スーパーカー(Supercar)とは、特定の車の種類に付けられる呼称である。
以上にまとめられないこともない。タイヤにセメダインを塗ることは禁止だ。
戦前からより高性能なクルマを作って市販する動きはあったが、それらは既存の2座席オープンスポーツカーに、恐竜的大馬力エンジンを無理やり搭載したもの(シェルビーのACコブラとか)、あるいはレーシングカーがそのまま公道を走っているレベルのもの(初代フェラーリ250テスタロッサとか)といった、情緒や官能性とは程遠い粗野なマシンが大半だった。
状況が変わるのは1960年代後半、イタリアにおいてフェラーリ・ディーノ246GTやランボルギーニ・ミウラといったマシンが登場してからだ。これらのクルマは、流麗なボディデザインと優れた動力性能を両立し、情緒や官能性といったこれまでなかった魅力を醸し出していた。そして、レーシングカーそのままの機械的なインテリアから、豪華でかつドライバーの気分を高めてやまないスポーティなものへと脱皮していた。
つまり、全ての面で「スーパーなクルマ」を表す「スーパーカー」という言葉が誕生した瞬間である。
1970年代に入ると、フェラーリ365GT4BB、そしてランボルギーニ・カウンタックが登場。この2車のライバル関係を中心に、一気にスーパーカー界は活況を呈することになる。両者のすさまじい最高速度アピール合戦(カウンタックが300Km/hなら365GT4BBは302Km/ガキ喧嘩ですか?)は現代に至るまで語り草だ(どっちも実際は250Km/hも出んかったけど)。さらに、マセラィがボーラ、デ・トマソがパンテーラを発売した。これらも2280~290Km/hの最高速度を宣伝していた(もちろんタログデータ)。
そして、そんなヨーロッパから遥か離れた日本で、1975年から突如「スーパーカーブーム」が盛り上がることになる。週刊少年ジャンプで連載された漫画「サーキットの狼」によって、これらスーパーカーの存在が当時の少年達に一気に知れ渡ることになったからだ。日本のクルマがまだスタイルも性能も平凡だった当時、ヨーロッパのスーパーカーはまさにエキゾチックな魅力をたたえた特別な存在に彼らの目には映った。
各所で催されたスーパーカーの展示会には本物をひと目見ようと少年達が列をなして集まり、テレビ東京(当時は東京12チャンネル)では「対決!スーパーカークイズ」が放映され、令和の現在では「笑点」の座布団係として知られる山田隆夫が出演していた。そして、商魂たくましい当時のメーカーの手によってプラモデル・文房具・ポスターなどが雨後の筍のように商品化されていった。特に、消しゴムはもっとも手軽でごっこ遊びもできるグッズとして大人気だった。
しかし、「サーキットの狼」が路線変更によってレーシングカートやフォーミュラカーといったプロレースの世界に移っていった結果、少年達の熱も急速に冷め、ブームは終焉することになる。
1980年代になると、日本国民全体の裕福化とバブル景気により、当時のスーパーカーを投機対象として興味を示す向きもあった。フェラーリ・テスタロッサやF40、ポルシェ959などが生まれ、より高性能への追求が進むことになる。
1990年代には、日本でも初のスーパーカー、ホンダNSXが発売され、イギリスのマクラーレン・カーズやドイツのメルセデスといった新勢力も勃興。当時のル・マン24時間レースを中心としたGT1クラスとの兼ね合いもあって、かつてはカタログデータで誇大表現が当たり前だった性能も、スーパーカーの名にふさわしい本物へと進化していくことになる。
21世紀に入ると、フェラーリやランボルギーニといったイタリアメーカーは大手メーカーの傘下に入り、工業製品としての質は大幅に向上。完全にセレブたちの裕福さを象徴する乗り物として定着していく。性能面も最高速度300Km/h超えは当然になるのみならず、空力面の研究も進んでスーパーカーを超えた「ハイパーカー」の領域に突入していく。そして、エコを求める世論に影響されてスーパーカーでもハイブリッド化やEV化が進みつつある。
スーパーカーのルックスと性能に加えて、居住性や長距離のドライブも重視するとグランドツアラーという車種になる。ミッドシップでも4人乗りは可能であるが、お世辞にも居住性がいいとは言えないのでフロントエンジンが基本になる。いわゆるGTカーと呼ばれるもの。
高級セダンと区別が曖昧だが、クーペーであるかどうかが目安だろう。
スーパーカーの強化バージョンになるとハイパーカーという車種になる。1台1億円は当たり前のハンドメイド品で、走る姿は普通の車というよりはレースカー。まさに億万長者でしか所持できない車である。
2021年現在、ル・マン24時間レースが新たに導入した最高峰クラス、LMH(ル・マン・ハイパーカー)規格により、これによる新たなハイパーカーの出現が期待されている。
掲示板
59 ななしのよっしん
2019/12/07(土) 15:19:49 ID: /HjPPflMbd
自動車に詳しくない友人がスーパーカーの定義だと思ってた物
・平たい
60 ななしのよっしん
2020/07/21(火) 11:40:19 ID: CMfJtW4Fxm
>性能とスタイルさえよければいくらでも単価をつり上げることができるので、大量生産する必要がない
これは間違い。さすがに限度がある(希少性を売りにしているのでいっぱい売るわけにもいかない)ので高級車ブランドはどんどん大型車や個人向け船舶事業など利鞘の大きい事業を拡大してる(レクサスがヨット作ったり…最近ついにランボルギーニも作った)
61 ななしのよっしん
2024/04/23(火) 09:32:14 ID: 1vnhpiT5S1
昨今のハイパーカーは数十台注文とって予約即完売、
実態は投機目的で下手すりゃオーナーが手元に置くどころか、
転売のタイミングも含め管理会社に丸投げという、なんだかなーな流れ
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/22(日) 01:00
最終更新:2024/12/22(日) 00:00
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