以下の意味がある。
- GNU General Public Licence
- Grand Prix Legends
- Graphics Programming Language
- Genshipping Pacific Line
- Gomi People Language
ここでは、1の意味で用いる。
概要
GNU プロジェクトが自身のプロジェクトで使うライセンスとして、GNU ソフトウェアのすべての利用者がソフトウェアの4つの自由を持つことを目的として、コピーレフトを設計し、その概念を実装したソフトウェアライセンスである。
再配布などの際に、ライセンスの条項を守ることを条件として、利用者に以下の4つのソフトウェアの自由を明示的に許諾する。
GNU GPL 以外のフリーソフトウェア/オープンソースライセンスも上記の4つの自由を許諾するが、再配布や派生物の作成に対して主に以下の条件を守らせることにより、ソフトウェアを間接的に受け取った下流のユーザーがソースコードを受け取り、4つの自由を享受できるような法的な保護を与えている。
- 配布物にライセンス全文や著作権表記を載せること。
- 明示的に許諾された場合を除いて、ライセンス条件を変えないこと。
- オブジェクトコードで配布する場合、対応するソースコードの提供を同時に行うか、オブジェクトコードを所有する者すべてに対して、請求に応じて物理的に、またはネットワークサーバーから複製を提供することを記述した書面による申し出を添付すること。
- ライセンスによってユーザーが得られる権利に対して、非許可的な追加的条項の追加をしないこと。(例外有り)
詳細なライセンス条件(バージョンによって異なる)や理念などについては、GNU プロジェクトのページを参照するべきである。
GPLの歴史
歴史的にはGNU Projectの創始者である、Richard Stallmanが作成したGNU Emacs General Public License、BISON general public license などの、個別のソフトウェアについて作られていたコピーレフトのライセンスから、個々のソフトウェアに関する言及などを取り除き、GNUプロジェクトの外で開発されるソフトウェアについても利用できるようにまとめあげたものである。
バージョン1は1989年、バージョン2は1991年、バージョン3は2007年にGNUプロジェクトの支援団体である、アメリカ合衆国マサチューセッツ州の非営利団体 フリーソフトウェアファウンデーションによって発行されている。
GNU GPLでライセンスされた著名なソフトウェア
- Linuxカーネル
- GCC(GNU Compiler Collection)
- GNU Emacs
- Git
- Bash
- busybox
- GRUB(GRand Unified Bootloader)
- Das U-Boot
- OpenJDK
- MySQL
- Blender
- Samba
- Pukiwiki
- Mediawiki
- OBS Studio
- Ansible
などが挙げられる。
いわゆる 『GPL汚染』 について
ライセンス条件の保持の条項により、GPLでライセンスされたソフトウェアをベースに派生物を作ったり、
ライブラリやコードとして別のソフトウェアに組み込んだ場合、著作権の状態とともにGPLが継承され、結合物全体にGPLを適用し、ソースコードをユーザーに開示する義務が発生する。
過去に日本で起こった事件としては、2005年にAQUAPLUSのソフトウェアに
GPLでライセンスされた動画デコーダーのライブラリが使われていることがわかり、
郵送によりゲーム本体も含めた当該ソースコード(画像やテキストデータなどのアセットを除く)が開示されたことが有名である。
このため、GPLのいくつかの義務を守らなければいけなくなる現象を GPL汚染 や GPL感染 、 GPL伝播 と呼ばれてしまうことがある。
フリーソフトウェアコミュニティの関係者やライセンスに詳しい法務関係者はこの用語を好んで使わない傾向にある。
なぜなら、ライセンスによる義務は感染するようなたぐいのものではなく、人間が意図的にリンクしたり、組み込んだりしなければ発生しないものだからである。
近年では、Linux Foundation 傘下の OpenChain Project など企業がGPLに限らず、関連するライセンスを正しく遵守できるように啓蒙活動を行う取り組みも始まっている。
GPLとニコニコ生放送
2018年8月8日に公開された、"ニコニコ生放送" 向けライブ放送配信ツール「N Air」は
GNU GPLv3でライセンスされているソフトウェア、Streamlabs OBS をベースとして作られている。よってN Air のライセンスはGPLv3となっており、ソースコードがGitHubで公開されている。
公式ページでも "ライセンスに基づき、自由にソースコードを改変することができます。商用・非商用問わず、無料でご利用いただけます。またN Airの開発に直接コミットすることも可能です。" とアピールされている。
GPLと組込み製品
組み込みLinuxや、中のカーネルとしてLinuxを採用しているAndroid OSの普及に伴い、商業開発された製品の中身にGPLでライセンスされたソフトウェアが多数採用されているのは、珍しくなくなりつつある。
多くの場合、設定の法的情報の欄からライセンス全文を閲覧し、どのようなソフトウェアが使われているのか確認することが可能である。
関連項目
外部リンク
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