熱電発電は熱電交換素子を用いて熱と電力に変換して電力を得る発電法である。
概要
熱電発電で用いられるのは熱電交換という原理である。熱電交換(熱電効果)とは物体の熱勾配と流れる電流の相互作用のことである。熱電効果は電流のキャリアーである物質中の荷電粒子(イオン、自由電子、電子と正孔等)が物体中の熱を平衡状態にしようと拡散運動を行なうことによって生じる(とここでは大まかに説明する[1])。 熱電効果はペルチェ(ペルティエ)効果[2]、ゼーベック効果、トムソン効果に分けられるが、このうち熱電発電に用いられるのはゼーベック効果である。
ゼーベック効果とは単純にいえば、物体に温度差が存在することで電圧が生じる現象である。この場合の熱電変換効率は、ゼーベック効果素子の材質などに大きく左右されるが、従来の材質では温度センサーや腕時計の動力など、微小な電力を発生させるものか、宇宙船や人工衛星に用いられるプルトニウム熱電地などコストを度外視できるものへの使用に留まっていた。
現在もゼーベック効果を用いる熱電交換素子の研究は進められており、従来のボイラー機関では利用しきれない、熱機関の廃熱や地熱、温泉などの熱を利用した発電が研究されている。例えば東芝は温泉熱を利用した熱電発電システムを群馬県草津町とともに共同開発している。
主な特徴
ただし、熱電発電に用いる素子の熱電変換効率向上などの技術的な問題が存在することも事実であり、現在では実用化を目指して研究・実験段階の技術である。
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関連項目
脚注
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