ALPSとは、放射能除去装置である。多核種除去設備とも。
概要
ALPSとはAdvanced Liquid Processing Systemの頭文字をとったものであり、その名の通り従来の装置よりも多くの核種に対応できるよう進化した放射能除去装置である。
放射能除去装置というと宇宙戦艦ヤマトに出てくるような放射能を消し去る装置を思い浮かべる人も多いと思うが、現実の放射能除去装置ではそうはいかない。ALPSは正確に言えば放射能分離装置とでも言うべき代物で水の中に存在する放射性核種を取り除くことで水の放射能を下げている。この際にフィルターを用いて濾過のようなことを行うのだがここで問題がある、セシウムのような水ではない物質を取り除いていくと純水に近づいて行くのだが仮に純水になったとしても取り除けない放射性核種がある。それはトリチウムである。
トリチウム(三重水素)は水素の亜種(同位体)でこれが重水(酸化三重水素)として水(酸化水素)の中に存在している。重水は水とほとんど同じ性質を持っているため分離するのは非常に困難であり、ALPSでは分離できない。
福島第一原発ではALPSで処理したトリチウムを含む水の処分案として薄めて海へ流すことがあげられているが反対が強く実現の見込みは薄かった。
その後、国際原子力機関(IAEA)の協力の元、徹底的に希釈した上で長期間を前提に海底トンネルから放出する方法がとられた。
関連項目
- 1
- 0pt