「はじめまして」から はじまるRPG
PSO(ファンタシースターオンライン、Phantasy Star Online)とは、セガが運営していたオンラインゲームである。
ドリームキャスト用ソフトとして発売された後、windowsやゲームキューブ・XBOXなど様々なプラットフォームに移植やリメイクが行われた。
概要
家庭用ゲーム機における初のブロードバンド対応ゲームであり、最盛期では国内外の登録者数が30万人に上った。
第5回日本ゲーム大賞を初め、計16個の賞を獲得している。
永野護(漫画家・メカニックデザイナー)や田中理恵(声優)をはじめ、数々の著名人がプレイしていた。
2010年12月27日でWindows版二作目となる『ファンタシースターオンライン ブルーバースト』がオンラインサービスが終了した。
これによりファンタシースターオンラインシリーズはオンラインサービスを完全に終了したことになる。
ストーリー
- エピソード1
コーラル星に住む人類は、母星の環境に限界を感じ、大規模な星間移住計画を打ち立てた。
「パイオニア計画」と呼ばれるそれは、無人探査機が惑星ラグオルを発見した事により実行に移され、まずは軍や技術者が多く乗り込み「開拓」を目的とした第1の大型宇宙船・パイオニア1がラグオルへと向けて旅立った。
数年が経過し、一般の移民をメインに乗せたパイオニア2がコーラル星を出発。ラグオルの衛星軌道上へと到着し、パイオニア1の人々が建造した地表の中心施設・セントラルドームとの通信回線を開こうとしたその瞬間、セントラルドームの付近で謎の大爆発が発生。セントラルドームからの通信は途絶えてしまう。
誰の目にも明らかな異常事態であったが、パイオニア2は移民をメインとしており十分な装備が無く、独力での原因究明が不可能と判断され、民間の傭兵的存在である「ハンターズ」に調査の依頼をすることとなる。 - エピソード2
時間はセントラルドーム付近の大爆発が起こった直後まで遡る。
パイオニア2の総督府や軍部とはまた別の機関である「ラボ」に、数名のハンターズが召集される。精鋭を選び抜くために幾度ものテストを実施し、それら全てをパスしたハンターズに明かされた依頼内容は「ヒースクリフ・フロウウェンの捜索」。
ヒースクリフ・フロウウェンとは高名な軍人で軍部だけでなくラボや政府・ハンターズにまでその名が知れ渡る人物であり、パイオニア1に乗り込んでいが、パイオニア2が母星を発つよりも前に死亡したとされていた。当然爆発事故の時点では既に他界している事になるが、リアルタイムでラボにメッセージが送られてきたのだという。
そのメッセージの発信元を辿ると、セントラルドームとは全く別の地点にある島に、パイオニア2への報告には存在しなかった建物群が発見される。その島のあちこちに遺されたフロウウェンのメッセージを集め、フロウウェン本人を探す事になる。 - エピソード3
エピソード1や2の21年後の話。
C.A.R.Dと言う新技術を巡っての、ハンターズとアークズの対立を描く。 - エピソード4
時間軸としてはエピソード3よりも前(と言うよりエピソード3が別扱い)で、エピソード1&2の少し後の話になる。
一向に正式な上陸を果たせないパイオニア2であったが、ある日パイオニア2の船体をかすめるようにしてラグオルに隕石が落下する。隕石の落下地点にエネミーの発生など異常を察知した総督府は再びハンターズに調査を依頼するが、時を同じくして軍部も隕石の調査を開始する。
同じ星に属する同じ人類の組織ではあるが様々な理由から反目したり牽制し合ったりとあまり仲が良くないこの2つの組織は、ある時は協力しある時は妨害をしながら隕石の調査を進めて行く。そして、隕石落下事件の裏で様々な陰謀がひしめき合っている事を知る事になる。
バージョン
ドリームキャスト版
家庭用ゲーム機でプレイできるオンラインゲームとして登場した初期のMORPGのうちで、最も成功した作品となる。当時のオンラインゲームはパソコンでプレイするものがほとんどであったこともあり、爆発的な人気を得た。前述の賞を受賞したのは、おおむねこのDC版と、DC版ver2である。
また当時のインターネット接続環境といえばナローバンド接続が主流であり、そのためオンラインに接続しなくても十分にゲームが楽しめるほど、オフラインモードが充実していた。
