国際機関(international organisations)とは、何らかの目的を達成するために国家間の条約によって設立される国際法上の組織である。単なる国際会議と異なり、その機関のために事務局が置かれる。「国際組織」または「国際機構」と表現される場合もある。
概要
国際機関は、国際法に基づいて設立される一方、国際法の主体ともなる存在である。すなわち、その目的を達成するために必要な範囲で、国家または他の国際機関との間で条約を締結することができる。一方、国際的な「非政府組織」(NGO)は、国家間の条約に基づいているわけではないため、国際機関とは呼ばれない。
国際機関は、その内部に複数の機関を有するのが通常である。大抵の場合、全加盟国の代表が集まる「総会」、何らかの方法で選出された少人数によって組織される「理事会」、そして実際の事務を取り扱う「事務局」が置かれている。ほかに、国家間の紛争解決のための「(仲裁)裁判所」が置かれていたり、総会や理事会の下に専門的な「補助機関」が置かれていたりする。
国際機関は、大きく次のように分類することができる。
- 目的
上述のとおり、国際機関は何らかの目的を達成するための組織である。国際電気通信連合や万国郵便連合のように、特定の行政的・技術的事項を扱うために設立された国際機関は「行政的・専門技術的国際機関」 と呼ばれる。これに対し、幅広い分野を扱う国際連合(国連)、アフリカ連合(AU)のような国際機関は「一般的・政治的国際機関」と呼ばれる。
- 地理的分布
国際連合や世界貿易機関(WTO)のように、世界中に加盟国を有する国際機関は「普遍的国際機関」と呼ぶことができる。これに対し、特定の地域における協力を推進する国際機関、すなわち欧州連合(EU)や米州機構(OAS)は「地域的国際機関」である。
- 権限
欧州連合(EU)は、「超国家的国際機関」に分類される。これは、加盟国が主権の一部をEUに委譲しているため、EUの機関が制定した法規範(専門的には「第二次法」と呼ばれる。)は、加盟国の法令を通じずに、加盟国および加盟国の国民に対する「直接効果」を有するという特徴を踏まえた表現である。このような特徴を「超国家性」(supranationality)と呼ぶ。これに対し、通常の国際機関はこのような超国家性を有していないことから、単なる「政策的・調整的国際機関」とされる。
国際機関の例
ここでは、現在の国際機関およびその内部機関の例を挙げる。適宜追加されたい。
※記事がある機関名は太字。
普遍的国際機関
地域的国際機関
- 欧州連合(EU)
- 欧州評議会(CE)
- 欧州自由貿易連合(EFTA)
- 欧州原子核研究機構(CERN)
- 北大西洋条約機構(NATO)
- 米州機構(OAS)
- アフリカ連合(AU)
- 石油輸出国機構(OPEC)
- アラブ石油輸出国機構(OAPEC)
- 独立国家共同体(CIS)
- 上海協力機構(SCO)
- アジアインフラ投資銀行(AIIB)
- 東南アジア諸国連合(ASEAN)
- 南米諸国連合(UNASUR)
- 南米共同市場(MERCOSUR)
- イスラム協力機構(OIC)
関連動画
関連商品
関連項目
子記事
兄弟記事
- なし
- 2
- 0pt