「黒博物館スプリンガルド」とは、藤田和日郎による短編漫画作品である。週刊モーニングにて07年連載。
単行本は「黒博物館スプリンガルド」と「スプリンガルド異聞 マザア・グウス」、仁賀克雄による読み物「黒博物館館報」で構成されている。
概要
「黒博物館」(ブラック・ミュージアム)は犯罪の証拠品や現場写真等を展示したロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)内に実在する資料館である。現在一般には公開されておらず、警察・司法関係者にのみ見学が許されている。
ストーリー
1837年、ロンドン…。女性の服を裂いて甲高い笑い声をあげ、空高く飛び跳ねて去る、「バネ足ジャック」がロンドン各地で被害報告、目撃証言がなされていた。女性を驚かせては去るだけのおかしな怪人であった。スコットランド・ヤードの巡査も「バネ足ジャック」を捕らえるために当時は数少なかった人員が動員されていた。半年後、「バネ足ジャック」は捕まらないままぷっつりと姿を消した。だが三年後、事件は起きた。被害者はメリー・スティーブンス。「バネ足ジャック」は女を殺す殺人鬼として戻ってきたのだった。
登場人物
- ジェイムズ・ロッケンフィールド警部
- 腕っ節の強いスコットランド・ヤードの警部。三年前の「バネ足ジャック」事件の捜査主任として関わっていて犯人を捕まえる一歩寸前まで行っていた。
- ダニエル・カバナー巡査部長
- ジェイムズ・ロッケンフィールド警部の部下。
- ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド
- 三年前の「バネ足ジャック」事件の容疑者として目星がつけられていた人物。侯爵。破天荒な人物で、アイルランドの鉄道会社に大金を支払って機関車同士を「面白いから」という理由で正面衝突させたり、腕っ節の強そうな労働者にケンカを売ったりしている。
- マーガレット
- ストレイド家に雇われているメイド。足を悪くしていて引きずって歩く。ウォルターに三年前に拾われた。何故かウォルターはこのメイドに弱い。
- 学芸員(キュレーター)
- 片目を髪で隠した女性。本名は不明。黒博物館の学芸員。本作品はロッケンフィールドがバネ足事件の真相を学芸員に語るという作りになっている。
その他
- バネ足ジャックは実際にロンドンで語られていた都市伝説のひとつである。
- 藤田の過去の作品「からくりサーカス」にもイギリス出身でロッケンフィールドという名前の人物が登場していたことがあり、さまざまな憶測を呼んだ。
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関連項目
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