セダン(sedan)とは、自動車のボディタイプの一種である。
概要
一般的には2列のシートを持ち、乗車定員4名~6名、ドア枚数4枚、リアに独立したトランクルームを持つ3ボックス(エンジンルーム、キャビン、トランクが独立しており、キャビンを大きな箱と例え、前後に小さな箱が付いてるような形状)の車を指す。しかしながら、オースティン・ミニ、ホンダ・初代シビック、2代目トゥディのように2ボックス車。トヨタ・パブリカ、初代カローラ、日産・初代サニー等のように3ボックスであるがドア枚数が2枚のセダンも存在する。フォーマルな車として広く認知されており、リムジンに改造されるものの多くはセダンである。
セダンという呼び方はアメリカ英語であり、イギリス英語ではサルーン(saloon)、ドイツ語でリムジーネ、フランス語でベルリーヌ、イタリア語でベルリーナ、クアトロポルテ(マセラティの4ドアモデルの名前にもある。直訳するとマセラティ4ドア)と呼ばれる。
次にセダンの種類を記す。
ノッチバックセダン
最もポピュラーなセダンである。現在販売されているセダンの多くはこのタイプである。国産車の場合概ね全長約4,400mm×全幅1,695mm程度の大きさの小型セダン(いわゆる「5ナンバー車」)から、全長5m超、全幅1.8m台後半クラスの大型高級車まで幅広いラインナップが揃っている。全長4,500~4,700mmクラスの中型セダンもかつては5ナンバー車が主流であったが、2015年現在ではトヨタ・プレミオ/アリオンを除き全て全幅1,700mm超の3ナンバー車で占められている(社用車・タクシー用車両を含めると、クラウンセダン/クラウン・コンフォート/コンフォートも該当する)。
利点としては追突時の安全性が高い。トランクルームとキャビンが独立しているため防犯性が高く、トランクルームを開けた時に外気が入りにくいの利点が挙げられるが、キャビンとトランクルームが分離しているゆえに長尺物が積めないという欠点が挙げられる。(ただし、カローラアクシオや、プレミオなどのように後席が倒せ、トランクルームと一続きにできる車種も存在する)
車種の例をあげると、国産ではトヨタのカローラやクラウン、日産・スカイライン、ホンダ・アコード、マツダ・アテンザ、スバル・インプレッサ、三菱・ギャランフォルティス、海外産では、メルセデスベンツ・Cクラス、BMW・3シリーズ、VW・パサート、アルファロメオ・159・・・・、と枚挙に暇がない。
セミノッチバックセダン
上記のノッチバックセダンであるが、トランクルームが極端に短いものを指す。小型セダンがほとんどである。トランクルームの狭さゆえに荷物はさほど積めず、殆どトランクルームはないものと思ってよい。
例は少なく、オートザム・レビュー、ダイハツ・2代目オプティが挙げられる。
ファストバックセダン
機構的には3ボックスセダンであるが、リアウィンドが寝ており流線型の体なしているものを指す。現在は少なくなったが1970年代の日本車のセダンで流行した。利点はデザイン的にスポーティに見える点があげられる。欠点はトランクルームが下がってるゆえに、荷物が積めない、後方の感覚が取りづらい点があげられる。現在は4ドアクーペと呼ばれる車に採用されている。
例としてはメルセデスベンツ・CLSクラス、VW・パサートCC、日産・レパードJフェリーなどが挙げられる。
2ボックスセダン
読んで字のごとく、エンジンルーム、キャビンのみで形成されているセダンである。小型セダンに多いボディタイプである。利点は殆どないに等しく、ハッチバック車に負けるくらいである。事実、後述のホンダ・初代シビック、日産・初代パルサーは2ボックスセダンをやめ、普通のハッチバック車にしてしまったくらいである。
例としては、オースティン・ミニ、ホンダ・初代シビック、日産・初代パルサーが挙げられる。
4ドアハードトップセダン
ノッチバックセダンであるが、センターピラーが無い若しくは細いピラーがあるものを指す。(ドアを開けた時に、ウィンドに枠が無いタイプである)利点は、ウィンドを全開にすると解放感が楽しめる点がある。欠点はズバリ、側面衝突時の安全性が保ちにくい点である。70年代後半から日本の中高級セダンで流行したが、前述の理由で無くなった。
例としては、日産・セドリック/グロリア、初代シーマ、ローレル、トヨタ・カリーナED、マークⅡ、チェイサー、スバル・レガシィ、インプレッサ等が挙げられる。また、前述のCLSクラスもこれに入る。
ハッチバックセダン
キャビンとトランクルームが一体となり、後方にハッチバックが備わったものを指す。ただし普通のセダンと同じようにノッチが付いてるものもある。5ドアセダンともいわれる。ハッチバック車と一緒にされることもあるが、こちらはハッチバックのようにリアウィンドが立っておらず、寝ている。利点は長尺物が積める、空気抵抗が少ない点が挙げられる。欠点はトランクルームとキャビンが一緒のため剛性が多少弱まる、後方視認性がよろしくない点が挙げられる。
例としては、ノッチなしがカローラの5代目に設定された5ドアセダン、トヨタ・2,3代目プリウス、ホンダ・2代目インサイト、ポルシェ・パナメーラ。ノッチありがマツダ・アテンザスポーツ、ダイハツ・アプローズが挙げられる。
スポーツセダン
セダンに、スポーツカーの性能を付け加えたものである。クーペにはない居住性があるため、ファミリーユースに向いている。競技用に改造されることもあり、その用途はラリーから普通のサーキットにまで及ぶ。
例としては、レクサス・IS-F、三菱・ギャランフォルティス-ラリーアートやスバル・インプレッサWRX-STI、ホンダ・アコードユーロR、日産・スカイライン、BMW・M3セダン、メルセデスベンツC63セダン等が挙げられる。
軽セダン
これは厳密な意味合いのセダンとは異なる。この場合のセダンは軽乗用車(5ナンバー登録)された車のうち、立体駐車場に入れる全高1,550mm以下の高さのものを指す言い方である(全高1,550mmを超える軽乗用車は「軽トールワゴン」と言われる)。実例としては三菱・ミニカの乗用車モデルのグレードについていた名前が挙げられる。もちろん本来の意味合いのセダンもあり、例としてはマツダ・初代キャロル、ダイハツ・2代目オプティ、2ボックスではあるが、ホンダ・2代目トゥディが挙げられる。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 4
- 0pt