ミル・マスカラスはメキシコ出身の覆面プロレスラー。『千の顔を持つ男』、『仮面貴族』、『悪魔仮面』の異名を持つ。往年の覆面レスラー、ドス・カラスは実弟。
千の顔を持つ男
試合毎に違なるマスクを着用し、入場の際はマント姿で颯爽と登場。そしてマスクの一枚を裂いてそれを観客へ投げる(プレゼントする)という、粋なパフォーマンスで会場の子どものみならず多くのプロレスファンのハートをキャッチした。また剥いだマスクの下はさらに新しい顔(マスク)…と、『千の顔を持つ男』の異名は伊達ではなかった。
空中殺法
ルチャ・リブレ(メキシカンプロレス)出身らしい空中戦が十八番。とりわけダイビング・ボディ・アタックや可憐なドロップキックは空中殺法の真骨頂で、相手をロープに振ってからのフライング・クロスチョップや場外へのプランチャーは圧巻、多くの観客を沸かせた。また、スープレックスやブレーンバスターなどオーソドックスな投げ技も凸なくこなし、グラウンド(寝技)ではねちっこく、多彩な種類の関節技を持ち合わせている。
また空中殺法における実況の合いの手は、入場曲『スカイ・ハイ』にちなんで『飛べ、マスカラス』。
入場曲『スカイ・ハイ』
『空高く』と、もっぱら空中戦を得意とするマスカラスらしい選曲。これが後に日本のプロレスにおいて入場曲というシステムを定着させる先駆けとなる。
ちなみに『星のカービィ スーパーデラックス』のBGM『スカイハイ』は別曲。関連性はない。
ドス・カラスとの兄弟タッグ
二人揃ってのフライング・クロスチョップなど、息の合った空中殺法が特徴。特に夏場のシリーズ参戦が多かったことから、プロレスファンの間では兄弟の来日は『夏の風物詩』といわれた。また来日40周年を機に記念試合(11.10.7 後楽園)を行うなど(69歳、60歳。ともに還暦を越えていた)、プロレスに対する情熱はまだ衰えていない。
……え!?今度は4.14スターダム新木場大会で、あのゆずポンマスクとのトリオ結成だって!?
ゆずポンマスクとの夢トリオ誕生──スターダム4.14新木場大会
2013年4月14日には、なんとスターダム新木場大会に参戦。夜興行の「STARDOM MASK FIESTA」に、あのゆずポンマスク(愛川ゆず季)と組んでの6人タッグマッチに臨んだ。マスカラスは全盛期を彷彿とさせる強さを発揮、ダイビングボディアタックを決め、見事勝利を飾った。
ちなみに当時70歳。試合終了後のファンからの「ずっとやってください」との尋ねに対し、マスカラス選手曰く「呼ばれればいつでも行く準備はできています。私はずっと現役でいます」。
…これぞマスカラスである。
「体重を減らして膝に負担をかけないようにする」「無理にアルコールを摂らずに、お寿司や肉を摂る」「普段は静かな生活を心がける」。これがマスカラス流の元気の秘訣である。
令和3年秋の外国人叙勲
日本国政府が2021年11月3日に発令した秋の叙勲にて、「スポーツを通じた日本・メキシコ間の相互理解の促進に寄与」した功労により、旭日双光章を受章した。(参照:外務省「外国人叙勲受章者名簿」)
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