Missing(ミッシング)は、甲田学人による日本のライトノベル。イラストは翠川しん。2001年から2005年にかけて電撃文庫より刊行された。全13巻。
曖昧さ回避
- Missing - samfreeが作詞・作曲したVOCALOIDオリジナル曲 → 動画記事参照
- Missing - 1982年のアメリカ映画の原題
- 多数のアーティストの楽曲名
- missing - 英語で「行方不明」「見つからない」「紛失」を表す。
概要
電撃文庫のホラー筆頭。民俗学のオカルト性をテーマにした本格的な作品。第7回電撃ゲーム小説大賞において「罪科釣人奇譚」(のちに『夜魔』に収録)で最終選考に残った甲田学人が、その後書き下ろしたデビュー作である。なお甲田にとっては本作が初めて書いた長編小説。
かつて神隠しに遭い異界の気配を察知できるようになった少年と、彼を神隠しに遭わせた――人の姿をして人間を引き込む――怪異、それらに関わることになった文芸部員たちが、怪奇現象にひたすら巻き込まれる物語。主要キャラをそうそう簡単に殺すわけにはいかないライトノベルでは珍しい本格的なホラー作品で、とにかく人が死ぬし主要人物まで欠落する。脇役では無事で済んだ人がほとんど居らず、まず間違いなく死ぬか行方不明になるか精神を病むかしている。南無。なお作者本人はホラーではなくメルヘンであると言っている。メンヘルの間違いじゃないのか。
メインキャラである空目恭一の“講義”という形で、登場する怪異についての民俗学的な蘊蓄が語られるのも本作の特徴。ちなみに人の姿をしてくれるかわいい怪異は片手の指で数えられるほどで、あとはただ人間を殺すだけの現象、偶像的存在となっている。
なお電撃hpなどに連載されていて後にハードカバー化したサイドストーリー『夜魔』のように、直接的に読者の心をえぐる描写は本編では見られない。たぶん。砕いたガラスを目に突っ込んだりとかするけどね。
最終巻である13巻にはイラストがない。絵師が怖くなって逃げたとか諸説あるが誰も本当のところは知らない。
睦月れいによる漫画版(原作1巻がベース。全3巻)とドラマCD(5巻と6巻の間の話)が存在する。ドラマCDにはオリジナルのタロットカードがついている。
完結から15年を経て、2020年5月よりメディアワークス文庫から新装版の刊行が開始。イラストは花邑まいに変更、電撃文庫版から大幅な加筆修正もなされている。全13巻すべて再刊されるかどうかは売れ行き次第とのことだったが、無事にヒットし、2022年11月に新装版も全13巻で完結を迎えた。なお、電撃文庫版では1冊で終わらなかったエピソードは続きの巻に「続」「完結編」と表記されているが、メディアワークス文庫版では2冊のエピソードは「上・下」、3冊のエピソードは「上・中・下」表記となっている。
既刊一覧
タイトル | 初版発行日 | ISBN | 市場 |
Missing 神隠しの物語 | 2001年7月25日 | 978-4840218665 | |
Missing2 呪いの物語 | 2001年10月25日 | 978-4840219464 | |
Missing3 首くくりの物語 | 2002年1月25日 | 978-4840220101 | |
Missing4 首くくりの物語・完結編 | 2002年3月25日 | 978-4840220613 | |
Missing5 目隠しの物語 | 2002年6月25日 | 978-4840221122 | |
Missing6 合わせ鏡の物語 | 2002年10月25日 | 978-4840221887 | |
Missing7 合わせ鏡の物語・完結編 | 2003年1月25日 | 978-4840222631 | |
Missing8 生贄の物語 | 2003年5月25日 | 978-4840223768 | |
Missing9 座敷童の物語 | 2003年10月25日 | 978-4840224857 | |
Missing10 続・座敷童の物語 | 2004年1月25日 | 978-4840225717 | |
Missing11 座敷童の物語・完結編 | 2004年7月25日 | 978-4840227032 | |
Missing12 神降ろしの物語 | 2005年3月25日 | 978-4840229968 | |
Missing13 神降ろしの物語・完結編 | 2005年6月25日 | 978-4840230384 |
関連商品
関連項目
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