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ロキソプロフェン(Loxoprofen)とは、非ステロイド性抗炎症薬である。先発医薬品名はロキソニン®。
ロキソプロフェンは、プロピオン酸系の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。炎症に関与する酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、抗炎症作用・鎮痛作用・解熱作用を示す。痛み止めとして汎用される。
三共株式会社(現在の第一三共株式会社)が創薬し、1986年3月にロキソニン®錠、ロキソニン®細粒の製造販売が開始された。また、リードケミカル株式会社が三共株式会社と共同開発したロキソニン®パップ、ロキソニン®テープは、それぞれ2006年1月、2008年3月に承認された。ゼリー状のロキソニン®ゲルも開発され、2010年6月に承認を取得。ジェネリック医薬品も供されており、内服液やポンプスプレーもある。保険薬局やドラッグストアではロキソプロフェンの一般用医薬品の購入も可能だが、ロキソプロフェン以外の成分が入っている製品もあるため、薬剤師と相談すること。
ロキソプロフェンは、炎症や術後の消炎・鎮痛に用いられる。ロキソニン®およびロキソプロフェン製剤の医薬品添付文書より、2021年4月時点での適応を以下に示す。なお、一般用医薬品についてはロキソプロフェン単剤のロキソニン®Sのみ掲載。
関節リウマチや歯痛などの消炎・鎮痛、手術後や抜歯後の消炎・鎮痛では、通常1回60mg(1錠)を1日3回経口投与する。頓用の場合、1回60~120mg(1~2錠)を経口投与する。年齢や症状に応じて適宜増減する。胃腸に負担がかかるため、できるだけ空腹時投与は避け、頓服の間隔は4時間以上空ける。
急性上気道炎の解熱・鎮痛では、頓用で1回60mg(1錠)を経口投与する(原則として1日2回まで)。年齢や症状に応じて適宜増減するが、1日量は最大180mg(3錠)まで。できるだけ空腹時は避け、食事を摂ったあとに内服することが望ましい。投与間隔は4時間以上空ける。
外用剤のうち、パップ剤やテープ剤は1日1回患部に貼付する。ゲル剤は1日数回患部に塗擦する。スプレー剤は1日数回患部に噴霧する。パップ剤は皮膚への刺激が少なく保湿効果もあるため、皮膚症状を起こしにくいと考えられる。テープ剤は目立ちにくく剥がれにくいため、関節など動きのある部分にも使いやすい。ゲル剤やスプレー剤も関節に適した剤形といえる。ただし、いずれも損傷した皮膚や粘膜、湿疹や発疹のある部位には使用しないこと。
一般用医薬品の用法用量は、医療用医薬品の用法用量に準ずるため割愛する。詳しくは、PMDAや製造販売元のウェブページ、あるいは購入した製品に添付されている文書を参照すること。
炎症は病原体の侵入や組織の損傷に対する生体の防御反応であるが、痛みや発熱をきたし、正常な細胞も破壊される。炎症にはプロスタグランジン類(PGE2など)の生理活性物質が関与しており、シクロオキシゲナーゼ(COX)などの酵素がその生合成を担っている。
NSAIDsの多くは、COX-1およびCOX-2を阻害しPGE2の合成を抑制することで、炎症を鎮め、鎮痛作用・解熱作用を示す。同じく炎症を抑える作用のある副腎皮質ステロイド薬と比べ、NSAIDsは副作用が少なく扱いやすいため、臨床では汎用されている。また、ロキソプロフェンはプロドラッグであり、生体内で活性化されてから作用を示すため、ほかのNSAIDsより消化管障害を起こしにくいとされる。
NSAIDsはPGE2などの産生を抑制することで抗炎症作用を示すが、PGE2は胃の細胞を守る粘液の分泌促進や胃酸・消化酵素の分泌抑制に関与している。したがって、PGE2の産生が阻害されると胃の防御機能が低下して消化管障害をきたすおそれがあり、消化性潰瘍の患者には投与禁忌となっている。
NSAIDsによりCOXが阻害されプロスタグランジン類への代謝が抑制されると、代償的に別経路での代謝が促進され、気管支を収縮させるシステイニルロイコトリエンが増加する。その結果、NSAIDsを原因とする気管支喘息(NSAIDs喘息)を引き起こすことがあるため、NSAIDs喘息の患者やその既往歴のある患者への投与も禁忌である。
PGE2やPGI2の産生抑制は腎血流量や糸球体ろ過速度の低下につながり腎臓に負担をかけるため、重篤な腎機能障害のある患者にも投与禁忌。PGF2αやPGE2の産生抑制は胎児の動脈管閉鎖を招くため、妊娠末期の女性への投与も禁忌。
副作用は、腹痛、胃の不快感、食欲不振、悪心(吐き気)、浮腫(むくみ)、発疹、蕁麻疹などがある。みぞおちの痛み、黒かったり血が混じったりした便、息苦しさ、足のむくみなどがあれば、医師や薬剤師に相談すること。頻度は不明だが重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、急性腎障害、うっ血性心不全、消化性潰瘍、無菌性髄膜炎、横紋筋融解症などの報告がある。
ロキソプロフェンは非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。比較的知られているNSAIDsとして、アスピリン(バイアスピリン®)、ジクロフェナク(ボルタレン®)、インドメタシン(インダシン®)がある(販売名は一例)。ただし、バイアスピリン®は血栓の形成を抑える抗血小板薬として使用される。
また、NSAIDsは化学的構造からさらに細分化でき、ロキソプロフェンはプロピオン酸系NSAIDsに分類される。ほかのプロピオン酸系NSAIDsとして、イブプロフェン(ブルフェン®)、フルルビプロフェン(フロベン®)、ケトプロフェン(モーラス®)、ザルトプロフェン(ペオン®)、ナプロキセン(ナイキサン®)、オキサプロジン(アルボ®)、イブプロフェンピコノール(ベシカム®)、フルルビプロフェンアキセチル(ロピオン®)などがある(販売名は一例)。注射剤として臨床に供されているものもあり、癌性疼痛などに使われている。
NSAIDs全般の概要は、非ステロイド性抗炎症薬の記事を参照。
掲示板
7 ななしのよっしん
2024/12/04(水) 01:30:49 ID: c5Segew3UO
コロナパンデミック中にアセトアミノフェンが品切れになっていたせいでロキソプロフェンに頼らざるを得なかった人は多いと思う
ドラッグストアでも「ワクチン接種の副反応による腕の痛みにはロキソプロフェンでも効果があります」と書かれた貼り紙を見ない日は無かった
ナロンのLoxyなら水無しで服用出来て便利だぞ、眠くなる副作用が無いのに肩凝りや腰痛にもしっかり効く
8 ななしのよっしん
2025/01/10(金) 10:19:39 ID: 0IPm/LpvEy
最近は消化器系への負担を抑えたクイックとかいうのもあるらしいが、若干割高だけど 元々効果に対して価格は抑え目だし こっち買った方が良さそう
9 ななしのよっしん
2025/02/24(月) 01:31:47 ID: /OcrXqO+G3
やはり薬ってのは個人差があるんだな
自分の場合ロキソニンの効き具合がすこぶる悪くて、2錠飲まないとまともに効かん
バファリンの方が全然マシだ
提供: 吹雪
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最終更新:2025/03/24(月) 09:00
最終更新:2025/03/24(月) 08:00
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