEAの提供するサーバに常に接続する必要があり、オフラインのPCではプレイすることができない点が大きな問題として挙がった。特に初日は、予め用意したサーバが貧弱だったためにマルチプレイをしない人までまともにプレイできなくなり、海外レビューの減点など異例の事態まで起きた。現在はサーバが各リージョンに増設されたこともあり、その点に関しては安定して遊べるようになった。
EAはこのサーバ問題を受けて「市長の皆様への感謝のしるし」と題し、購入者に対してBattleField 3など有名タイトルを1つ無料で提供すると発表した。
その他
2014年にリリースされたiOS,Android向けアプリ「Simcity BuildIt」のテクスチャやBGMには本作品のものが多く使用されているほか、グローバルマーケットもフリーマーケットのような形式になったとはいえプレイヤー同士の資源の取引所として取り入れられている。
関連動画
字幕プレイ動画
実況動画
ゆっくり実況動画
Cities of Tomorrow
関連商品
今から買う場合は、プラスエディションのダウンロード版をお勧めする(各エディションの比較)。基本はEA Originを介してプレイすることになる。
無印版(←特典あり 通常版→)
Cities of Tommorw(←無印込みのプラスエディション 単品→)
関連コミュニティ
関連項目
外部リンク
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