デモンゲイズ2とは、角川ゲームスによるPlayStation4・PlayStation Vita用RPGである。製作は株式会社エクスペリエンス。
概要
2016年9月27日PS Vita用として発売、その後英語版に日本語音声・テキスト表示機能を追加した「~Global Edition」が2017年12月14日にPS4・PSVita用として発売。ダンジョン探索型RPGであり、名前の通り同社の「デモンゲイズ」の続編に当たる。エクスペリエンスの「空の叙事詩」シリーズ(円卓の生徒・剣の街の異邦人・デモンゲイズのトリロジーのこと)の一つ。また「~Global Edition」はエクスペリエンスのPS4初参入作でもある。
アルダ大陸の南方、ロンデル地方。周囲を海に囲まれたこの風光明媚な地に、都市国家≪アステリア≫は位置していた。海洋貿易で賑わうこの華やかな街は、しかしながら独裁者マグナスターの独裁政治下にあり、また人々が次々と姿を消すという怪奇事件の舞台にもなっていた。
いずこかの城内で目を覚ました青年は、"城に行けば仕事がもらえる"という話を聞きつけて参じたという農夫と共に城内を彷徨い、そこでこの城に秘められた恐るべき秘密を知ってしまう。異形の追っ手から逃れながらの逃避行の末、城のバルコニーに追い詰められた青年、その前に姿を現したのは、自らを≪アステリア革命団≫であると名乗る、ワイバーンに乗った少女だった──!
比較的高難易度の調整であることが多いダンジョン探索型RPGにおいて、前作デモンゲイズ(そしてその大本たる「円卓の生徒」)は初心者にも遊びやすくなるよう配慮された調整が為されており、本作にもそれは受け継がれている。
前作との最大の違いは、パーティーメイキングとデモンの扱いにある。前作では主人公(デモンゲイザー・オズ)の他は種族・性別・職業等を自由に選択し(不慣れなプレイヤーのためにパッケージに登場するキャラをお勧めキャラとしてそのまま使うこともできる)、デモンは仲間にした後は「オープンデモン」で6人目のパーティーキャラとして一時加入する形を取っていたが、本作ではデモンは仲間にするとそのままパーティーキャラクターとして加入し、主人公同様に装備や経験値の獲得で強化されるようになっている。プレイヤーは仲間にしたデモンの中から4人を選んで主人公を含めた5人パーティーを構成し、禁域(ダンジョン)の探索に挑むのである。
またデモンには好感度値も設定されており、特定条件で好感度が上昇し、一定値ごとにランクアップして新たな「デモンスキル」を獲得する。デモンスキルは「トランスデモン」でデモン達を変身状態にすることで使用可能になる他、「クロスデモン」で合体し圧倒的な戦闘力を得ることもできる。なおスターゲージはデモンスキルの使用の他ターン終了時に一定量消費されるが、前作と異なりスターゲージが0になっても暴走することはない(トランスデモンが解除されるのみ。ただし今回は「アイアンシェル」等のレイドスキルはすべてデモンスキルであるため、ある意味では前作以上の危機的状態でもある)。
世界観
前作「デモンゲイズ」はシリーズでも最も後年のエピソードであったが、本作はさらにそこから数年後の物語となっている。アステリアは「円卓の生徒」の舞台であったアルダ大陸の南方に位置するとされているが、「剣の街の異邦人」の舞台である浮遊都市エスカリオや前作の舞台であるミスリッド地方との位置関係は不明。ただし、ミスリッドから人が流れてくることが可能な程度にはミスリッドから近い位置にある模様で、作中では「陸路での移動は3週間程度かかる」と言及がある。
なお異邦人の大規模な転移は100年以上起きていないとのことであり、このことから「剣の街の異邦人」の時代から最低でも100年程度は経過していることが推察される。
この世界では古くから光の勢力(精霊神フェニックス)と闇の勢力(闇王オル・オーマ)が覇権を争って抗争を続けており、それを中立である竜神が仲裁するという三つ巴の戦いが続けられている。しかしながらオル・オーマは「円卓の生徒」時代に討伐されたダメージから休眠に入っており、また闇勢力の有力者が「剣の街の異邦人」時代に放逐されたこともあって闇勢力は大幅な衰退状態。それに伴い精霊神信仰が廃れたこともあって「デモンゲイズ」の時代ではフェニックスも表だっては行動していない。竜神ペイデに至っては方針に反目して家出した娘・竜姫ペンドールの懐柔に手を焼いている有様であった。本作の時代では竜神はペンドールに代替わりしているが、そのペンドールは夫として迎えた人間の青年との新婚旅行中とのことで事実上の空位である。
主な登場人物
比較的序盤に登場する人物について、ネタバレにならない範囲で述べる。
主人公
