概要
石原慎太郎氏の代表作。著者の弟である石原裕次郎氏が話した、仲間の噂話が元ネタであるとされている。
その倫理性に欠ける内容が若者を中心に大ヒット。「太陽族」という言葉まで作られた。
また、映画は、後の「処刑の部屋」「狂った果実」等と併せて「太陽族映画」と呼ばれ、これらの映画に影響された犯罪が多発し、問題となった。(映倫管理委員会設立の理由となる)
- 1955年 第1回文学界新人賞受賞
- 1956年 第34回芥川龍之介賞受賞
- 1956年 映画版が公開(作者の弟である石原裕次郎デビュー作)
- 1986年 アニメ「青春アニメ全集」にて、アニメ化
- 2002年 TVドラマ化
あらすじ
津川竜哉は裕福な家の次男坊である。
ボクシングに賭博に性行為に、青春を謳歌していた竜哉であったがある日、町でナンパした武田英子に本気で恋をしてしまった。
紆余曲折を経て二人は互いに愛し合い、そして英子は竜哉の子供を身ごる。最初は子供を喜ぶ竜哉だったが、やはり、子供はいらないと考え、英子に中絶するように言う。
英子は素直に中絶手術を受けるのだが、急性腹膜炎を発症。死亡してしまう。
竜哉は葬式の場で英子の遺影に香炉を投げつけ、初めて涙するのであった。
問題点
- 描写が少ない為、長編にできる内容なのに、結果的に短編になっている。
- 日本のアマチュアボクシングでは基本的に使用されないダッキングを行いその際の描写が、屈んで攻撃を回避するダッキングの描写として不適切
文学界新人賞&芥川龍之介賞
本作品は第1回文学界新人賞ならびに、第34回芥川賞を受賞しているが、賞の社会的評判をあげる為に「学生作家」、「非倫理的な内容」という点を注目して受賞させただけであってその内容を評価されて受賞したわけではない。
なお、当時の芥川賞は関係者10人程度が集まるだけのホームパーティーレベルの賞であり、今日の「権威ある芥川賞」にまで地位を押し上げたのは「太陽の季節」である。
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関連項目
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