他のゲームや後継バージョンに無い特徴として、「海外サーバーにも自由に接続出来る」と言う点がある。各サーバーには同時接続出来る人数に上限があり、最盛期の週末のゴールデンタイム等はよく日本のサーバー全てが満員になってしまうといった事がよくあったため、自ら望んで、あるいは仕方なく海外サーバーへとおもむいて海外のプレイヤーと交流しながらプレイすることもできた。
2001/6/7に「ver.2」としてアペンドディスクが発売されている。
これ単体でゲームを始めることもできるが、DC版(無印)からデータを引き継いでプレイすることもでき、その場合、そのデータを用いて無印で遊ぶことはできなくなる。
なおver.2によるサーバーへの接続はメーカーから出荷された時点から可能だったようで、一部の店舗で行われた「フライング発売」によってこれを手に入れたプレイヤーは6/6のうちにver.2ディスクを使ってゲームサーバーに接続していた。特に規約違反だった等と言う事は無かったが、本来公平であるべきスタートラインが一部ユーザーだけ早まった事に対して、フライング販売した店やそれを利用したユーザーに批判の声が一部で上がった。
など様々な要素が追加されているが、一定の手順を踏めば初期版でプレイしているプレイヤーとも一緒に遊べるという特徴がある。
余談だが、ver.2で追加された難易度「アルティメット」に関して、発売からしばらくは「あまりに難しすぎる」と言う声が耐えなかった。従来のバージョンでの限界レベルに到達し、最高水準の武器を所持しているプレイヤーでもアルティメットの森エリア1(最初のステージ)の敵相手でも攻撃が10回に1回も当たらない、等と言う事態が頻発。先述の追加レアアイテムは従来の武器より格段に性能が高いものが多く、それに合わせて調整されたかのようなバランスであったが、それらのアイテムは全てアルティメットでのみ手に入るようになっていたため、「アルティメットの敵を倒せる武器を手に入れるためにアルティメットの敵を倒す」と言うおかしな状況が発生した。もっとも、ver.2のパッケージからして「挑戦するための難易度」と書かれていたものであるため、バランスの良し悪しはともかくとして、単なるベリーハードの延長でない事については当然とも言える。
ちなみに旧バージョンではキャラクターが育ちきると命中力は過剰になる事が多く、またステータス次第でどこまでも威力の伸びる武器攻撃に対してテクニックは威力が頭打ちになる事などからハンター職が飛びぬけて強いバランスであったが、ver.2のアルティメットにおいては命中に関する基礎能力値が高いレンジャー職や武器に頼らないフォース職はある程度は従来の装備でも戦えたため、図らずともこの2職の救済措置になったと言える。(アルティメットのレア武器などを十分に揃えLv150以上まで育ったラインならばやはりハンターが頭一つ抜けて強かった)
windows版
DC版の移植作品。2001/12/20発売。
ハードがコンシューマ機でなくなったことによるロード時間の短縮・グラフィックの向上等以外はDC版のver.2とほぼ同じ。
コンシューマ機と同じくセーブデータをローカル保存する方式を取っていたが、データファイルへの干渉がより容易なパソコンであったため、データ改変などによるチート行為が以前にも増して横行した。
後述の「ブルーバースト」のサービス開始もあり、2004/1/1にサービス終了。実質2年間と他の機種よりも短い期間でサービスを終了することとなった。
コンシューマ機よりもアップデートが容易な環境ではあったが、サービス終了まで特に大きなアップデートは無かった。
後に語られたところによると、後続のゲームキューブ版と互換性を持たせ、各バージョンの交流によってのみ手に入るアイテムなどの構想があったとの事だが、チート行為が横行した事によって断念せざるを得なくなってしまったという話である。
ゲームキューブ版
正式名称「ファンタシースターオンライン EPISODE 1&2」 2002/9/12発売。
タイトルの通り、新ストーリーであるエピソード2が追加されている。従来のストーリーに当たるエピソード1ももちろん存在する。