生まれつき「邪眼」という特異能力の持ち主であったが、これを目に付けたらしい何者かによって人体改造を受け、デモンを傅かせる「魔眼」の持ち主・デモンゲイザーとなった。しかしながらその代償としてほとんどの記憶を失っている。アステリア革命団の前線部隊として転戦の日々を送ることになる。
容姿およびボイスはある程度変更可能。ゲーム開始時に善中悪のアライメントを選択することができ、これにより彼とデモンが加入時と一定レベルで獲得する「リバティスキル」の内容が変化することになる。自身が発言する場面はなく、時折表示される選択肢が彼の発言の代わりである。本作ではアライメントによって表示される選択肢も変わる。なお、前作と違い、完全に女性に見える容姿やボイスは選択できなくなった。
ステラ座関係者(アステリア革命団)
本作の拠点である宿酒場≪ステラ座≫のスタッフ。同時にアステリア革命団の中核メンバーでもある。
現在は宿酒場であるステラ座であるが、元々はその名前の通り劇場でもあり、その名残として建物屋根には星座を模したサインや、酒場には小ステージなども据え付けられたままになっている。隠蔽された地下にはプロパガンダ放送を流すためのラジオ送出設備とスタジオがあり、アステリア革命団の拠点になっている。
建物としては最上階が支配人一家(=ミュゼ、プリム、主人公)の個室、2Fはデモン用の相部屋と空き部屋(デモンの個室として借りることができる)、1Fはエントランスの他は酒場・厨房と簡易浴室。B1Fはスタジオの他はカッスルの店とプロメスの書斎、デモンを調整するためのメンテナンスルームがある。なお前作と異なり帰ってくるたびに家賃を請求されたりはしない。
ミュゼ
ステラ座の現在の支配人である少女。アステリア革命団のリーダーでもあり、革命団が放送するプロバガンダ放送「大転覆ラジオ」のメインパーソナリティも勤める。勝ち気で常識外れの行動力を持つが、一方で発言の節々に黒いものがにじみ出ることがあり、しばしば周囲からは「どちらが悪役か解らない」と突っ込まれている。主人公とは幼馴染みの関係にある。
なお、作中では言及はないが、母親のファミリーネームから本名は「ミュゼ・オルブランド」であると推定される。
プリム
ミュゼの妹。ステラ座では厨房手伝いをしている一方、アステリア革命団では番組の華である歌姫を勤める。力ある歌「スタリカ」を歌うことができる能力の持ち主。姉とは正反対の穏やかで心配性な性格である。やはり主人公とは幼馴染みであるがそれ以上の感情も抱いているようであり、それだけに主人公が記憶喪失になったという事実にはショックを隠せなかったようである。
同じく作中では言及はないが、本名は「プリム・オルブランド」であると推定される。
トマ
ステラ座の使用人を務める少年。アステリアではネイ族は珍しいとのことである。快活で礼儀正しいムードメーカーであるが、ある事情によって住処を追われたところをステラ座に拾われたという経緯の持ち主でもある。
前作のアレと違い特殊な性癖を持っていたりはしない模様。また所謂ネコ言葉も話さない。なおネイ族にはファミリーネームの概念はないとのことであり、おそらく彼もそれに準じる。
レゼルム
本名レゼルム・ランティール。「エルフの高貴な出身」を自称するエルフの道具屋(「空の叙事詩」の登場人物の子孫なので実際高貴な出身ではある)。お調子者ではあるがその知識、技術力は確かであり、革命団においてはラジオ送出設備を組み上げた天才でもある。受信装置である「革命ラジオ」のブローカーも勤めており、その売り上げで莫大な財を築き上げた。
前作「デモンゲイズ」からの継続登場であるが、数年間で相当な不摂生を送ったようで、長身痩躯であったはずの容姿は見る影もない。竜姫亭を出た理由は不明。
カッスル
本名カッスル・グロンダイク。革命団の用心棒兼武器・道具屋。主に物資面で革命団をサポートする青年。
前作「デモンゲイズ」からの継続登場。プロメスが竜姫亭を出ると聞き、心配でついてきた結果としてステラ座に流れ着いたという経緯を持つ。今回はジェムや道具類なども彼が一括して取り扱っている他、ランダムで高性能アイテムが陳列される「掘り出し物」なども加わった。なお前作(や、近年のエクスペリエンス作品)と異なり売った商品は換金用素材以外はきちんと店頭在庫として並ぶ。
プロメス
「大転覆ラジオ」の放送内容を取り仕切る"放送作家"。独特のセンスの持ち主で極端なマイペースであるが、超自然的な現象についての造詣も深くそちら側での意見を求められる場面も多い。
前作「デモンゲイズ」からの継続登場。「葬儀屋」は本作ではバイト扱いとのこと。ルーズな格好は相変わらずだが、前作のように完全に下着姿でほっつき歩くようなことは基本的になくなった。おなじみ難易度宣託には「けしずみ」が加わった。また本作でも「魂のドクロ」の収集を依頼されるが、前作と異なり思い入れのある人物の遺骸という訳ではない模様。
