カミーユ・ビダンとは、アニメ「機動戦士Ζガンダム」「機動戦士ガンダムΖΖ」の登場人物である。声:飛田展男。
機動戦士Ζガンダムの主人公。ニュータイプ。主な搭乗機はガンダムMk-II、Ζガンダム。
フランクリン・ビダン、ヒルダ・ビダンの息子。父母とも地球連邦の技術仕官である。家庭環境にはあまり恵まれず、自分の名前が女らしいというコンプレックスもあり、空手やアマチュアモビルスーツ操縦などに打ち込んでいた。(ただし、『カミーユ』と言う名はどちらかと言えば「男性が多いものの女性にも割といる」名であり、日本でいうところの『あきらさん』、『ひかるさん』的なポジションの名前である。むしろガトーの『アナベル』の方がよっぽど・・・)
尚、このコンプレックスは後にフォウ・ムラサメとのやり取りで解消されている。
エゥーゴのガンダムMk-II奪取に協力し、そのままパイロットしてエゥーゴに参加する。
名前のことをけなしたジェリド・メサに殴りかかったり、取調べ中に恫喝してきたマトッシュを一話またいでモビルスーツで報復し嘲ったりと、子供っぽい凶暴さを含んだ頭に血の上りやすい人物として描かれる。その上両親を目の前で殺され、ますますいじけてしまいそうなところでウォンさん登場。子供のような言い訳を続けるカミーユも流石に鉄拳制裁を受け改心する(ウォンの修正はTV版のみ)。
エゥーゴのアーガマに拾われた後はガンダムMk-IIのパイロットとして参加。ブライト・ノア曰く「アムロ・レイの再来」とまで言わしめるずば抜けたパイロット適性を発揮するほか、Ζガンダムの基礎設計図面を引くなどメカニックとしての素養もあったようだ。
また、人間としてもクワトロ・バジーナや、アムロ・レイ、フォウ・ムラサメなどの人々と出会い成長していく。しかし激しくなる戦場での業や悲しみを一人で背負い込んでしまい、パプテマス・シロッコの最期の思念をまともに浴びてしまい、TVシリーズの最終話で精神崩壊してしまうという衝撃的なラストを迎えた。
TVシリーズの続編である機動戦士ガンダムΖΖでは、精神を病んだ姿で登場。歩くことや言葉を発することもできないほど衰弱してしまい、戦闘には参加できない状態だったが、ニュータイプとしてジュドー・アーシタたちを導く。ファの介添えもあってか、最終話では立ち直り、元気に二人で駆け回る姿を見せた。
性格がTVシリーズに比べてかなり丸くなり、シーブックやバナージに近い実直な青年になっている(劇場版で彼が怒る場面のほとんどは、敵方の非道な行いに憤る正義感によるものが多い)。
初登場時は既にティターンズの尋問を受けており、発端となったジェリドを殴るシーンは回想のみ。
それどころかクワトロを修正するシーンも無く、明確に相手の顔面を殴ったシーンは回想のみになった。(逃げるサラ・ザビアロフを捕らえる為に腹パンで気絶させるシーンはTV版と同様)
増長し、ウォンから修正される場面も無く、クワトロやエマ、レコアからも両親が死んだ際に吐露した気持ちに理解を示し、突き放されたり叱責される場面も無いなど周囲の態度も変化している。(周囲の大人が大人の役割を果たしている。)
TV版で起こった出来事も変更があり、「30バンチへは訪れない」「フォウはホンコン・シティの戦いで死亡し、2度目の地球降下は無くキリマンジャロ~ダカールはカット」「ロザミア・バタムとは所謂ロザミィ関連の描写はカットされただの敵対パイロットとしての関係で終了」などの変更がある。
精神崩壊を予兆させるシーンもカットまたは解釈が変更されている。
特に宇宙空間でバイザーを上げてしまうシーンはTV版は無意識だったのに対し、劇場版ではエマに気合いを入れるためわざと行い「もうこんな事はやりません。」と自覚している。
性格だけでなく、考えや言動も大きく変化しており、TV版では相手の存在を否定するような感情的な言動が多く見られたが劇場版では人間を家畜や道具にしてはいけない、と相手を諭す言動が見られる。
顕著に異なるのが最終決戦時のシロッコ相手の舌戦。
また物事の受け止め方も変化しており、自分が関わる事件や出来事をよく観察し、多くの仲間の死や戦場での悲しみといったストレスの受け流す術を身につけただけでなく、その経験を自分の糧となるものと学習し受け止めている。
結果として最も大きく変わったのはシロッコを倒した後の結末で、精神崩壊することもなく、常にそばで見守ってきたファの元へ無事に帰還した。
ファとは劇場版では宇宙に再度上がった後、キスをしようとするなど視聴者が恥ずかしくなるくらい明確に結ばれている描写がある。
富野監督曰く「精神的な繋がり(共感)だけでなく、ファという大事な女性の肉体的な繋がり(体感)を得た事が大きい」とのこと。
実はTV版同様、シロッコの最期の思念を浴びており、ファの呼びかけにすぐには対応できていない。
(TV版と異なりファはすぐにカミーユの元へ駆けつけている)
ゆっくりとMS形態へ変形し、テールバインダーとフライングアーマーをパージするZガンダムの姿はカミーユがフォウら死者と繋がる精神世界からファのいる現実世界への帰還を表すシーンと言える。
お互いの無事を確かめ合いながら抱擁する2人のシーンで劇場版Zガンダムは締めくくられる。
「ファだけは、幻覚でもなければ、意識だけの存在でもない!こうやって、抱くことができるんだから!」
