ジル・バレンタインとは、バイオハザードシリーズの登場人物である。
バイオハザードシリーズの中でクリス・レッドフィールドと並ぶ中心的な主人公のひとりで、クロスオーバー作品、MVC2・3、PROJECT X ZONEシリーズにも参戦している。MVC2は1準拠、3は5準拠のデザインで性能は別物になっている。PXZ・PXZ2ではリベレーションズ準拠となり、クリスとコンビを組む。
概要
ラクーン市警特殊部隊S.T.A.R.S.のメンバーの一人。ポジションはRS(リア・セキュリティ)で、アルファチームの紅一点。他のシリーズ主人公同様、T-ウィルスに対して完全な抗体を持つ。
デルタフォースの訓練課程を23歳にして終了した才女で、爆発物処理の技能を有し化学知識も豊富。公式攻略本によると「生きてる実感を味わいたいから」という理由で、このような道を歩んだのだという。また、手先が器用でキーピックを用いた開錠を難なくこなすことが出来、作中ではその技術が大いに役立つことになる。その他、ピアノが趣味で、ベートーベンの『月光』を楽譜を見て一度でノーミスで演奏できるほどの技術を持っている。
1では帽子を被っておりショートヘアの印象があったが、実は帽子内に髪を納めており、実際はロングヘアの女性である(1人で脱出するエンディングでその姿を見ることが出来る)。
3・リメイク1ではショートヘア、5・リベレーションズではポニーテールとなる。髪の色は金髪だが、5では一部のシーンで茶髪で他は金髪。
性格は作品によって違うが、初期の作品では勝ち気な点や直情的な点が目立ち、近年の作品では年齢もあり落ち着いた性格になっていった。 叫ぶシーンの減少が近年の作品では顕著である。
バイオハザード
シリーズ初登場。特殊部隊S.T.R.A.S.にスカウトされ、ラクーン市警に身を置く。本作では主人公であり、ゲーム開始時にクリスとジルのどちらかを選ぶ事になる。選ばれなかった場合、最序盤で行方不明になる。
アークレイ山脈付近で起きてる猟奇的殺人事件を疑問視したラクーン市警はジルを含むスターズアルファチームを送る。そこでゾンビ犬の襲撃を受けたアルファチームは洋館に逃げ込むが、そこで彼女たちが見たものは…
クリスに比べて体力が低いため死にやすい、武器の構えが遅いなどのデメリットがあるが、アイテムが8つまで持てる、強力な武器のグレネードランチャーが入手できる、一部のイベントが楽にクリアできるなどのメリットがある。直接戦闘は苦手だがイベントの難易度が低く弾薬やアイテムに余裕が出やすいため、初心者向け。
バイオハザード3
主人公として登場。1で帰還した後のS.T.A.R.S.のメンバーは事件とアンブレラの危険性について訴えていたものの、アンブレラの息がかかった警察の幹部たちにそれが受け入れられることは無かった。その後ラクーンシティで相次いでいた謎の奇病や猟奇事件の元を断つべくクリスとバリーはヨーロッパに旅立ったが、ジルは街に残り、アンブレラの動向の調査を行なっていた。
そんなある日、ウィルスが研究所から流出して街中がバイオハザードに侵されていることに気づき、脱出を決意。おびただしい数のゾンビやクリーチャー、そしてS.T.A.R.S.抹殺のために放たれた追跡者の猛攻を掻い潜りつつ、彼女は脱出口を見つけるべくラクーンシティを駆けるのだった…。
1とは違い主人公はジルで固定。緊急回避、ガンパウダーから弾薬を精製可能など様々な技能を身につけた彼女だが、本作では耐久力も大きく向上。難易度Lightなら1に比べ死ににくくなった。
バイオハザード5
この作品では発売前のPVに彼女の墓が映ったことで多くのユーザーが騒然となった。本当に彼女が死んだのかどうかは…、ゲームを実際にプレイしてあなたの目で確かめてもらいたい。
後にジルを主人公とした前日談や外伝が描かれたオルタナティブエディションがPS3で発売された。なお、これらのストーリーは通常版、360版ともにDLCとして購入することも可能。
バイオハザード ザ・マーセナリーズ3D
3DS初のバイオハザードであり、ミニゲームのマーセナリーズを独立させたソフト。こちらではクリス同様初期から使用できるキャラとなっている。
装備はマシンガン・ナイフ・ショットガンで、ナイフは5・マーセナリーズ同様突き動作で繰り出す。雑魚戦は得意だが、大物相手にはパワー不足なため後半のステージではスキルによる強化が必須になる。武器の持ち替えを行うのもオススメ。
体術はクリスとは対照的に蹴り技メインで、吹っ飛ばしから追撃、即死体術まで一通り揃っている。取り分けダウンさせた相手に使える両膝落としが強力で、基本的にはこれで止めを刺す戦術が中心となる。即死技のモーションが大きく、殲滅に時間がかかるためハイスコア狙いのプレイには不向きなのが難点。
バイオハザード リベレーションズ
