概要
源氏の一族の一人、木曽義仲が都に上る際に引き連れていた妾の一人。木曽義仲の本拠地である信濃の出身。義仲とは二人の兄とともに乳母兄弟にあたるという伝承も伝わっている。しかし、女でありながら男に勝るほどの力を持ち、戦場では長刀を振り回し武将としても働いた。
木曽義仲が源義経に敗れ都を追われた際には最後の7騎になるまで義仲のそばにつき従い、義仲の「武士の最後が女とともにあってはよろしくない。お前はどこへとなり落ち延びろ」という言葉を受けるも、それでも離れようとはしなかった。しかし、義仲の再三の要請にこたえ、また、「自分の最後を伝えてくれ」という要請もあったとも言われ、ついに巴御前は義仲のそばを離れる。
その際、最後の奉公として追撃に現れた敵武将の首を取ったとも伝わっている。その後は歴史上から名前が消え、最後がどうなったかはわかっていないが、別の武将の妻となり子供を産んだという伝承もある。
女性武将という珍しい存在である上に、一時は都を掌握するほどの力を持った木曽義仲の愛妾でもあるという立場は際立っており、日本史上の強い女性という話題ではよく名前が上がる。実際、逸話が事実ならば戦闘においては最強の女性といえるかもしれない。
ただし、これらの記述は軍記物語である平家物語などでしか見ることができず、実在したかどうかは確認ができない。しかし、やはり魅力的な人物であることには変わりなく、能や歌舞伎の題材となり、現代でも様々な創作作品の中でその名前を見ることができる。
現代の萌え基準などに照らし合わせると、「女武将/男勝り」「怪力」「色白」「黒髪ロング」「一騎当千」「幼馴染/義妹」「好きな男から離れられない」などの要素を見出すことができる。昔の人間の想像力もまた現代の人間に劣ることはないといえるだろう。
現代の創作の中の巴御前
- ペルソナ4 - ゲーム・アニメ「ペルソナ4」に登場するペルソナ(人間のもう一つの人格で特殊能力)→トモエ(ペルソナ4)を参照。
- 火の鳥(漫画) - 乱世編に登場。木曽義仲につき従う女武将そのままの描写。義仲からの愛情の描写もある。
- SAMURAI DEEPER KYO - 1600年ごろに死人を生き返らせる秘術にて蘇らせられた巴御前本人。
- ストライクウィッチーズ - 作中の女性兵士の二つ名に「扶桑海の巴御前」というものがある。
- Fate/Grand Order - サーヴァントの一騎。→巴御前(Fate)を参照。
関連動画
関連静画
関連項目
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