JOAKとは、日本放送協会(NHK)放送センターのラジオ第1放送のコールサイン(呼び出し符号)である。
概要
コールサインとはどこの無線局の電波かを特定できるように、国際電気通信条約で定められている符号で、アルファベットと数字が使われている。
1925年(大正14年)に日本初のラジオ局が開局した当時、日本の無線局は1文字目を「J」と定められたので「J」。2文字目と4文字目は明るい印象になるように「O」と「K」が選ばれたとされ、東京放送局が1番目の局とのことで3文字目は「A」とした。2局目の大阪放送局はJOBK、3局目の名古屋放送局はJOCKとなった。なお、これらの3局は1926年(大正15年)に統合され、現在のNHK(日本放送協会)の前身の社団法人日本放送協会が発足している。
JOAK-○○コールサイン一覧
- JOAK NHKラジオ第1
- JOAK-TV NHK総合テレビ(アナログ)
- JOAK-TAM NHK総合テレビ(アナログテレビ音声多重放送)
- JOAK-TCM NHK総合テレビ(アナログテレビ文字多重放送)
- JOAK-DTV NHK総合テレビ(地デジ)
- JOAK-FM NHK-FM
JOAK○系コールサイン一覧
戦中の放送電波管制下において難聴取対策で開局した臨時放送所→中継放送所に戦後コールサインを付与したものである。2022年現在すべてコールサインの廃止や変更で使われていない。
JOAK1が付与されなかった理由は、当時「0」や「1」を付与しないとの国際ルールに従ったから。
2022年現在、放送所(送信所)として現役は高田、飯田、柏崎の3局。開設されても付与されず局ごと廃止された放送所(送信所)もある。
- JOAK2 水戸中継放送所(旧水戸臨時放送所) →NHK水戸放送局移管JOAX→中波廃止。
- JOAK3 館山中継放送所(旧館山臨時放送所) →廃局。 NHK千葉放送局館山テレビFM中継放送所(?)とは関係ない放送所だと思う。
- JOAK4 宇都宮中継放送所(旧宇都宮臨時放送所) →NHK宇都宮放送局。中波廃局。
- JOAK5 高田中継放送所(旧高田臨時放送所) NHK長野放送局移管JOQX→コールサイン廃止 →NHK高田ラジオ中継放送所
- JOAK6 長岡中継放送所(旧長岡臨時放送所) →廃局
- JOAK7 飯田中継放送所(旧飯田臨時放送所) NHK長野放送局移管JOSQ→コールサイン廃止 →NHK飯田ラジオ中継放送所
- JOAK8 日立中継放送所(旧日立臨時放送所) NHK水戸放送局移管JOAQ→廃局
- JOAK9 柏崎中継放送所(旧柏崎中継放送所) NHK新潟放送局移管JOZQ→コールサイン廃止 →NHK柏崎ラジオ放送所
なお、JOBK〇系などもあるもよう。
JO○K系コールサイン一覧
旧中央放送局と開局は早い地方放送局に付与されている。韓国放送公社(KBS韓国放送)の前身にも付与されている。
- JOAK NHK放送センター(東京)
- JOBK NHK大阪放送局
- JOCK NHK名古屋放送局
- JODK 朝鮮放送協会京城中央放送局(廃止) →韓国放送公社ソウル局HLKA
- JOEK (未使用)
- JOFK NHK広島放送局
- JOGK NHK熊本放送局
- JOHK NHK仙台放送局
- JOIK NHK札幌放送局
- JOJK NHK金沢放送局
- JOKK NHK岡山放送局
- JOLK NHK福岡放送局
- JOMK (未使用)
- JONK NHK長野放送局
- JOOK NHK京都放送局
- JOPK NHK静岡放送局
- JOQK NHK新潟放送局
- JORK NHK高知放送局
- JOSK NHK北九州放送局
- JOTK NHK松江放送局
- JOUK NHK秋田放送局
- JOVK NHK函館放送局
- JOWK (未使用)
- JOXK NHK徳島放送局
- JOYK (未使用)
- JOZK NHK松山放送局
JOA○系コールサイン一覧
- JOAK NHK放送センター(東京)
- JOAB NHK放送センター(東京、ラジオ第2・Eテレ)
- JOAG NHK長崎放送局
- JOAC NHK長崎放送局(ラジオ第2・Eテレ)
