Oh,sorry
Pat様とはセンター試験に時たま現れる魔物であり、クソゲーを愛するゲーマーであり、
そしてただでさえ頭に色々詰め込みがちな受験生の頭をかき乱してパトらせる、問題文よりもおぞましい何かである。
もしかして:PAT(Personal Access Terminal) - 競馬の電話・インターネット投票のシステム。
もしかしたら:pat pat - 英語圏の主にアニメファンダムで使われる「ナデナデ」を意味する語。
概要
初登場は2000年度のセンター試験である。
その鮮烈なデビュー以来、センター試験の難問のあらゆる所に絡んできたためネタになった。
口調や03年・06年から本名Patriciaなる女性であることが判明している…と思ったら15年に男性のPatが登場した。
2000年度
2000年に初登場したPat様は、あるクソゲームの4面の難易度についていけないEmiを教授する立場で登場した。
例文が長いのでゲームの概要を簡単に説明すると
・まずもって掲示されているゲーム画面が前衛的すぎる
・スタート直後の木の下にあるキノコを踏んだら1ミス
・木から降ってくるどんぐりに当たると1ミス
・「キノコやドングリに激突すると1ミスなの?」「そうとも言えるし、そうでないとも言えるんだ」
「落ちてくるドングリがキノコに当たるまで待てば、 ここを突破できる2~3秒の余裕ができるわけ。」
・木から出てくるリスにあたると1ミス
・木にあるスズメバチの巣に当たると1ミス
・家の軒先にペンキ缶とビンがあるが、ビンに触れると窓が落ちてきて1ミス
・「家から取ってきたペンキ缶のハケで木の幹を触ると、ドアが現れるよ。」
「木にドアを描くということ? うっわー、すごい。 早くやってみたいな。」
という、ドラゴンズレアやアイワナもかくやというアメゲーであった。Emiもよくこんなゲームを4面までクリアしたもんだ。
そしてそんなカオスゲーの説明の後に出される設問が「この中で無害なものを答えよ」。もちろん正答はペンキ缶だが、全文英語な上にペンキ缶までの間にEmiの突っ込みとPatの長ったらしい死に方説明が延々と続くため、頭から読んでいるとこっちの心が折れてしまう。
2003年度
3年後、Patはさらなる進化を見せて帰ってきた。また彼女の迷言『Oh,sorry』も03年の発言から生まれた。
Terry, Pat and Andy have arrived at a campground.
Terry: Let's send up the tent we get the barbecue going.
Andy: Yeah, we'd better do that. Why don't we put it close to the lake near the camping sign? We'll have to have the entrance facing away from the lake, though, to keep the wind out.
Terry: I don't think we need to. It's not so windy. If we set it up facing the lake, we'll get a nice view.
Andy: OK, let's do that.Later, after setting up the tent...
Andy: Now, where should we put the barbecue?
Terry: How about behind the tent?
Pat: All right. If we put it near the water tap, it'll be easy to wash the vegetables.
Andy: ( 1 ) It's kind of muddy over there.
Terry: Year, you're right. How about in front of the tent?
Pat: But that would block the entrance. I know, why don't we put it at the side? That way it's still not too far from the water tap.
Andy: ( 2 ) You're the boss, Pat. Terry, can you get the barbecue ready while I go and get the things from the car? I'll be back in a few minutes.
Terry: OK....Ouch! I'm getting bittern. There seem to be lots of mosquitos down here by the lake. Have you seen the insect spray anywhere, Pat?
Pat: I think Andy had it. I remember he said something earlier about getting bittern.
Terry: Did you see where he put it?
Pat: Maybe by the camping sign?
Terry: I don't see it there. He must have put it away somewhere.
Pat:( 3 ) He put it in one of the backpacks.
Terry: Which one?
Pat: The big one.
Terry: Where in the backpack?
Pat: In the side pocket.
Terry: The side pocket? Which one, top or bottom?
Pat: The bottom one.
Terry; Let's see... Now, I can't find it. Are you sure it was this backpack?
Pat: Oh, sorry, it must have been the other one.
Terry; The other one? Ah, yes, here it is, but it's in the top pocket. You'd better put some on, too, and then we can start getting the vegetables ready.