5の前日譚に当たる3DSのソフトで、彼女がS.T.A.R.S.を去った後仲間と設立した組織『BSAA』のメンバーが多数登場する。こちらでは突如謎の失踪を遂げたとされるクリスを彼女と彼女の新しいパートナー、パーカーが捜索するところから物語は始まる。
この作品では主人公として登場し、最初から最後まで多くの局面で操作することになる(今作では仕様上複数のキャラを操作することになる)。
ネタバレになるため詳細は省くが、様々な場面でクリスとの付き合いの長さ・絆の強さを感じ取ることが出来るだろう。
バイオハザードRE:3
洋館事件から生還できたものの、そこで味わった地獄と仲間の死によって彼女の心は満身創痍であった。服薬しなければ眠る事も出来ず、自分がゾンビ化するという悪夢にも苛まれている。それでも惨劇の原因になったアンブレラ社の悪事を暴こうと奮闘、ブラッド・ヴィッカースの協力も得られた。ラクーンシティからの引越しを3日後に控えた夜、自宅アパートでアンブレラ社が放った追跡者の襲撃を受ける。辛くも逃げる事に成功したが、外ではバイオハザードが発生。市民の多くが感染してゾンビとなった。洋館事件の悪夢が、再びジルを飲み込もうとしていた。
本作では仲間想いな面が強くなり、ゾンビに噛まれたブラッドを見捨てずに「一緒に逃げるのよ」と言ったり、(噛まれたらどうなるか分かってるんだろという問いに対し)「いいえ 分からない」と返すなど器量が大きくなっている。
PROJECT X ZONE シリーズ
リベレーションズ準拠でクリスとのペアユニットとして登場。ただし他バイオシリーズやMVCシリーズの技・火器も使用する。
PXZでは沈没船調査中に転移現象に巻きこまれる。カオスなメンバーの中ではクリス共々常識人寄り。他作キャラの中では同じゾンビゲーム出身の毒島力也やフランク・ウェストと絡む機会が多い。
戦闘前掛け合いで格闘技を磨きたがるクリスに「グルグル回ったり炎を出したりしないでよ」と忠告している…が、そんな彼女当人は近接戦闘A(MVC2出典の技)で炎をまとって駆け回るのであった…。
PXZ2では早々に森羅メンバーと合流し、神室町に向かう模様。
映画版では
原作同様、ラクーン市警のエリート警官からなるS.T.A.R.S.に所属していた。制服警官だった頃には、ラクーン市長を救出する大手柄まで上げている。しかし物語が始まる前から無期限の停職処分を受けており、自宅での待機を命じられていた。
小説版によると、バイオハザード発生前にS.T.A.R.S.はアークレイ山脈の森でゾンビと交戦していた。殆どの隊員は死亡したがジルは命からがら逃げ延びられたという。この事に対し、事件の揉み消しを図るアンブレラ社はラクーン市警に圧力をかけた。市警上層部はジルが提出した報告書を見て「君は狂った」、「良からぬ噂を振りまいてる」と突っぱね、彼女を無期限停職処分とした。この時、映画の主要人物の一人でジルの上司であるペイトン・ウェルズだけが「でたらめな報告書なんて書く警官ではない」とジルを弁護してくれていた。
ラクーンシティでのバイオハザード発生に伴い、出動命令が下りる。拳銃の扱いは並以上で、警官とゾンビが入り乱れる署内でゾンビの頭だけを撃ち抜く神業を見せた。既に一度ゾンビと交戦していたため弱点を知っていた。ゾンビで溢れた街の光景を見て、ジルは街からの脱出を決意する。原作同様にデルタフォースでの訓練経験があったため身体能力も高く素手でゾンビと戦えるだけの武術をも持っていた。しかしリッカーには圧倒され苦戦を強いられた。レイヴンズ・ゲートで出会った上司ペイトンとお天気キャスターのテリ・モラレスとともに、脱出手段を求めて市内を彷徨った。その後、危機を救ってくれたアリスと合流する。
ラクーンシティから脱出しようと市庁舎の前まで来るが、そこでアンブレラ社の兵士に拘束される。だが隠し持っていたナイフで手枷を切り、拘束から逃れている。最後は奪ったヘリでラクーンシティから脱出した。映画最終盤ではアンブレラの施設に捕縛されたアリスの救出にも向かっている。
III以降のシリーズ作品にも登場。Tウイルスによって地球の大半が砂漠化した中、生き残った数少ない生存者として他の生存者を集めていた。やがてアラスカが安全な地だと判明し、アンブレラ社所有のヘリを強奪して複数の生存者たちとともにアリスと別れる。しかしヘリで海岸まで来たところでアンブレラ社に捕まってしまう。蜘蛛型の洗脳装置を胸元に付けられ、アンブレラ社に忠誠を誓う戦士へと洗脳されたジルは、敵としてアリスの前に現れる事となる。
キャスト
- 声優(英語版)
- ウナ・キャバナ - 『1』(オリジナル版)
- ハイディ・アンダーソン - 『1』(リメイク版)
- キャサリン・ディッシャー - 『3』
- パトリシア・ジャ・リー - 『UC』『5』
- ミシェル・ラフ - 『UC』『5』
- パトリシア・ジャ・リー - 『リベレーションズ』『OR』
- カリ・ウォールグレン - 『MvC3』
- 声優(日本語版)
- 俳優
関連動画
関連項目
- 11
- 0pt