- JOAP NHK沖縄放送局
- JOAD NHK沖縄放送局(ラジオ第2・Eテレ)
- JOAR CBCラジオ
- JOAW-FM FM COCOLO
- JOAF 南海放送(ラジオ、テレビ)
- JOAL 南海放送新居浜中継局
- JOAM 南海放送宇和島中継局
- JOAN 南海放送大洲中継局
- JOAS 南海放送御荘中継局
- JOAX-DTV 日本テレビ
- JOAY-DTV 朝日放送テレビ
- JOAH-DTV 青森朝日放送
- JOAI-DTV 青森テレビ
- JOAU-FM TOKYO FM
- JOAV-FM J-WAVE
JOAK(中波ラジオ)の周波数変更
参考までですがJOAKの周波数変更の歴史です。何かの参考になれば幸いです。
- 1925年(大正14年) 800kc - 開局当初の周波数
- 1929年(昭和4年) 870kc - 出力増強でスタジオと送信所を分離、送信所のNHK新郷放送所移転に伴う変更
- 1931年(昭和6年)4月6日 - 第2放送開局。周波数は590kc。コールサインは第1放送と同じ
- 1937年(昭和12年) 590kc - 第1放送と第2放送を入れ替えた。(以下推測)電波の性質で周波数が低いほうがよく飛びエリアが広くなるからが理由と思われる
- 1941年(昭和16年)12月9日 860kc - 開戦により放送電波管制開始。全国統一周波数に変更。侵入してきた敵機が飛行位置を確定させないようにするため
- 1941年(昭和16年)12月25日 日中1000kc、夜間800kc - 全国統一周波数の変更(1000kc)と夜間群別周波数(第3群は800kc)に伴う変更
- 1944年(昭和19年)10月 昼夜とも群別統一周波数(第3群は800kc)に変更
- 1945年(昭和20年)9月1日 放送電波管制解除。590kcに変更
- 1945年(昭和21年)9月12日 進駐軍(コールサインWVTR)に590kcを奪われ、第2放送の870kcに変更。第2放送は1260kcに変更
- 1947年(昭和23年) 進駐軍と周波数交換。590kcに復帰
- 1972年(昭和47年) 590kHz - 計量法改正に伴いkc(キロサイクル)からkHz(キロヘルツ)に変更
- 1978年(昭和53年) 594kHz - 国際電気通信連合の取り決めにより、10kHzステップから9kHzステップに変更
進駐軍に奪われた周波数は2022年現在AFN(アメリカ軍放送網、英:American Forces Network)の東京局810kHz。埼玉県和光市に送信所はあるが日本政府の管理下でないとのこと。
今の周波数594kHz(旧590kHz)は1931年(昭和6年)から権利と推測できる。
ラジオ放送所(送信所)
- 1925年(大正14年) 東京高等工芸学校(当時)を借りて仮放送を開始(社団法人東京放送局仮放送所)
- 1925年(大正14年) 社団法人東京放送局愛宕放送所(現在のNHK放送博物館)に移転
- 1928年(昭和3年) 社団法人日本放送協会新郷放送所(現在の文化放送川口送信所)に移転
- 1937年(昭和12年) NHK川口ラジオ放送所に移転したものの戦争のため防圧放送に使われ、通常放送は新郷ラジオ放送所から放送
- 1963年(昭和38年) NHK川口ラジオ放送所に完全移転
- 1982年(昭和57年) NHK菖蒲久喜ラジオ放送所に移転
- 1986年(昭和61年) NHK川口予備放送所開設
- 2002年(平成14年) 予備送信所をNHK新開予備放送所へ移転
- 2013年(平成25年) NHK父島中継局、NHK母島中継局開設
ラジオ送信機
- 社団法人東京放送局仮放送所 ゼネラルエレクトリック社製 出力220W(東京市所有のものを借用)
- 社団法人東京放送局愛宕放送所(現在のNHK放送博物館) ウェスタンエレクトリック社製 出力1kWと安中電機製 出力1kW(予備)
- 社団法人日本放送協会新郷放送所 マルコーニ社製 出力10kW(870kHz)と社団法人日本放送協会製(NHKの前身) 出力10kW(590kHz)
- NHK川口ラジオ放送所 東京電気製 出力150kW
外部リンク
- 2
- 0pt