(アバウト訳)
Terry,Pat様,そしてAndyの3人はキャンプ地にいました。(中略)Terryがmosquitoに噛まれてしまいました。
Terryは虫除けスプレーを探すために大きなリュックと小さなリュックから探そうとしますが…
Terry : どっちのかばん?
Pat : the big one.(大きい方)
Terry : どっちのポケット?
Pat :in the side pocket.(脇の方)
Terry :上か下のポケットのどっち?
Pat : bottom one.(下の方)
Terry : Let's see.... ないよ 本当にこのbackpackなの?
Pat : Oh Sorry, じゃあthe other one
Terry :あー、あったよ、でも入ってるポケットも違うじゃねーかよ!!
問1:冒頭のTerryとAndyの会話から、キャンプ地の位置を答えよ。
問2:虫除けスプレーが入っていたのはどこか。
Pat様ら3人がキャンプ中、Terryが虫に刺されたためPat様にスプレーの場所を尋ねる。しかしその返答は非常にアメリカンだった。
特にthe other oneが直前のthis backpack?と合わさって「もう1つのポケット」なのか「もう1つのリュック」なのかが判断しづらく、多くの受験生を混乱に陥れた。Pat様の言動があまりにもひどいため、Pat様の話題となると03年のコレがよく引き合いに出される。
2006年度
リスニングで登場。女性ということが発覚する。しかし難問ではなく、また同じ科目にハァハァおじさんが出現したためインパクトが減少。あまり話題にはならなかった。
また00年→03年→06年と出てきたため、「Pat様は3年おきに出るのではないか」という推測がなされる。
2009年度
大きな難問はなかったものの、問題文の中にPatriciaなる人物が出現。
3年おきの法則が踏襲されたので、この人物こそがPat様なのではないか?と話題になった。
2011年度
この年の英語にはPat様は現れなかったが、代わりに国語の第二問、小説「海辺暮らし」に登場したお治婆さんが猛威を振るった。
この小説の主人公であるお治婆さんは、水質汚染の進んだ干潟の側で駄菓子屋を営んでいる。そこへ干潟一帯からの立ち退きを要求する市役所職員がやってくるのだが、婆さんは汚染された干潟のアサリを職員に食わせた挙句、耳が聞こえないふりをしてしらばっくれる。
その時お治婆さんが発した台詞「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ」がPat様の「Oh, sorry.」を連想させたこと、またこれ自体が難問だったことから、一部で「ババア」と共に「国語版Pat様」と呼ばれていた。 まあ現代文が珍問だらけなのは毎年のことなのだが。実はババアと猫の状態や行動がある病気の兆候だと気付けば、割と解けた問題であったのだが・・・
2012年度
3年おきの法則にしたがって、今年こそPat様の本降臨でカオスになるかと思われた。
そのため、2chを始めとして各地で「Pat様対策」が講じられたのだが…ついにPat様は現れなかった。
ただ、英語リスニング第一問の間違い探しにウサミミ仮面・変態仮面・蝶野攻爵もかくやという出で立ちの謎の変態ヒーローが4人も現れ、受験者の心を激しくかき乱した。一応男のようだが、これをしてPat様(もしくはその縁者)ではないかという声があったとかないとか。
2013年度
ごらんのように、Pat様の影は全科目のあちこちの難問にちらついていた。また、「3年おきの法則」から2012年のセンター試験にPatが現れると考えていたジュケンシャーも多かった。しかし…彼女は不意を打つかのように2013年に現れた。しかも、一番来てはいけない科目に。
座標平面上にある点Pは、点A(-8,8)から出発して、直線y=-x上をx座標が1秒あたり2増加するように一定の速さで動く。
また、同じ座標上にある点Qは、点PがAを出発すると同時に原点Oから出発して、
直線y=10x上をx座標が1秒あたり1増加するように一定の速さで動く。
出発してからt秒後の2点P,Qを考える。点PがOに到達するのはt=[ア]のときである。以下、0<t<[ア]で考える。
まさかの二次関数・座標問題、しかも動点PとQが経過時間tにそって定点Aからダイナミックに動く。もちろん設問も鬼畜の極み。
問題文の大意が、色々な意味で余裕のない受験生にとってお分かりいただけるだろうか。
この動点P・定点A・変数tが絡んだ難問をして、Pat様が数学にも降臨したと評されている。oh,sorry(lol)
また13年度の問題は「スピンスピン」「555-456-0721」に代表される難問珍問が多く、色々な意味で試練の年となった。
2014年度
「もうしばらくPat様が降臨なさることはないだろう」とほとんどの受験生たちが考えたことだろう。
第2問・問2
Ever since they first met at the sports festival , Pat and Pam ( 9 ) each other.
