〈古典部〉シリーズとは、米澤穂信による推理小説シリーズである。アニメ版については『氷菓』の記事を参照。
神山高校〈古典部〉に所属する折木奉太郎、千反田える、福部里志、伊原摩耶花の4人の高校生たちが、高校入学、夏休み、文化祭など学生生活のイベントの中で、様々な日常の謎を解決していく推理小説。 同時に、それらの時間経過と共にゆるやかに変化する登場人物たちを描く青春小説でもある。
第1作『氷菓』は、第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞した米澤穂信のデビュー作(応募時のタイトルは「ありうべきよすが~氷菓~」。筆名は「米澤汎信」)。
2001年11月1日に角川スニーカー文庫(角川書店)の〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉第1回配本として初版発行。
日常に潜むミステリーを描いた佳作として読者からの評価は上々だったものの、悪名高き2001年度版の装丁の拙さからか売れ行きは芳しくなく、翌年の第2作『愚者のエンドロール』を最後に一度は打ち切りになってしまった。しかしその後、米澤穂信が『さよなら妖精』(東京創元社)などで再評価されたのに伴い、2005年に第3作『クドリャフカの順番』が刊行され復活したという経緯がある。
ちなみに『さよなら妖精』は元々は〈古典部〉の第3作として構想されていたものなので、登場人物の立ち位置などに本作と似通った部分が多い。そのことを意識して読んでみるとまた発見があるかも。
2025年現在、『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠まわりする雛』『ふたりの距離の概算』『いまさら翼といわれても』の6巻が刊行済。『遠まわりする雛』と『いまさら翼といわれても』が短編集、ほかは長編。
〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉として刊行されていた『氷菓』と『愚者のエンドロール』は、シリーズ再開後はカバーを新しくし角川文庫で刊行されている。『クドリャフカの順番』以降は単行本で刊行されており、最新刊の『いまさら翼といわれても』まで全て文庫化済みなので、次の新刊が出るまでは文庫で全巻揃えることが可能。
また2023年から愛蔵版が三冊発売されている。
2012年、『氷菓』のタイトルで、『遠まわりする雛』までの4巻+短編1本が京都アニメーションの制作によりテレビアニメ化(全22話)。2017年には第1巻『氷菓』が実写映画化されている。
アニメ化された時点では、アニメ原作のうち短編「連峰は晴れているか」(2008年、「小説 野性時代」56号掲載)は単行本未収録であった。アニメ放送期間中に伊原摩耶花視点の「鏡には映らない」(「小説 野性時代」105号掲載)が発表。放送終了後、2013年に「長い休日」(「小説 野性時代」120号掲載)が発表されたが、それらはなかなか本にまとまることもなく雑誌掲載のみで放置されたため、一時は掲載誌が古書として高値で取引されていたりした。
2016年、「いまさら翼といわれても」(「小説 野性時代」146号-147号掲載)、「箱の中の欠落」(「文芸カドカワ」Vol.20掲載)、「わたしたちの伝説の一冊」(「文芸カドカワ」Vol.21掲載)が立て続けに発表され、これらの計6編からなる短編集『いまさら翼といわれても』が2016年11月30日に刊行された。『ふたりの距離の概算』から約6年ぶりの新刊となる。
なお「連峰は晴れているか」は、アニメ『氷菓』のDVD9巻の特典で小冊子として収録された。
最新の話では、折木たち4人は進級しており、2年生となっている。作者曰く「巻数ではお答えできませんが(決まっていないので)、いちおう、折木が高校を出るまで書くつもりです。 」とのこと。(作者公式サイト「汎夢殿」の「畢生の十周年企画 100の質問」のQ2より)
2025年1月現在では、既刊6巻の他に、ムック『米澤穂信と古典部』に収録された短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」と、「小説 野性時代」2022年7月号に掲載された短編「三つの秘密、あるいは星ヶ谷杯準備滞ってるんだけど何かあったの会議」がある。
この二篇では文庫本ではなく愛蔵版を買えば収録されている。
神山高校に入学した折木奉太郎は、「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」をモットーに、人生に対して「省エネ」を心がける少年。姉からの依頼で、かつて姉が所属していた廃部寸前の〈古典部〉に入部することになった奉太郎は、そこで好奇心の塊である少女・千反田えると出会う。えるの「わたし、気になります」という言葉を合図に、日常の些細な謎を解き明かしていく。
詳細は「氷菓」を参照。
2011年11月29日、京都アニメーションによってアニメ化されることが発表された。
2012年4月~9月に放送された。全22話+OVA1話。
2016年11月22日に、実写映画化することが発表された。折木奉太郎を山崎賢人、千反田えるを広瀬アリスが演じる。監督・脚本は安里麻里。『氷菓』のタイトルで2017年に公開。
掲示板
100 ななしのよっしん
2019/11/11(月) 19:50:03 ID: 2oQFHKuwF4
『氷菓』の目次(序章と終章)、笠井潔の『バイバイ、エンジェル』をもじってるんだろうなとは気づいたけど、単に遊びかと思って、つい先ほどまでその理由に考え及んだことがなかった。
気づいてみれば、〈学生運動が切り捨てたものの告発〉っていう主軸が一致しているのね。笠井さんが『さよなら妖精』のために創元社を紹介してあげたのもむべなるかな。
101 sage
2020/03/22(日) 09:57:35 ID: Ux5ccow4yH
>>98
先日久しぶりに出た新刊は楽しませていただきました。
映像化は出版元が不得手だからなぁ。
古典部シリーズも、初期からのシリーズものが、(作者が)売れていくにつれ刊行ペースが鈍くなるのは普通なので仕方ない。
他の作家で、続刊発売まで25年以上待った例もあるしw
102 ななしのよっしん
2021/08/07(土) 03:06:25 ID: 6s83UIAZOG
実写版氷菓は失敗作扱いなんだろうか
個人的には手放しで褒められない所はあれど結構好きなんだけどな
小説の映像化じゃなくてアニメの実写化だと捉えた人が多かったのかな
俺は当時アニメ版は殆ど観てなかったから、その辺のバイアスはかからなかったけど
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最終更新:2025/04/15(火) 10:00
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