エルウィン・ヨーゼフ2世(Erwin Josef II)とは、「銀河英雄伝説」に登場するキャラクターで、実質的なゴールデンバウム王朝銀河帝国最後の皇帝。
CVは江森浩子(石黒監督版OVA)、金魚わかな(Die Neue These)。
ゴールデンバウム朝銀河帝国第37代皇帝。髪は黄色く、茶色の瞳ととがったあご、なめらかだがつやのない皮膚をもつ少年。
傀儡として擁立された身にすぎず、皇帝としては、言動・容姿ともに大帝国の主らしさも、年齢相応の子供らしさも持ち合わせていない。
先帝フリードリヒ4世の孫、先帝の子の中で唯一成人した男子(ただし早世)にして皇太子ルードヴィヒの息子である。年齢的に帝国暦482年前後の生まれのはずなのにルードヴィヒが477年には死んでる問題については父「ルードヴィヒ・フォン・ゴールデンバウム」の記事も参照。父親は誰だ。
皇太孫として立てられることはなかったが、帝国暦487年のフリードリヒ4世急死後、外戚(先帝の娘婿)であり門閥貴族のオット―・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵とウィルヘルム・フォン・リッテンハイム侯爵が子を皇帝として専横することを懸念した国務尚書クラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵が、ラインハルト・フォン・ローエングラム伯爵と手を組んで擁立した、僅か5歳の皇帝。公爵となったリヒテンラーデが摂政をつとめるあきらかな傀儡であるが、先帝の直系ではある点、同王朝最後の皇帝であり皇族の遠縁にすぎない唯一の女帝カザリン・ケートヘン1世とは一線を画しているといえるかもしれない。
彼は即位前から非常に微妙な立場にあったが、即位後も傀儡でしかなく、策略や政治闘争の駒としてあつかわれることとなった。ことリヒテンラーデ公の失脚後、最高権力を握ったラインハルトにはほぼ見捨てられた状態となり、新無憂宮の大半は閉鎖され侍従たちも皇帝に対し最低限の職務しかはたさなくなった。まともに躾けてくれる大人もいない、周囲から愛情を受けるということがまったくない状況だったようで、その人格は次第に子供らしさ、みずみずしい感受性といったものを失い、彼は精神を失調させていった。
リップシュタット戦役の後、フェザーンの策略(とラインハルトの暗黙の承認)により、アルフレット・フォン・ランズベルク伯爵、レオポルド・シューマッハ大佐ら門閥貴族軍残党により新無憂宮から誘拐される形で自由惑星同盟に亡命、銀河帝国正統政府の看板として擁立される。しかしながら正統政府自体、ろくな軍備も理念もない状態な上、ラインハルトによって廃立が宣言されてカザリン・ケートヘンを立てられたあげく、同盟侵攻の理由を与える結果となってしまった。
帝国暦490年、”神々の黄昏”作戦の発動と同盟の降伏により銀河帝国正統政府が崩壊したのちは、なお彼に忠誠と献身を捧げつづけるランズベルク伯と共に姿を消す。新帝国暦2年11月にランズベルクが逮捕された時、彼が抱えていた幼児のミイラこそが皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世であると証言し、3月に拒食症で衰弱死したことが克明な手記によって裏付けられたことから、8歳にして死亡したものとして、遺体はハイネセンの公共墓地に埋葬された。
しかし、後に逮捕されたシューマッハの証言で、ミイラは全くの別人である事が判明する。衰弱死したことになっていた新帝国暦2年3月にランズベルク伯のもとを逃げだして行方不明となっており、ミイラは精神を失調させたランズベルク伯が盗みだした身代わりにすぎなかったというのである。こうして、ゴールデンバウム王朝の第37代皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世は消息、生死共に謎となってしまった。のちの公式記録には、彼について”その終わるところを知らず”と記述されている。
ランズベルク伯たちは英明の気質を期待していたが、実際問題、即位時5歳、行方不明と判った時ですらせいぜい9歳かそこらの子供に何を期待するべきだろうか?
新無憂宮で皇帝生活を送っている時期までの彼は、まだ癇の強さを感じさせる程度でしかなかったが、すでに周囲はいまだ幼児である彼の人格形成をまったくなおざりにしていた。さらには誘拐と亡命によって自我を外的に抑制された結果、異常なほどの暴力衝動だけが自己表現のすべとなりはてたのである。亡命後の彼の精神状態については、「わずか七歳の子供の精神を、信じがたいほどの荒廃が蝕んでおり、しかもそれは拡大と深化をつづける一方だった」とされている。
感傷的に幼帝に期待した同盟の要人たちは、実物が躾けられていない子供に過ぎなかったことにはなはだ失望したが、それをエルウィン・ヨーゼフ自身の責任に帰すべきではないだろう。あげく外聞のために幼児に精神安定剤を投与して眠らせておくなどという処置をうけるいわれもなく、傀儡にすぎなかった以上、統治者として暴君であったとも到底いえない。そうした育ちを考えれば、フェザーンへの脱出時に乗船した貨物船ロシナンテ号の乗員のように、単に「度しがたいガキ」と言い切ってしまうのはあまりにも酷であった。
掲示板
89 ななしのよっしん
2024/03/09(土) 12:50:21 ID: YuzLRTLprP
エルウィン・ヨーゼフの即位後や誘拐後の境遇は、「皇帝」という地位そのものが持つ権力でなく、非人道性というか非人間性の犠牲者であることを示してるのかもなあ。
どうする家康での最終回で、「人間としての自分」を家臣から剥奪されて神格化されていく病床の家康の姿も浮かんだ。
90 ななしのよっしん
2024/11/23(土) 19:57:05 ID: oB2/Fg0qo/
91 ななしのよっしん
2024/12/15(日) 13:23:04 ID: aOMyJVNkdX
DNT各話版でこの辺の話見てるけど絵が綺麗になった分かえってグロテスクさが増したように思うわ
意識がある状態では手が付けられないからと薬で眠らせて、その状態でのみ門閥貴族に面会させる描写とか
マジで誰からも神輿としての価値しか見出されてない…というか許されてないんだなって感じが伝わってくる
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最終更新:2025/04/05(土) 07:00
最終更新:2025/04/05(土) 06:00
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