ガンダム関連の多数の公式設定集、ムック、サンライズが運営するガンダム公式情報サイトなどでカミーユは宇宙世紀史上最高のニュータイプ能力を持っているとされ、富野監督も最高のニュータイプと評している。そのためスーパーロボット大戦やGジェネレーションなどのゲームでNT能力は一番高く設定されていることが多い。Zが人の思いを形にするマシンだからと言って、バリアを張ってビームを弾いたり、ビーム・サーベルを巨大化させたのは宇宙世紀広しといえどこの人とZZガンダムに搭乗した時のジュドー・アーシタくらいである。後にサイコフレームの共振と地球圏の人類の思惟が集積されて二つに割れた小惑星の片割れを押し返した伊達じゃない先輩もいるが。
2006年の劇場版Zガンダム公開の際には富野監督は「学習が出来、本当の意味でのニュータイプとなれたカミーユに比べればアムロはオールドタイプとして死んでいくしかない」と発言している。ここで指すカミーユとはTV版で精神崩壊してしまったカミーユでなく、劇場版でシロッコを倒してファと抱擁し物語を締めくくった方のカミーユであると思われる。
『kotoba2021 年秋号No.45 人類は「ニュータイプ」になれるのか 富野由悠季インタビュー』71ページにおいてなぜカミーユがニュータイプ最高なのかという問いに、「カミーユだけは全能者を目指させようとして精神崩壊した。これがカミーユがニュータイプ能力最高と自分が言った理由だ」と述べた。「全能者になれば普通の人間でいられない、この矛盾の中でカミーユは壊れてしまった。全能者のニュータイプなど生まれでるわけないと近未来の世界で悟った。これが敗北であり、僕自身がニュータイプになれなかった理由だ」と述べている。
MS設計などにも才能があったようで、作中で「Mk-IIのフレームにディアスの装甲をつけているんですよ」と図面を引くようなシーンがあった。また、機動戦士ガンダムMS大図鑑では「Zの設計には添えられていた1枚のフロッピーディスクが~」という設定も見える。こうした彼の意見はΖガンダムの開発に取り入れられた。(ただし劇場版ではカットされている)
カミーユ・ビダンという人間を語る上で外せないのは、その女性遍歴である。恋愛の関係になったといえる相手はファ・ユイリィとフォウ・ムラサメの2人であるが、作中に登場したほとんどの女性たちと何らかの関係を持っている。
グリプス戦役は、人を人として扱うカミーユと人を内心では駒のように扱ったシロッコというグリプス戦役を代表する2人のNTが、どちらがより多くの女性の心を掴めるのかという頂点を決める戦いだったといえる。最終的に死んでいった女性は、ほぼ全員カミーユの優しさを選んだ。(TV版では最後にシロッコにリセット攻撃くらって痛い目にあった。このリセット攻撃は一部のスパロボ作品でも再現されている。劇場版設定であれば無条件回避)。
やはり原作同様、高いニュータイプ能力、戦闘能力を持っている。
スーパーロボット大戦シリーズでは劇場版前から優等生的な言動など早くから補正を受けていた。シロッコの攻撃による精神崩壊も回避できる事が多かった。
作品によっては最初から精神崩壊しており、復帰して参戦ということも。(特に単発作品)
劇場版Zとして参戦したスーパーロボット大戦Zでは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のシン・アスカと親友と言って良い関係になり、時にはぶつかりながらもお互い成長していく。
アニメのカミーユ登場シーンを使った動画のほか、ゲームでのカミーユの動画が投稿されている。また飛田展男の代表作であることから飛田展男が演じるアダルトゲーム『雫』の月島拓也など他のキャラクターの動画にカミーユタグが付けられることがあるほか、声を吹き替えたMADも多い。
掲示板
647 ななしのよっしん
2024/10/16(水) 22:11:15 ID: meCRede9Lp
>>644
その「全能者」にzzでジュドー達を声だけで危機から救ったりしてたり一瞬なってるのが面白いところだよねー まあカミーユにとっては全然いいことではないんだけど
648 ななしのよっしん
2024/10/17(木) 22:31:00 ID: Ydu6dwWcjP
>>647
その流れで見るとアムロ&シャア→カミーユ→ジュドーのNTの流れ、当時の御大なんだかんだNTにポジティブなイメージ持ってそうに感じるんだよな
途中で映画の話が舞い込んでNT概念も面倒なことになったっぽい
649 ななしのよっしん
2024/11/01(金) 19:06:33 ID: pNptVQ6GGr
あれだけ酷い目にあったグリプス戦役後も
ハヤト、アストナージ、アムロとクワトロ、ノア家など、関わりや親交のあった人間が次々と死んだり行方不明になったり不幸になったりするのが悲惨
少なくともアムロとシャアのMIA、マフティー動乱の顛末辺りは確実に耳に入っただろうし、何を思ったんだろうな
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最終更新:2024/11/08(金) 22:00
最終更新:2024/11/08(金) 22:00
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