観光庁とは、日本政府を構成する「庁」のひとつ、観光の振興を行う国土交通省の外局である。
様々な国に同様の名称の機関があるが、ここでは特に日本国政府の観光庁について記載する。
概要
日本国政府の省の一つである国土交通省の、外局の一つ。同じく国土交通省の元にある気象庁、海上保安庁などと同じ四天王立場である。
観光庁の目的は日本の観光産業を推進し、「観光立国」を振興することにある。日本国内各地の観光地を支援するべくいろいろ活動している。
観光は日本にとって意外と大事で、観光で生み出される雇用効果が日本の就業者数の6.6%にあたる……と、観光庁の公式ウェブサイトに書いてあるが、多少どんぶり計算であることは目をつぶってあげるところである。
設立経緯、「新しい風」を貴ぶ気風
観光庁公式ウェブサイトに載っている「設立の経緯」によると、小泉純一郎氏が内閣総理大臣だったころに色々指示したことが、その後なんやかんやあって観光庁設立に帰結したらしい。
2008年に設立されたばかりの比較的新しい機関である。新しい省庁であることにこだわりがあるらしく、それにふさわしい「新しい風を吹き込む」を重要視しているらしい。行動憲章である「観光庁5か条」にも「………国の行政の新しい姿を目指し……」「新しい意識と組織文化の創造に……」「民間、地方自治体、他省庁などと交流し、新しい力を発揮します」と、短い中に「新しい」というフレーズが3つも入っている。
しかしそんな新しさを重視する省風とは裏腹に、2010年1月に2代目長官として溝畑宏氏が就任した人事については、古いお役所的手法である『渡り(天下りの一種)』や『縁故採用』に近いのではないかとの批判もあった。(※元々官僚であった溝畑氏は、Jリーグ・大分トリニータ社長に就任後に事実上の経営破綻を回避できず粉飾決算まがいのずさんな経営も指摘され、責任を取る形で2009年12月に社長を辞任していた。引責辞任後間もなく中央省庁の長官に就任する、という不可解ともとれる人事に、「元官僚の人脈を利用して『渡り』のあっせんを受けたのではないか」「(当時の)前原国土交通省大臣との『お友達人事』だろう」といった疑いの目が向けられたのである。当時の民主党政権は「天下り根絶」を標榜していたため、政策の一貫性の無さという点でも批判された。)ニコニコ神社に溝畑長官が参拝した際には、観光を含む東北全体のニコニコ動画の関与に対しての感謝、および復興祈願を行った。
国家戦略としての観光
マスメディアは観光において経済波及効果にのみスポットを当てがちだが、観光には実はそれにとどまらない深い意味がある。
海外の諸氏に日本に来てもらい、おいしいものを食べてもらい、美しい日本の国土の風景を共有してもらい、高機能な自動販売機や整然と整備された都市部の鉄道、それらを裏づけする海外と比較してダントツに高い日本の治安のよさを実感してもらうことにより知日、および親日を増やすことを目的とするという側面を持つ。
すなわち観光推進とは静かな外交戦略の一環なのである。
所管業界のない官庁
観光というと旅館や民宿を思い浮かべる人も多いと思うが実際のところ観光庁は物理的にそれらの建造物を監督していたりはしない。
建造物の監督は国土交通省であり、温泉などの所管は環境省である。
すなわち本質的に業界ではなく、利用者や消費する個人を対象とした新しいタイプの官庁といえる。
同類としては文化庁や、環境省、消費者庁などがあるが消費者庁以外の二省庁はアニメや特撮に縁が深い、というよりも実際に作成予算を出したり賞を出したりしている。
また消費者庁との関連性も高く、2008年に設置された観光庁に対して消費者庁の設置が2009年と双方とも歴史の浅さと予算の低さにおいてはいい勝負である。
そして、その事実は一方で過去にとらわれない斬新なチャレンジが可能という側面でもある。
今後、21世紀に生まれた新しい中央官庁として頭角を伸ばしていくのか、それとも泣かず飛ばずで泡沫と消えるのか注目が必要な庁であるともいえる。
観光庁シンボルマーク
日の丸に赤い輪が重なるような図柄をシンボルマークとしている。
この「日の丸から出入りする赤いリング」は、国内外からの人々の活発な交流を表している。と同時に、「過去の行政にとらわれない新たな変化の創造を目指す」という観光庁の姿勢も示しているとか。やっぱり新しいことが好きらしい。
