プロジェクトEGG(ProjectEGG)とは、2001年11月24日にボーステック株式会社が運営を開始したレトロゲームのオンライン配信サービスである。
概要
1980年〜1990年代頃に発売されたレトロゲーム(パソコン、コンシューマー)をエミュレーションによってWindows上で再現、プレイ可能にするという懐古厨垂涎のサービスになっている。
特にパソコンゲームの充実ぶりは他の追随を許さない(逆に言うとコンシューマーは若干少なめ)。
当初はボーステック株式会社が運営をしていたが、現在は株式会社D4エンタープライズが運営している。
歴史
2001年6月1日、ボーステック株式会社が総合ポータルサイト「ソフトシティ(Soft-City.com)」の運営を開始した。月額300円でアプリ―ケーション(「ハイパー家計簿@SC」や「ハイパー住所録2SC」)、ホームページ作成ツール、コミュニティーエリア(BBSやチャットができる)を提供するサービスである。
このソフトシティの1サービスとして、2001年11月に誕生したのが「ProjectEGG(Engrossing Game Gallery)」である。いわゆる「夢中にさせるゲームギャラリー」のプロジェクトである。
「多くの人達に影響を与えたレトロゲームの数々をWindows等の現行プラットフォーム上で再現し、かつてそれらのゲームを楽しんだ人も、そうでない人もすべてひっくるめてより多くの人達に楽しんでもらうこと」を目的に発足しており、この企画自体も草の根で活動を続けていた「レトロゲーム愛好家」達がボーステックに企画を持ち込んだことが切っ掛けとなっている。
それまでも各種エミュレーターによりレトロゲームをプレイする事は可能であったが、実機からの取り込みが必要な事からレトロゲームを愛してやまない、プレイする為ならば努力を惜しまない「レトロゲーム愛好家」専用のコンテンツとなっていた。また、違法アップロードや違法サイトによるゲームromの配信により暗いイメージも付いて回っていた。これらの垣根を取り払いイメージを払拭する為にも「メーカーから正式に許可を貰ってエミュレート配信する」ことも目的の一端だったと考えられる。
ソフト単価は300〜900円と安価でありながら、その単価の中には各ゲームタイトルを提供してくれるメーカーや各プラットフォーム(Microsoftやシャープ、SEGA等)の権利元への支払いも含まれていた。
当初はPC-8801、FM-7、X1、PC-9801の4機種を対象としたパソコンゲームのサービスを開始しており、2002年6月になるとMSX規格の生みの親であるアスキー創業者の西和彦氏が主宰するMSXアソシエーションが合流する事によりMSXタイトルの発売も開始した。その後も対象プラットフォームをPC-6001、X68000、メガドライブ、PCエンジン・・・と増やしていった。
2004年3月3日、ProjectEGG発起人のひとりである鈴木直人(ボーステックのゲーム事業部長(当時)で、社内ベンチャーとしてサービスを発足させた)が株式会社D4エンタープライズを設立。事業譲渡を受けてゲームを中心にした総合エンターテインメントサイト「アミューズメントセンター」の運用を開始、ProjectEGGはボーステックとD4エンタープライズの共同運営になる。
2005年、株式会社ガイアックスがボーステック株式会社から「ProjectEGG」を含む「ソフトシティ」を譲り受け、ガイアックスとD4エンタープライズの共同運営になった。これはオンラインゲーム事業を拡大したかったガイアックスとオンラインゲーム事業を縮小したかったボーステックの考えが一致したからとのことである。
その後、ガイアックスは2007年、ProjectEGGの事業を改めてD4エンタープライズに譲渡。同年9月1日づけで、「ソフトシティ」がD4エンタープライズ運営の「アミューズメントセンター」に統合され、以後もその体制が続いている。
なお、「銀河英雄伝説のゲームと言えばボーステック」だったボーステックは「らいとすたっふ」と版権トラブルを起こしてオンラインゲーム「銀河英雄伝説VII」のサービスを終了(銀河英雄伝説の版権契約解除で銀英伝ゲームが全滅)、2005年3月には株式会社ビービーエムエフと資本提携を行い、2009年5月1日に吸収合併されて消滅している。
サービスの内容
ダウンロード販売
会費として月額500円+ソフトの購入費用として数百円が必要となる(無料タイトルは月額のみで利用可能)。
※この料金には各ゲームタイトルを提供してくれるメーカーや各プラットフォームの権利元への支払いも含まれる。
ゲームの利用は公式Webでプレイしたいタイトルを購入(無料タイトルでも購入処理は必要)し、プロジェクトEGGが提供する専用ランチャーソフト「EGGランチャー」からプレイしたいタイトルを起動することにより行われる。
専用ランチャーソフトの目的はゲームの起動や管理以外に不正利用防止の役割がある。このソフトはキーを使ったアクティベーション方式をとっている事から、PCの買い替えや再セットアップ時にはキーの転送が必要になる。
パッケージソフト、書籍販売
レトロゲームのコンプリートパッケージソフト(各プラットフォームの同タイトルからシリーズ作品まで)や絶版書籍の新編集版の販売を行っている。
サービス開始当初の方式と不正利用防止対策
LHA形式の自己解凍実行ファイルでソフトが提供されており、ゲームの認証等は会員専用のアクセスツール「プロテクトEGG」と支援ユーティリティ「ScrambleEGG」が使われていた。
プロテクトEGGにより認証された情報はレジストリと実行ファイル(ゲームのEXEファイル)に書き込まれる方式であり、一度認証されたゲームは再ダウンロードしない限りは無制限に利用できた。この認証された実行ファイルをバックアップしておけば別端末でもゲームを起動することが可能だった。
不正利用の対策としては、実行ファイルに書き込まれるユーザー固有の情報により不正配布された場合には配布したユーザーを特定できると言った物だった。
取り扱いハード・参入メーカー
取扱ハード
参入メーカー
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