なんとPat様は友人のPam様とともに旧課程最終年の惜別に訪れた。例年の出現で知名度の高まったPat様に動揺を隠せなかった受験生もいるかもしれない。しかし、受験生の中にはPat対策によって失点を免れたものも多かった。
ところが、我らがPat様の撹乱は受験生の考えをはるかに凌駕していた。
なんと、英語リスニングテストにPat様が再出現したのである。
2度目のPat様の出現に多くの受験生が困惑した。前時間の「オン・ユアー・マーク、ゲットセッ、」「おほほほほほほほほほほ」「あはははははははははは」に引き続き、衝撃を与えた旧課程最後のセンター試験の1日目は幕を下ろした。
2015年度
まさかの2年連続登場となった2014年度センター試験。
さすがに今年は降臨することはないだろうと考えられていた。
そして結局、降臨することなくセンター試験は終了したのであった。
しかし、本番はまさかの追試験であった。
第3問・問14
Pat:I'm Pat Smith with MKS TV, and I'd like to know how you use your cellphone.
Woman:Sure. I send messages, listen to music...
Pat:How about photos?
Woman:Not often. Real cameras are better.
Pat:Don't you talk with friends or play games?
Woman:Well, I'm not interested in games, but I love chatting.
アバウト訳
Pat様:MKSテレビのPat Smithです、どのように携帯電話を使っているか知りたいのですが
女性:いいですよ。メールを送ったり、音楽を聴いたり…
Pat様:写真は撮りますか?
女性:あまり撮りません。本当のカメラのほうがよいので。
Pat様:友達と話したりゲームしたりはしないんですか?
女性:ええと、ゲームには興味ないです。でもおしゃべりするのは大好きですよ。
なんと3年連続降臨である。
しかも重要なのは、このPat様は男性だということである(上記はわかりやすく名前を「Pat」としているが、実際の問題文では「Man」となっている)。本名はPatric辺りであろうか。
受験生を困惑させるのに十分すぎるほどの要素が詰め込まれているのだが、幸いにして本試験ではなく追試験であったために被害者は少なかった。
問題も女性が携帯電話でやらないことは何かというものであったため、NOTを見逃すミスをしない限りは問題なく解けただろう。
2020年度
3年連続で登場したためか、3年おきの法則も見られなくなり、2015年から5年が経過。リスニング四天王などの他のネタが登場し、受験生の世代交代もあって徐々にPat様の影は薄くなっていった。
しかし、最後のセンター試験となった2020年度。センター試験への惜別の意を伝えるためなのだろうか、フリーマーケットの広告を読んで解答する問題でPat様が降臨した。
第4問・B・問2
Pat wants to sell some big household items, including a refrigerator, so she needs an outdoor space. What offer can she take advantage of?
① Free assistance in setting up her tent
② Full cash refund due to cancelation
③ Selection of the location of her space
④ Use of a large truck free of charge
今回のPat様は女性である。冷蔵庫などの大きな家具を屋外スペースで売ろうとしているようだ。
問題はさほど難しくないものの、持ち運びが大変な冷蔵庫をわざわざフリマで売るPat様の意図がよくわからず、多くの受験生が困惑したと思われる。ひょっとしたら、引っ越しでいらない家財道具を売るのだろうか。もしかすると、「大学入学共通テストにPat様が引っ越す(=続投する)」ことを暗に示しているのかもしれない。
果たしてPat様は来年以降の大学入学共通テストでも登場するのだろうか? 今後が期待される。
そして…
現在でもセンター試験の時期になると2ch大学受験板にはPat様対策のスレが立つ。Pat様は永遠なのだ。
一部では残る地理歴史・公民・理科にPat様が現れるのを心待ちにしている輩もいるとかいないとか…。
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