ポスターや郵便物などに使用されるほか、観光庁が後援・協賛・監修する事業や行事などにおいて「観光庁も関わってるんだよ」と言うことを示すために使われることもある。しかし国の機関だけあって結構使用条件が厳しく、そういった使い方をするためには使う10日前までに観光庁総務課長に使用申請をしなくてはならない。
第10回MMD杯選考委員
第10回MMD杯の開幕告知動画。本動画内で、観光庁が選考委員を務めることが発表された。
観光と直接的には関わりが薄いと思われる、しかもあまりお堅いとは言えないニコニコ動画内でのMikuMikuDanceのイベントに、中央省庁である観光庁が関わることについては驚きの声も上がった。これも観光庁が目標として掲げる、「過去の行政にとらわれない、国の行政の新しい姿」の一つなのだろうか。
本動画の6:00時点で「観光地域経済調査もよろしくね!」というメッセージと共に登場する謎のアホ毛は、「観光地域経済調査」という、観光庁が行う一種のアンケート調査の広報用キャラクターである。「少しでも親しみや興味を」というねがいを込めて、「シャンハイチャーリー」などの作品がある漫画家「ビブオ」氏に依頼して制作されたキャラクターらしい。
なお、観光庁が選考委員になった経緯については、こちらでも触れられているが、上記の作品が発端となったらしい。
詳しい経緯はこの第10回MMD杯表彰・閉会式動画の中(28:53~あたり)で、「観光庁の中の人」により語られている。
東日本大震災の復興において、観光庁としてできることの一つとして「義援金でなくても、ボランティアでなくても、旅行や仕事で被災地に行くことが復興につながっていくんだ」というメッセージを国民に伝えたいという思いが観光庁の中の人にはあった。
そんなときに上記の「トウナ ステイション」を目にして、作品に表現するという力の偉大さに心を動かされたらしい。
観光庁から、皆さんへお願いです。
私たちと一緒にメッセージを発信してください。被災地に行こう。旅行でも、仕事でも。被災地に行こう。そんなメッセージを皆さんの作品の力で伝えてください。観光庁の言葉だけでは、まだまだ足りないんです。
どうか皆さんの力を貸してください。
観光庁から、MMD杯を愛する全ての方へ、お願いです。
これを受け、MMD杯運営委員会は、第11回MMD杯のテーマの一つを「東北行きに乗って」とすることを決め、
>~全ての方へ、お願いです。
では、11杯のテーマの一つを
「東北行きに乗って」にするので
もう一回選考委員お願いいたします!
MMD杯運営委員会
>選考委員お願いいたします!
謹んでお引き受けいたします。
観光庁
観光庁はその第11回MMD杯でも引き続き選考委員を務めることとなった。
第11回MMD杯選考委員
以下は第11回MMD杯での観光庁の総評である。
皆さんこんにちわ。観光庁の中の人です。
前回のMMD杯からあっという間に半年が経ち、また皆さんにお会いできたことを光栄に思います。
今回は、運営さんのご厚意で、「東北行きに乗って」のテーマを設定していただきました。投稿数こそ8つのテーマの中で最も少なかったものの、私たちの問いかけに正面から応えてくれた作品がいくつもあり。感謝の気持ちでいっぱいです。
観光庁賞には「45日間の追憶」を選びましたが、「いつか見たバスの思ひ出」や「三春の桜」などすばらしい作品ばかりで、ご覧になられた方の中にきっと何かが残ったのではないでしょうか。
被災地に行こう。旅行でも、仕事でも。東北を応援するために被災地に行こう。そういうことを伝えたくて、お引き受けした選考委員でしたが、気持ちのこもった作品の数々に、なんだか自分たちの背中も押してもらったような気がします。震災からの復興は、まだまだ道半ばです。また明日から一つずつ、観光庁にできることを積み重ねていこうと思います。
このすばらしい大会がこれからも皆さんに愛されるものでありますように。またどこかでお会いできるといいですね。
MMD杯を愛する観光庁さんの中の人、選考委員お疲れ様でした。
なお、第10回MMD杯の選考委員賞の賞名は観光庁賞だったが、
第11回MMD杯の選考委員賞の賞名は観光庁長官賞であった。
関連動画
関連静画
関連商品
関連コミュニティ
外部リンク
関連項目
- 6
- 0pt