電卓(でんたく)とは、電子(式)卓上計算機の略語である。計算機の一種。
電子卓上計算機
電子卓上計算機とは、電気を使い卓上でも使えるほど小型で四則演算をしてくれる機械のこと。
現在では略語の「電卓」が一般用語として普及しておりそれが正式名称としても認定された。
中国語ではそのまま「計算機」「计算器」と呼ばれる。
現在でこそ携帯電話などの最も単純なアプリケーションに過ぎない程までに小型化されているが、以前は初期の集積回路やトランジスタを計算回路に用いたデスクトップ型や、リレー盤や真空管を用いた巨大な電子計算機、さらには手動式の歯車計算機を電動化したデスクトップ型の電動計算機であったが、いずれも非常に高価で専ら筆算やソロバンで計算処理がされていた。
国産初の電子卓上計算機は1964年のシャープ製CS-10A「コンペット」であり、ポケットサイズのいわゆる電卓で親しまれるようになったのは1972年のカシオ製CM-604「カシオミニ」からである。
種類
主に四則演算を行う普通の電卓と、キーが多くちょっとだけ複雑な計算ができる関数電卓がある。
Windowsのアクセサリーには電卓のアプリケーションがあるが、筆者は主にExcelを使うので電卓はあまり
使ったことがない。
歴史
電卓の代表的なメーカーとしては、シャープ、カシオ、キヤノンがある。
現在はこの3社で日本の電卓市場を寡占しているが、ここに至るまでに非常に熾烈な市場競争が行われた。
開発登場は真空管が用いられ、とんでもなく大きくて重く、値段も自動車1台分程度はした。一般庶民がそう気軽に買えるものではなかった。 しかし、集積回路の進化などの技術革新と数十社にも及ぶ激しいシェア獲得競争による価格破壊により小型化と低価格化が進行し、1980年代頃には厚さ数ミリで太陽電池により駆動するカード電卓が登場するまでに至った。
この過程で競争力を失った企業が電卓の生産を断念し撤退、結果的にシャープ、カシオ、キヤノンの3社による寡占状態の市場となったのである。
一方、米国でもテキサス・インスツルメンツやヒューレット・パッカードが競争を繰り広げていた。また東側諸国も独自に電卓を作ったり、コピーしたりしていた。
電卓が広めた技術
電卓戦争によって各社が激しい競争を繰り広げた為、電卓には当時の新しい技術が投入された。これらの技術は必ずしも電卓の為に開発された訳では無いが、電卓に採用された事で多くの人が使うことができるようになった。
- 液晶ディスプレイ…小型軽量、低消費電力のため普及する。その後、高性能化が進み様々な用途で他の表示器を置き換えつつある。
- 太陽光発電…電卓で採用される以前も人工衛星やその他一部の用途で採用されていた。
- マイクロプロセッサ…いわゆるCPU。かつてCPUは計算をする部分やプログラムを解釈する部分など複数の部品で構成されていたが、それらを1チップに集積したもの。電卓に小型のCPUを搭載してプログラム次第で仕様・機能の異なる電卓を作れるようにするため電卓メーカーが考案。世界初のマイクロプロセッサの候補の一つであるインテルi4004が開発される。
関連動画
関連項目
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