デモン
マグナスターの配下である半機半人の存在。前作とは正反対に通常時は普通の人間の姿を取り、戦闘時は「トランスデモン」によって真の姿を現す。主人公と共に実際の冒険をする仲間達でもある。
ここでは比較的序盤に登場するものと、マグナスター側の歌姫たる「三柱デモン」について簡単に述べる。なお本項では女性ばかり紹介しているが、ゲームには男性のデモンも登場する。
ペガサス
通称ペガッソ。最初に仲間になる「ホワイトナイト」の娘(ミグミィは成人でもヒューマンの子供くらいの体格しかないため実年齢は推測不能であるが、言動を見る限り外観通りの年齢である模様)。小柄ながらもパーティーの盾として奮戦する。三柱デモンと並んでパッケージ絵に登場しているデモン(パッケージ絵右手前の銀髪の少女)。一方で家族に対して淡い憧れのようなものを抱いている。
デモン形態は白銀のケンタウロス。僅かながら神の祝福を受けており、簡単な回復魔法も使いこなす。
「天馬座の加護」はHP上昇と物理防御力上昇の効果が得られる。
ライブラ
眼鏡に学生服を思わせる出で立ちという見た目通りに生真面目な秀才肌の「セージ」。回復魔法と攻撃魔法の両方を使いこなす(習得傾向は攻撃魔法寄り)。文明社会の侵食に強い警戒感を抱いており、自然回帰主義を自ら実践しようとしている。
デモン形態はローブ姿の成人女性。なお妙なところで不運を発揮するという体質の持ち主でもある(あくまでキャラクター設定上であり、ゲームにおいて特にLUCが低いとか言う話はない)。
「天秤座の加護」はMP上昇と状態異常・ブレス耐性上昇の効果が得られる。
カプリコーン
気位の高いお嬢様肌の「ランサー」。槍による中距離戦を得意とし、前衛後衛どちらでもこなすことができる。日常生活でもお嬢様肌で人当たりのきつい態度を取るが、それは好意の裏返しでもあるという典型的なツンデレお嬢様。
デモン形態でも体格が変わる程度で基本的な容姿はあまり変わらない。
「山羊座の加護」はHP上昇と物理攻撃力上昇の効果が得られる。
レオ
クラスは「ソードアート」。対集団戦闘をより得意とする。他の前衛達に比べ軽装である見た目通りの回避型。エクスペリエンス作品お約束の"サムライネコ娘"である。
デモン形態ではよりサムライじみた出で立ちになる。
「獅子座の加護」は命中回避率上昇の効果が得られる。
キグナス
マグナスターの歌姫たる「三柱デモン」の一人。知的で冷静、任務に忠実な少女である。クラスは「シスター」であり、回復魔法に特化した非常に強力なヒーラーである。一方で審問官としての立場から孤立しがちだったためか、友人関係の構築というものに強い意欲を示す。パッケージ絵左奥の黒髪の少女。
デモン形態ではその名の通り白鳥を思わせる翼が随所に現れる。
対応するスタリカ(マグナスタリカ・序)はオーケストラ風。
「白鳥座の加護」は魔法防御力上昇効果が得られる。
センタウル
マグナスターの歌姫たる「三柱デモン」の一人。オヤジギャグを好む陽気で脳天気な娘である。攻撃魔法に特化した「ソーサレス」。その身にはある秘密が隠されている。パッケージ絵右奥の魔女ッ子。
デモン形態はケンタウロス(Centaur=英語読みでセンタウル)の魔女。
対応するスタリカ(マグナスタリカ・破)はアイドルポップス風。
「人馬座の加護」は魔法攻撃力上昇効果が得られる。
ドラコ
マグナスターの歌姫たる「三柱デモン」の一人。飽くなき強さを求める求道者。バリバリの前衛として敵を屠る「ドラグーン」である。パッケージ絵左手前の赤毛の娘。
デモン形態ではその名前、そしてドラグーン(竜騎士)の名前の通りの竜を思わせる容姿になる。
対応するスタリカ(マグナスタリカ・急)はゴシックロック風。
「竜座の加護」は物理攻撃力上昇効果が得られる。
その他
マグナスター
本名セリウス・マグナスター。アステリアを支配する独裁者。元々は旅芸人であり、流れ着いた先のアステリアで街の発展に尽力したことから統治者に上り詰めたという経緯を持っており、独裁者という肩書きに反して市民達の支持も高い。
光を浴びたものの心を奪う邪悪なる魔眼・スターゲイズの持ち主。その影響で配下のデモン等も、彼ほどの威力ではないもののスターゲイズを使うことがある(シリーズ恒例の強制魅了攻撃)。抗うためにはデモンゲイザーのデモンゲイズの力が必要。
エリク
「星霊魔術士」を生業とする謎の少年。マグナスターの協力者であったが現在は反目しており、このため革命団に手を貸すことになる。
中性的な容姿に謎めいた発言が印象的な美少年であるが、致命的な次元の方向音痴でもあり、待ち合わせ場所に行こうとして正反対の方向に行くのはしょっちゅう。
関連項目
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