カネヒムロとは (カネヒムロとは) [単語記事]

カネヒムロとは、1968年生まれの日本の元競走馬・繁殖牝馬である。

年齢は旧表記(実年齢+1)。

主な勝ち鞍
 1971年:優駿牝馬(八大競走)、新春4歳牝馬ステークス

概要

父パーソロン、母カネタチバナ、母父ヒカルメイジという血統。父はアイルランド産馬で、現役時代は大成できなかったが、種牡馬として輸入されシンボリルドルフなど多数の活躍馬を輩出した。母は未勝利馬だがオークス馬カネケヤキの半妹。母父は1957年のダービー馬で、種牡馬としてもメイズイの三冠を阻んだ菊花賞馬グレートヨルカの父となるなど一定の成績を残した。

そんなカネヒムロは青森産馬。今でこそ衰退してしまったが、戦後から1960年代初頭にかけて青森県は北海道に引けを取らない一大馬産地だった。

しかしこの馬、厩舎所属を2度も断られ、最終的には当時史上最年少で調教師となった若手の成宮明光に預けられることになった。オークス馬が伯母にいる血統なのに何故そんなに断られたかって？とにかくちっちゃかったのである。その小ささたるや、調教師の成宮に「商品価値がない馬」とバッサリ言われてしまうレベルであった。

なにせ小さかったので3歳8月のデビュー戦は4番人気だったがこれを逃げ切って勝利。その後2戦は3着、2着と敗れたが4戦目の条件戦で2勝目を挙げる。しかし重賞戦線では惨敗を喫し、3歳戦は6戦2勝で終える。

4歳となり、初戦で久々の勝利を挙げるが、フケ(発情。レースに影響する)を防ぐためのホルモン注射で生理不順を起こしていたのも影響し、やはり重賞では2桁着順続き。桜花賞も15着に敗れる。

トライアルの8着を経て出走したオークスは10番人気。約半年惨敗続きでは宜なるかなというところだったが、不良馬場ながら後方から直線一気に撫で斬りにする競馬で勝利。鞍上は当時22歳の岡部幸雄で、これが八大競走初勝利。そしてデビューからずっと小さいままだったカネヒムロのこの時の馬体重は384kg！これはGⅠ級競走としては2021年現在まで破られていない最軽量勝利記録である。
岡部幸雄曰く、善戦ぐらいならできるかもしれないが、まさか勝ち負けになるとは思っておらず後方でマイペースに走らせていたところ、先行した人気馬が総崩れになり、仕掛けたらそのままゴール前で抜け出して勝利。喜ぶ前に「勝っちゃった」「えっ、こんなんでいいのか？」と戸惑ったそうである。

カネヒムロはこれ以降精彩を欠き、6歳春まで走ったが1勝も出来ないまま引退。4勝中良馬場だったのは新馬戦の1回のみで、後の3勝は重以下という重馬場巧者だった。

繁殖牝馬としても初年度産駒のカネミノブが有馬記念を制し年度代表馬となる活躍を見せたが、その後は4年連続不受胎の年があるなど子出しが安定せず、カネミノブにつづく活躍馬は輩出できなかった。1997年、転倒したときに右前脚を骨折し安楽死。30歳の大往生だった。

血統表

*パーソロン Partholon 1960　鹿毛	Miles ian 1953 鹿毛	My Babu 1945 鹿毛	Dj ebel 1937 鹿毛
			Perfume 1938 鹿毛
		Oat flake 1942 鹿毛	Coup de Lyon 1930 栗毛
			Avena 1936 鹿毛
	Pal eo 1953 鹿毛	Pharis 1936 黒鹿毛	Pharos 1920 黒鹿毛
			Cari ssima 1923 鹿毛
		Calo nice 1940 栗毛	Abjer 1933 鹿毛
			Cor onis 1935 栗毛
カネタチバナ 1963　鹿毛 FNo.9-c	ヒカルメイジ 1954 黒鹿毛	Bois Roussel 1935 黒鹿毛	Vatout 1926 鹿毛
			Plucky Liege 1912 鹿毛
		*イサベリーン Isabelline 1944 黒鹿毛	Canon Law 1930 鹿毛
			Legal Tender 1928 鹿毛
	コンキユバイン Con cubine 1948 鹿毛	Le Pacha 1938 鹿毛	Bir ibi 1923 芦毛
			Advertenc ia 1927 鹿毛
		Climax 1942 栗毛	Prec ip it ation 1933 栗毛
			Riot 1929 栗毛
競走馬の4代血統表