概要
直接的な死因は、火炎による損傷(熱損、焼損)の他、一酸化炭素などの有毒ガスによる中毒や酸素欠乏による窒息死である。火災においては中毒や窒息、自殺の場合には熱損が直接の死因となる場合が多い。
なお、正確には中毒死や窒息死後に焼かれた死体は「焼損死体」と呼ぶのが適切であるが、一般的にはこれらも焼死・焼死体としており、定義や用語の用い方は厳密に区別されていない。
焼死の特徴的な所見としては、高熱に曝されたことによる熱傷や炭化の他、筋肉・腱の収縮によりボクサーが構えたような独特の姿勢を取ることも多い(拳闘家姿勢)。
また、熱による収縮や体内の水分が水蒸気となることにより、皮膚に亀裂や裂傷が見られることもある。これについては、生活反応を調べて損傷が生前のものなのか、死亡後のものなのかを区別する必要がある。 皮膚以外に脳硬膜も熱による収縮で破れることがあり、その際、頭蓋内に血腫を形成する場合がある。これは燃焼血腫と呼ばれるものであり、病気や外傷などによる血腫とは比較的容易に区別することができる。
焼死体の鑑定において「火災の発生時点で生存していたのか?」は、非常に重要なポイントである。そのため、生活反応や気道内の煤の有無、血液の鑑定によって生前に火に巻かれたのか、他殺後に証拠隠滅目的で燃やされたのかを特定する必要がある。
関連項目
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