神戸ルミナリエとは、兵庫県神戸市にて毎年12月に行われている、阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂を目的としたイルミネーションの祭典である。
光り輝く作品の担当は、イタリア、ヴァレリオ・フェスティと神戸市在住の今岡寛和。(2011年を除く)
概要
神戸ルミナリエの始まりは1995年12月である。同年1月17日に発生した阪神淡路大震災の犠牲者の追悼、復興する神戸の目印として開催された。最初の点灯の瞬間には大きな歓声が起こり、涙を流すものが多かったという。
それ以来、毎年冬の神戸の風物詩として神戸市民のみならず他県からも多くの人が来場する一大イベントとなった。
神戸ルミナリエは仲町通を旧居留地25番館付近より東に400mほど進み東遊園地に入るのが例年の順路となっており、混雑度合いによっては元町商店街付近まで迂回させられることがある。最も混雑するのは土曜となっており、2004年の第9回開催では69万人を記録した。
2005年より来場者の集中や近隣商店への配慮により日程を繰り上げ、2012年開催では12月6日から17日までの開催となった。
また、2007年より開催期間が2日短縮され、12日間の開催となった。
2020年より新型コロナウイルスが世界的に流行した影響で開催を中止。2022年まで代替イベントが開催された。
2024年は4年ぶりに開催。これまでは毎年12月に開催されていたが、阪神淡路大震災の犠牲者に対する慰霊と鎮魂の趣旨から、震災が発生した1月に開催時期が変更された。
点灯内容
ルミナリエは5つの光の壁からなっており、仲町通にフロントーネ、ガレリアが、東遊園地内にスパッリエーラ、カッサ・アルモニカ、ソロピースが設置されている。
フロントーネ
玄関口となる最初のアーチ。仲町通(三井住友銀行前)に1基のみ設置。
ガレリア
フロントーネより東遊園地まで360mの間23基設置されるアーチ。東遊園地にもっとも近いアーチは他とデザインが少し違っている。
スパッリエーラ
東遊園地内に設置されている最も大きな光の壁。半径50m級の光の壁は例年多くの人々が集まり見とれている。
フロントーネと並び、神戸ルミナリエの象徴となっている。
光のカッサ・アルモニカ
東遊園地内、スパッリエーラ内部に設置。内部に鐘が8つ設置されており、小銭を投げ入れて鐘に当たると幸せになると毎年多くの人が投げ入れている。そしてその小銭は全てルミナリエの募金となるボロイ商売である
ソロピース
東遊園地内に設置されている木のようなアーチ。3種類のアーチが12基設置。
2012年よりLED照明に交換。
歴史
1995年 (第1回) |
12月、「復興する神戸に明かりを灯そう」という意図で開催。初回開催は15日から25日までの11日間であった。 テーマは「夢と光」で、来場者は約254万人となった。 |
1996年 (第2回) |
今回開催より開催期間が12日から25日までの14日間に延長。 この回では新神戸駅前・ハーバーランド・北野町広場にも会場が設けられた。 テーマは「讃歌-輝ける時を求めて」で、来場者は約386万人。 |
1997年 (第3回) |
東遊園地会場に実行委員会公認の露店が出店するようになる。 テーマは「大地の星たちに捧げる」で、来場者は約473万人。 |
1998年 (第4回) |
開催期間がこの年のみ1日延長、11日から25日までの15日間に。 また兵庫県警による厳重な警備体制が敷かれる。 テーマは「光の星空」で、来場者は約516万人。 |
1999年 (第5回) |
会場内でルミナリエ募金宝くじが発売開始。 この年より試験点灯の日を「ハートフルデー」として身体的弱者が安全に鑑賞できるように割り当てる。 テーマは「“Pure”(ピュア)な光の下で」 で、来場者は約516万人。 |
2000年 (第6回) |
震災5周年。 テーマは「光の永遠(インフィニティー)」で、来場者数は約474万人。 |
2001年 (第7回) |
テーマは「光の願い(デジデリオ)」 で、来場者数は約519万人。 |
2002年 (第8回) |
ルミナリエ募金宝くじが近畿宝くじに組み込まれる。 テーマは「光のぬくもり」で、来場者は約464万人。 |
