「ロバート・ウッドヘッド(Robert J Woodhead)」とは、アンドリュー・グリーンバーグと共にコンピューターRPGの基礎になったとも言われる名作「ウィザードリィ」を生み出したゲームデザイナー・プログラマであり、アメリカにおける日本アニメの伝道師である。
「ウィザードリィ」の重要人物「狂王トレボー(Trebor)」の名前はrobertの綴りを逆から並べたもの。
Wizardryはね,言わば連綿とつながった鎖の輪の一つなんだ。多くの作品がそうであるように,Wizardryもまた,先行するゲームや映画といった文化の影響を受けて生まれてきた。そして後に続く作品に,今度はWizardryが影響を及ぼしていく。そういう連鎖の1ピースなんだと思う。
1959年1月22日にイギリスのケント州にて誕生した後、カナダそしてアメリカに移住。日本に暮らしていた事があるが、現在はアメリカを拠点にしている。
コーネル大学に入学後、大学に設置されていたコンピュータを使うのが楽しいあまりに成績が落ちて停学になった事等がきっかけで本格的にコンピュータのプログラミングを学ぶようになり、コンピュータ関係の会社でのアルバイトを経て、1979年にノーマン・シロテックと共に「Sirotech Software」を設立。「Galactic Attack」と言うゲームをヒットさせた。
大学を休学して「Paladin」の開発を行っていた最中、アンドリュー・グリーンバーグと知り合い、BASICで開発されたプロトタイプ「ウィザードリィ」と巡り合う。
※アンドリュー・グリーンバーグは、「ウィザードリィ」シリーズの重要キャラ「ワードナ(Werdna)」の名前の元ネタの人物でもある。
※「ウィザードリィ」シリーズに登場する「マーフィーズゴースト(Murphy's Ghost)」は、アンドリュー・グリーンバーグの友人ポール・マーフイーからとられた。
ロバート・ウッドヘッドが、プログラム言語をBASICからPascalに変更して開発に加わったApple II版ウィザードリィは汎用コンピュータ支援教育システム「PLATO」で動作していた「Moria」「Oubliette」「Avatar」といったゲーム、やジェームズ・クラベルの小説「将軍」、TRPGや時代劇その他いろんなものの影響をうけつつ開発が進み、1981年にボストンで開催されたアップルフェスタにて「Wizardry: Dungeons of Despair」と言うタイトルでデモを展示して話題となった。
そして1981年。シロテックと共に設立した会社を「Sir-Tech Software」に変更してウィザードリィのシリーズ第1作「Wizardry #1 - Proving Grounds of the Mad Overlord」を発売し、個人用コンピューターRPGの初期の作品として名を残す。
※「Ultima」と共に「Wizardry」がコンピューターRPGの始祖である的な表現が用いられる場合があるが、Wizardryは先に述べたPLATO環境での作品群と同ジャンルのゲームであり、ジャンル自体の始祖ではない。
翌1982年には、シリーズ2作目にあたる「Wizardry #2 - The Knight of Diamonds」を、1983年にはシリーズ3作目にあたる「「Wizardry #3 - Legacy of Llylgamyn」をリリース。「Ultima」と共に熱狂的なファンを生み出して人気を博した「Wizardry」の影響は、アメリカ国内に留まらず日本にも波及。小説家の「矢野徹」・イラストレーターの「末弥純」・ライターの「堀井雄二」・ゲームプログラマの「中村光一」らがプレイし、堀井雄二が後にリリースした「ドラゴンクエスト」に大きな影響を与えている。
1987年には、「Ultima IV Quest of the Avatar」の記録を塗り替える発売延期期間を経て、ロー・アダムスがシナリオを担当したシリーズ第4作「Wizardry #4 - The Return of Werdna」を発売。また同年には、開発を遠藤雅伸のゲームスタジオが手がけ、シリーズの大ファンの末弥純のモンスターイラストを採用したファミコン版「ウィザードリィ」が日本で発売された。
ファミコン版開発にあたり、Pascal言語に対応していないファミコンには移植は難しいと言っていたウッドヘッドだったが、ゲームスタジオのプログラマの奮起によりファミコン版が実現。アメリカの大学生のジョークの様なモンティ・パイソンネタにまみれた原作から、末弥純がデザインした恐怖を兼ね備えたモンスターや羽田健太郎が手がけた音楽と、ドラゴンクエストとは異なるリアルで厳しいサバイバルな環境をあらわしたかのような雰囲気により、その後も日本のみでシリーズが続くヒット作となった。
ファミコン版は、今でも最も完成したWizardryだと思っているよ。
なにせ、僕の描いた下手くそな絵が使われてないからね!
と高く評価している。
1988年には、シリーズ5作目となる「Wizardry #5 - Heart of the Maelstrom」を発売するも、「Wizardry #4」を共に手がけた日本アニメファンのロー・アダムスに誘われて日本アニメの映像に英語の字幕をいれるソフトウェアの開発を行う事になり、ロー・アダムスと共に「AnimEigo(アニメイゴ)」というアニメ配給会社を設立。以降は非ゲーム系ソフトウェアの開発や日本アニメの輸入販売を中心に活動する事となり、ウィザードリィとは特に関りを持っていない。ただし日本でのウィザードリィ関係のインタビューは何度か受けている。
AnimEigo設立後、6年ほど日本に移住。当時通訳をしてくれた今の奥さんを追いかけるためだったと本人は語る。日本で暮らしていた際は、アメリカで販売する日本アニメの買い付けの他、田中としひさの漫画「おこんないでね」にて、”ロバの穴”と呼ばれるマジック・ザ・ギャザリングの虎の穴にて、貴重品のカードを豪快にシャッフルする姿が描かれている。
「メタルスキンパニック MADOX-01」から本格的にはじまったAnimEigoでの日本アニメのアメリカ販売は、「うる星やつら」「きまぐれオレンジ☆ロード」「ああっ女神さまっ」「逮捕しちゃうぞ」「バブルガムクライシス」「おたくのビデオ」等のアニメタイトルの他、「子連れ狼」「座頭市」「眠り狂四郎」等の時代劇、「男はつらいよ」シリーズ等の邦画を取り扱っている。近年は、クラウドファンディングのKickstarterで出資者を募るかたちで自らが大好きだと語る80~90年代の日本アニメのアメリカ版Blu-rayをリリースするプロジェクトを行っている。
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https://twitter.com/awzotp/status/1390087060686393347
2016年の来日時のインタビューで指摘されるまで、押井守がウィザードリィファンであることを知らなかった。
掲示板
1 ななしのよっしん
2019/09/17(火) 21:06:01 ID: Z/jsCz2evH
最初の引用、いい言葉だね
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最終更新:2025/02/22(土) 22:00
最終更新:2025/02/22(土) 22:00
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