加藤三郎とは、宇宙戦艦ヤマトシリーズの初期で活躍した、ヤマト航空隊の指揮官のエースパイロットである。
初代、「さらば」及び「2」の担当声優は神谷明、リメイクの「2199」では細谷佳正。
概要(初代~2)
スポーツ刈りの好青年風な容貌、神谷明氏の明るくよく通る声から、ムードメーカーの一人でもあった。
初代では七色星団決戦などで、ブラックタイガー飛行隊を率いて防空に活躍。
「さらば」及び「」2ではコスモタイガーⅡに機種転換。
月面飛行隊の配属であったが、ヤマト決起の知らせを聞いて強行離陸。嘗ての立場に復帰する。この辺りは古代と似たり寄ったりであるが、時代ゆえのおおらかさと割り切る他はない。
飛行隊長としての技量は一級品で、特に「2」では電探、無線封鎖状態での敵機動部隊索敵をこなす。
発見したのはアナライザーと真田さんの機体であるが、その座標を受け取るや山本率いる別働隊とともに直ちに急行。敵空母の飛行甲板を最優先で攻撃し、迎撃機の出撃を阻止するなど、的確な戦闘指揮を見せた。
しかし惜しまれることに、「2」「さらば」双方の展開でともに戦死してしまう。
どのように戦死したかはは変わらず、彗星帝国本星に強行着陸。強襲部隊をコスモタイガーの後部銃座で援護。
その最中に銃座ごと敵銃火により被弾。古代の手により機体はヤマト飛行隊の中で唯一生還を遂げるが、加藤三郎本人は、その時の被弾による負傷が原因で息絶えていた(死に顔は「2」の方が穏やかである)。
なお「加藤四郎」という容貌、声がそっくり(当然担当声優も同じ)な弟がいる。
「ヤマトよ永遠に」以降はヤマト飛行隊の指揮官を継承している。正直、名前が変わっただけの加藤三郎といってよく、いささか安直な設定は当時、好悪が分かれたとも言われる。
概要(2199)
北海道出身、年齢23歳、国連宇宙軍航空団きってのトップエースにして階級は2尉。
ヤマトにおける配置は第7航空団第810飛行隊長(コスモファルコン装備の2個中隊編成)。
旧作と違って頭を坊主に丸めており、言葉遣いも荒いなど多少とっつきにくい印象となった。
第3話で部下の口から実家がお寺さんと語られており、第7話の太陽系赤道祭でも僧侶を務める父親と会話している。なお、当人は実家の家業を継ぐ意志は全くない模様である。
但し仏事に関する心得はあるようで、ヤマト出航前には山本玲宅の彼女の兄の遺影に、丁寧な焼香も行なっている。
一見すると粗野に見えるが、細かな配慮を欠かさず責任感も強く、トップエースの飛行隊長に相応しい性格である。
故に整備中の戦闘機を持ちだし単純な機体損失だけでなく、当人たちの命を軽んじた古代と島には容赦なく鉄拳制裁を振るい、エンケラドゥスで見事な技量を見せた山本玲にも、結果オーライとはせずに厳しく叱責している。
ヒューマンエラーを起こした古代が、自分たちの上官となったときは大変に懐疑的であった。
古代に対し海軍に準ずる宇宙軍に属する身でありながら陸軍式の呼び方である「戦術長“殿”」と呼び「命令には従うが、部下を無駄死にさせたときは落とし前をつける」など、上官としての立場を尊重しつつも、次はないという釘をさしている。但し古代が戦術長として信頼するに値すると後に判断、諍いは氷解している。
山本玲に関しては、彼女の兄であり自分の親友が航空隊で戦死したことが、尾を引いている。
作中の描写、コミック版の「ヤマトに乗ってからは、君を玲ちゃんとは呼ばない」など、妹のように見ているフシがあり、故に戦死の確率が低い主計科へ配属させた。(が報われることなくロッカー君が犠牲となってしまった)この辺りの生死への敏感さは、父との最後の交信でも現れている。
因みにワープ直後の佐渡先生とのやり取りや、太陽系赤道祭での様子からして完全な下戸のようである。
副隊長である篠原弘樹とは長い付き合いのようで、何くれとサポートし合いながら飛行隊を率いている
看護師である原田真琴には、総合病院における古代達への修正や、山本に対するトラブルでロッカー君が犠牲になった際に治療してもらったりと何かと世話になっている。赤道祭の際も太田に騙されてメイド衣装になった彼女に対し僧侶コスで「似合っている」と彼女をフォローしている。
その後も話数が進むごとに親密なシーンが取り上げられ続け……。
彼の愛機のコスモファルコンは黒とグレーを基調とした塗装を特徴とし、尾翼に「真琴誠」と黒字に白で記されている。 第4話ではコスモゼロにも搭乗し、ガミラス軍のミサイル対空砲火を掻い潜って敵戦車を撃破するなど、複数種類の航宙機の扱いに習熟していることも示した。
空飛ぶ般若心経
このように不器用ながら繊細なかつ責任感ある若者として掘り下げられた加藤だが、ひとつの癖がある。
それはここ一番という場面、平常心を維持するために必ず般若心経を唱えるのだ。
ヤマトが最初のワープを遂げるときには、般若心経を唱えつつダーツに興じ、日頃はツーカーの仲である副隊長の篠原をして「なんかもうお終いって感じ」と呆れられている。そして姿勢固定を怠って見事、ワープ酔いに…
また、メ2号作戦で冥王星上のガミラス基地捜索の際も、無線封鎖中は終始般若心経を唱え続けている。
コスモファルコンのAIから「そのコマンドは入力されていません」と突っ込まれた挙句、なんと無線封鎖解除直後、僚機の杉山が撃墜されて戦死してしまった。
当人に他意はなかったのだろうが、杉山の生前葬じゃないかと視聴者から突っ込まれている。
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