2003年 (第9回) |
テーマは「光の地平線(オリゾンテ)」で、来場者は約507万人。 |
2004年 (第10回) |
この年より光のカッサ・アルモニカが登場。また、過去最高の来場者数を記録。 テーマは「神戸、光の都」で、来場者数は2012年時点でも最大の約538万人。 |
2005年 (第11回) |
震災10周年。この年震災復興関連の補助金拠出が終了。 新神戸駅前会場での開催が無くなり、また開催期間が9日から22日までに繰り上げ。 テーマは「光の第二章」で、来場者は約436万人。 |
2006年 (第12回) |
開催期間がさらに繰り上げされ、8日から21日までとなる。 テーマは「空の魅惑」で、来場者は約465万人。 |
2007年 (第13回) |
開催期間が2日短縮され、6日から17日までの12日間になる。 テーマは「光の紀元」で、来場者は約404万人。 |
2008年 (第14回) |
テーマは「光のインフィニート」で、来場者は約376万人。 |
2009年 (第15回) |
テーマは「光の抱擁」で、来場者は約365万人。 |
2010年 (第16回) |
震災15周年。ヒトキズナぷろじぇくと発足。 テーマは「光の心情『輝きを留めるために』」で、来場者は約343万人。 |
2011年 (第17回) |
東日本大震災支援を開始。この回のみ噴水広場にフォンテを設置。(LED照明使用) また、この年だけ制作をダニエル・モンテベルデが担当した。 テーマは「希望の光」で、来場者は約342万人。 |
2012年 (第18回) |
ソロピースをLED照明に交換。 テーマは「光の絆」で、来場者は約340万人。 |
2013年 (第19回) |
テーマは「光の記憶」で、来場者は約354万人。 |
2014年 (第20回) |
神戸ルミナリエ20周年。 テーマは「神戸 夢と光」で、来場者は約344万人。 また、本年のみ制作にパオロ・マイモーネが参加した。(2014年現在) |
2015年 (第21回) |
テーマは「心の中の神戸」で、来場者は約325万人。 |
2016年 (第22回) |
テーマは「光の中の叙情詩」で、来場者は約325万人。 |
2017年 (第23回) |
テーマは「未来への眼差し」で、来場者は約339万人。 |
2018年 (第24回) |
テーマは「共に創ろう、新しい幸せの光を(Luci di felicita)」で、来場者は約342万人。 |
2019年 (第25回) |
テーマは「希望の光に導かれて、25年」で、来場者は約346万人。 |
2020年~ 2022年 (第26~28回) |
新型コロナウイルスによる影響で開催を休止。 2020年は開催を予定していた期間に2点のイルミネーションを東遊園地に展示。代替イベントとして、2021年は「ロソーネ、まちなかミュージアム」を、2022年は「カッサアルモニカ/音楽の宝箱」を開催した。 |
2023年 | 開催時期の変更に伴い休止。 |
2024年 (第29回) |
4年ぶりの開催。開催期間を12月から1月に変更し、例年の会場である旧居留地や東遊園地に加え、新たにメリケンパークを追加。テーマは「神戸、未来に輝く光」。 |
問題点
1997年より東遊園地内に個人または法人による露店が出店するようになったが、ゴミの問題や、震災犠牲者の慰霊という趣旨上ふさわしくないなどの指摘が出ている。また、近年では近隣のクリスマスイルミネーション同等に只のイルミネーションイベントと誤解されているといった指摘もある。
また、2005年より来場者数は徐々に減少しており(2013年度のみ微増)、開催資金の資金繰りも非常に厳しくなっている。毎年会場内で開催資金調達のため募金や物品販売を行っているが、毎年開催続行が困難になっている。
2013年(第19回)の決算報告によると、収支47億6千万に対し支出48億7千万で1億1千万の赤字となっている。(赤字分は前年度繰越金3億7千万で補填され、次年度繰越金2億6千万円)
関連動画
関連項目
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