大幅なバランス見直しが行われると共に様々な新要素も追加される。現在あるPSOの基礎がここで出来上がったと言える。
- エピソード2に関するマップ、敵キャラクター追加
- 新規のレアアイテム追加
- 一部の既存の武器に固有グラフィック追加
- 難易度「アルティメット」の難易度低下
- 新キャラクター「ヒューキャシール」「レイマール」「フォーマー」追加
- 習得できるテクニックのレベル・種類に、職業や種族で細かく差別化
- メモリーカードの変化に伴い、メモリーカード1つに作成できるキャラクター数の増加
- オフラインで多人数プレイが出来るマルチモードの追加
- デスペナルティの内容変更
など、この他にも様々な点が変更されている。
トライアルも行われ賑わいを見せたが、初期のバージョンにおいてオフラインマルチモードにて特定の手順を踏むとアイテムを無限に増殖できてしまうという致命的なバグが発覚。リコール問題にまで発展したためソニックチームはバグ修正版との無料のディスク交換を実施した。
この関係でGC版のエピソード1&2にはディスクが3種類存在する。
- 通常版(初期版):初期に販売された製品。上記のバグが存在する。
- 修正版(ver1.1):初期版を購入し、ソニックチームにて交換してもらうことでのみ手に入る製品。バグが修正されている以外は初期版と同じ。バグによる影響を広げない為に初期版とは別のサーバーで運営されており、初期版を使っているプレイヤーとは一緒に遊べない。
- plus:バグ修正後に販売されている製品。バグ修正の他、オフラインでのクエストやチャレンジモードがいくつか追加されている。オンラインに関しては修正版と差異は無く、修正版と同じサーバーに接続して遊べる。
初期版で接続出来るサーバーは2004/3/26に、修正版サーバーも2007/3/31にサービスを終了した。
XBOX版
2003/1/16発売。
内容はGC版とほぼ同じであるが、XBOXのボイスチャット機能に対応している。
オフラインモードも同様に存在するが、XBOX Liveに会員登録しなければオフラインモードも遊べないようになっている。
ゲームキューブ版「エピソード3」
「ファンタシースターオンライン EPISODE3 カードレボリューション」
2003/11/27発売。
ストーリーこそ他のエピソードと繋がりが存在するが、ゲームは打って変わってカードゲームになっている。
オンラインモードも存在し他のプレイヤーと対戦できる他、ロビーはGC版エピソード1&2と共有しておりチャット等は一緒にすることが可能。
2007/3/31にGC版エピソード1&2と共にサービス終了。
windows版「ブルーバースト」
「ファンタシースターオンライン ブルーバースト」。PSOBBと略される。
ブルーバーストとはエピソード1のストーリーにある、セントラルドーム付近での大爆発に付けられた名称。
2004/7/8正式サービス開始。2010/12/27 16時をもってサービスが終了されることが発表されたが最終的には24時までに延長された。
クライアントのダウンロードはオフィシャルサイトから無料で出来るが、30日のプレイチケットが付属したパッケージ版も販売されている。
前のwindows版の二の舞にならぬようにと、セーブデータを全てサーバー保存方式に変更。それに伴ってオフラインモードが撤廃され、オンラインに接続しないと一切ゲームが遊べない。
ゲーム内容はゲームキューブ/XBOX版の「エピソード1&2」の移植&追加修正版であるが、後に新シナリオ「エピソード4」が追加されている。
エピソード4はサントラCDと特典のレアアイテムのチケットが同梱されたパッケージで販売され、後に値下げされている。現在は無料でダウンロード出来るようになっているが、無料版には特典アイテムのチケットが付属していない。また無料ダウンロード開始に伴ってパッケージ購入をしたユーザーに追加の特典アイテムの配布を行っている。(現在でも新しくパックを買えば特典アイテムが2つ手に入る事になる)
関連動画等
関連コミュニティ
関連項目
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