高嶺響とは、SNKの格闘ゲーム「月華の剣士第二幕 〜月に咲く華、散りゆく花〜」などに登場するキャラクターである。
CV:氷上恭子(月華の剣士、カプエス2)、上坂すみれ(サムスピ)
概要
数々の銘刀を生み出してきた「高嶺源蔵」の名を知る者は、幕末の時代に置いてはもはや数知れなかった。
片田舎に引きこもり今もなおひっそりと刀をうち続ける源蔵の傍らには愛娘の「響」の姿があった。
ある時「銀髪の男」が高嶺家を訪れ、「源蔵」に刀を依頼してきた。
男の「純粋なる悪の気」に魅せられた源蔵は有無を言わずそれを快諾した。
帰り際、使いから戻った響が銀髪の男とすれ違ったとき、妙な胸騒ぎを感じずにはいられなかった。
やがて源蔵は一本の太刀「八十枉津日太刀」(やそまがつひのたち)を打ち上げた。
しかしながら、力を使い果たした源蔵は病の床へとついてしまった。
「あの男のせいよ!」という響に父は言う。
「どうしても納得がいかないと言うのなら、彼と刀を捜しなさい。
私が見たもの・・・感じたことがお前にもわかるはず・・・
そう言い残すと源蔵は息を引き取った。
父の最後の言葉に迷う響だが、やがて意を決し家を後にした。
天野が「男前」の手入れを源蔵に依頼しに来たのはそれから三日後の事であった。
本来は気弱で争いを好まない性格だが、刀や剣士を嫌っており暗さが拭えない。
ゲーム中で相手を斬殺してしまうとひどく取り乱し、繰り返すごとに勝利デモやメッセージが変化していく。
6回以上斬殺すると人を斬ることに慣れてしまい、エンディングでは冷酷残忍な人斬りへと変貌する。
なお、ストーリー中の「銀髪の男」はおそらくは同作に登場する刹那だが、両者のストーリーで対面はない。
月華の剣士は秀麗なドットグラフィックで知られ、彼女のモーションも滑らかで美しく、納刀のモーションは圧巻。
居合の特徴、魅力を表現した性能も相まって非常に見栄えのするキャラクターである。
後にカプコンとのクロスオーバー作品「CAPCOM VS. SNK2」に主人公を差し置いて登場。
前述の通り原作ゲームでは条件を満たすと性格が変わるのだが、こちらでは気弱でも残忍でもない一人前の剣士で変化前と変化後どちらの性格とも異なる。
キャラクター性能
「月華の剣士第二幕」ではリーチが長く出の早い斬撃を持つが、納刀の隙が大きくガードされると危険。
安全に振れる技はリーチが短く、攻撃力、防御力、機動力はいずれも優れない。
弱いキャラクターではないが、プレイヤーの腕に依存する面が大きく上級者向け。
「カプエス2」ではリーチや出の早さはそのまま隙が減り、牽制に優れたキャラクターになった。
差し合いに優れた性能がゲーム性にマッチし、SNK側では数少ない上位キャラクターである。
代表的な技
彼女の使う技名はすべて「遠間にて斬る也」「近寄りて斬る也」といった風に彼女の動作そのものを表している。
中でも以下の二つの奥義は、高名な剣術書等を由来にしており、製作スタッフのこだわりが窺える。
発勝する神気也
勢いよく相手に踏み込み、すれ違いざまに一閃。
刀を鞘に納めた瞬間にようやく傷口が開くという超高速の居合。
刀に秘めた光が踏み込みと共に光線のように伸び、そのまま閃光を叩き付けるようなエフェクトが美しい。
由来は平戸藩第9代藩主にして心形刀流の達人、松浦静山の剣術書『常静子剣談』の一節
居合とは文字の如くにして剣を抜くにはあらず。
敵と居を合(合は対という心なり)はする時、 心機応じて発勝するの神気を言う。
気力で圧倒して敵を制し、刀を抜かずして勝つ心構えという意味であり、これこそが居合の極意「鞘の内」である。
死を恐れぬ心也
生死の刹那で放たれる、神速の逆手抜刀。
足元から波紋のようなものを広げ、その中に足を踏み入れた者を瞬時に切り裂く。
決まれば「死を視ること… 帰するが如し」と囁き、相手が切り裂かれると同時に「視死如帰」の印が入る。
由来は漢の時代の中国の儒者・戴徳が記した『大戴礼記』を出典とする故事「死ヲ視ルコト 帰スルガ如シ」
「まるで我が家に帰るときのような気楽さで死地に臨む境地」を意味する。
ガード不能技でありながら連続技になるほど発生が早く、潜在奥義の中でも高性能な部類に入る。
コマンドは「→←↙↓↘→B」で、格ゲープレイヤーにはお馴染みの覇王翔吼拳コマンドであるが、暴発しそうな技が2つもある上に、それらの技と比べてもコマンド受付時間が短めに設定されており、潜在奥義の発動条件である『ゲージMAX、体力4分の1以下』というシビアな状況も相まって体感的な難易度は高い。
攻撃範囲も決して広い方ではないので、成功させるには文字通り死地に臨む覚悟が必要となる。
カプエス2ではガード不能技ではなくなってしまった変わりに無敵時間が追加され、割り込みを狙いやすくなった。
また、この技でトドメをさすと髪が解けて風になびく美しい特殊演出となる。
この演出はドット製作を担当したカプコンサイドのオリジナルであり、思い入れの深さが窺える。
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関連項目
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