チェルノブとは、1988年にデータイースト社から出たアクションゲーム、及びその主人公の名前である。
正式名称は「アトミックランナー・チェルノブ 戦う人間発電所」。
概要
炭鉱夫チェルノブは原子力発電所の事故に巻き込まれ、体に浴びた放射能の影響で異状能力(原文ママ)が身についてしまった。
そして、その能力を狙うべく魔手を伸ばしてきた謎の組織・デスタリアンとチェルノブの死闘が始まろうとしている。
行け!チェルノブ 「我前に敵は無し」
強制横スクロール型のアクションゲームであり、8方向レバーと攻撃、ジャンプ、振り向きの三つのボタンを使用する。全7ステージ。
主人公のチェルノブは前進することは可能だが、後退することは一切出来ない(レバーを後に倒しても立ち止まるだけ)仕様となっている(ボス戦は除く)。背後から敵が来た場合は前述の振り向きボタンを使用して後を向き、攻撃をする必要がある。
発表当時、ストーリーにおける原子力発電所の事故、タイトル画面に書かれたソ連の国旗、「チェルノブ」というタイトルから1986年に起きたチェルノブイリ原発事故を連想させる不謹慎なゲームとして非難を浴びるが、これに対してデータイーストは『チェルノブは先に開発した「カルノフ」の従兄弟という設定であり、原発事故とは全く関係ない』という釈明をした。
スラブ神話にカルノフとチェルノブという兄弟神がいるという噂も一時期流行り、Wikipediaにも掲載されたほどだったが、当のソース元の資料の信憑性から現在は「単なるガセネタ(もしくは勘違い)」という見解が主流になりつつある。
その他、「円高コイン」や「ドル安コイン」などの珍妙なネーミングのアイテム、ステージクリア後の「Let's GO GO GO!!」の表記、ラスボス戦の舞台が自由の女神であったり、エンディングで自由の女神が爆発炎上して、突然『OWATTE SHIMATTA』とローマ字表記されたりと、いろいろ突飛すぎて良くも悪くもデータイーストというメーカーを象徴するゲームの一つとなってしまった。
データイースト社消滅後の版権保持者は、2016年の時点でPAON DPとなっている。[1]
移植
- メガドライブ…1992年に発売されたメガドライブ版では、ソ連の国旗や「アトミックランナー」、「戦う人間発電所」の表記、原発事故を連想させる設定などはすべてカットされ、ストーリーも科学者のチェルノブがさらわれた妹・チェルミーを救出するために父(オープニングで死去)と開発したコンバットスーツを身にまとい、デスタリアンと戦うというありがちなものになってしまった。しかし、アーケード版からグラフィックが強化され、道中二曲の繰り返しだった音楽もステージごとに用意されている。
- X68000…1993年に発売。こちらはアーケード版の完全移植となっている。
- セガサターン…移植する予定があったようだが、発売中止になってしまった。
その他
後に発売されたデコゲーで、チェルノブがゲスト出演している作品がいくつか存在する。
- トリオ・ザ・パンチ
巨大なハンマーを手にボスキャラクターとして登場する(偽物という説もあるが、ソースは不明)。 - ファイターズヒストリー 溝口危機一髪!!
カルノフに変わってラスボスの座についている。
通常のストーリーでグレートグラップルを開催した後は、主人公・溝口誠の個別ストーリーで「世界中のあらゆる無駄をはぶく」という名目で世界各地で窃盗をしており、大阪のたこ焼き屋からタコの看板を盗んで溝口に追いかけられる。 - ドラゴンニンジャ
列車の面で貨物列車にチェルノブの絵が描かれている。
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
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