ベネルクス(Benelux)とは、ベルギー(蘭:België/仏:Belgique) + オランダ(蘭:Nederland) + ルクセンブルク(仏:Luxembourg/独:Luxemburg) の3ヶ国の総称である。
概要
3ヶ国の総称であることから「ベネルクス三国」とも呼ばれている。
地理的にはフランスの北東、ドイツの北西に位置し、それらの両国によって挟まれているようにも見える。ライン川およびマース川の河口を含んでおり、貿易面でも重要な拠点となっている。
歴史的にはかつての神聖ローマ帝国の北西部にあり、ハプスブルク家が支配した時期も長い。1815年のウィーン会議によって成立した「ネーデルラント連合王国」がこの地域を統一したが、間もなくベルギー王国が分離独立する。更に君主の継承権の問題からルクセンブルク大公国も分離し、現在と同じ3ヶ国体制となる。第二次世界大戦では3ヶ国ともナチス・ドイツによって占領された。戦後はいわゆる「ベネルクス関税同盟」によって経済面での統合が進められたが、その経済統合の考え方は後の欧州連合(EU)へと引き継がれた。
言語的には南西部ではフランス語、北東部ではオランダ語が優勢であるが、国境と言語の境界とは一致していない。ベルギーの一部ではドイツ語が日常的に用いられているほか、ルクセンブルクでもドイツ語が相当に流通している。
政治的にはいずれも君主制を採用しているが、民主主義が成熟している。移民の増大が顕著であり、今後の政策に大きな影響を与えるものと考えられる。
宗教的にはプロテスタント(新教)のオランダと、カトリック(旧教)のベルギーとの対比が顕著である。
関連項目
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