九九 単語


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九九(くく)とは、1から9までの二項演算を網羅した表である。

概要

一桁同士の二項演算における表である。
0との演算は自明であるために省略する場合がほとんどで、1から9まで、計81通りの表となる。

四則演算は1桁の計算の繰り返しであるため、足し算掛け算の九九は暗記すると便利である。
(引き算割り算はそれぞれの逆演算なので個別に覚えなくともよい)

理論上はすべての二項演算に存在するが、単に「九九」という場合は、通常掛け算九九をす。

掛け算九九

1×1から9×9までの暗唱法。
演算子「かける」は省略し、数もリズミカルに言えるように独特の読み方をする。例えば、「8×8=64」は、「はちかけるはちはろくじゅうよん」ではなく「はっぱろくじゅうし」と読む。

小学校では、小学校2年生の2学期頃に学習する。

これさえ覚えてしまえば、どんなに大きな数であろうと1桁の掛け算を繰り返すことで計算ができ、覚えない場合にべて計算が高速になる。長い小学校生活、そして長い人生を快適に過ごすためにも、九九はぜひとも身につけたい。

九九の暗記について

わずか数ヶで81もの式を暗記する必要があるため、小学校低学年最初の難関となっている。
交換法則により順番違いを覚えなくてよいとしても、45通りは覚えなければならない。

1年生のうちに覚えてしまう児童もいる一方で、大人になっても覚えられない人もおり、そのせいで算数数学が嫌いになってしまうこともある。そのため、覚えられない子にまで強制的に、低学年のうちに九九を覚えさせる必要があるのか、というのはたびたび議論になる。

九九を覚えたほうが、覚えていない場合にべて計算はかに速い。九九を覚える最大の理由はそこである。しかし、掛け算をするのに、九九を「絶対に」覚えなければならないかといえば、必ずしもそうではない。
例えば、7×8は7を8回足せばめられる。7×7を覚えていれば、49に7を足せばよい。
最終手段として、マルを縦に7個、横に8個並べて数えてもよいのだ。
導者は、九九の暗唱それ自体のテストを除き、正解にたどり着く方法が複数あることを記憶にとどめ、柔軟な対応をすることがめられる。

学習障害などを持つ児童へのケアも課題となっている。
暗唱の文言を少し変える、状況によっては九九表を見ることを認める、などの対応がなされることもある。
前者は、例えば「さんし21」「さんしち12」などと似た発音の九九を間違える子のために、「さんよん12」「さんなな21」と数唱を少し変える。
後者カンニングまがいに見えるが、九九の暗記自体を評価対としない場合に行われる。例えば456×8の筆算で、一の位を6×8、十の位を5×8、の位を4×8と計算し、足し合わせればよいことを理解できればよい場合である。高校数学に例えれば、距離と仰から高さをめる問題で「距離にタンジェントをかける」という式さえ書ければ、タンジェントが具体的にいくつなのかまでめなくて良い場合に類似する。

覚えるための歌も多数制作されており、CDや配信などの形で聴くことができる。
そうした歌で覚えているために、妙にリズミカルな言い方になっている児童もいる。

「欧米には九九がない」神話

様々な文脈で、「欧には九九がない」と言われることがある。

何をもって「九九がある」とするかによっても変わるが、少なくとも「1桁の掛け算を丸暗記する」ということは多くの学校で行われている。覚える時期も、日本と同じく小学校低学年の内である。

では、下記の「九九表」に似た「multiplation table(times table)」があり、この表を見て覚える。
英語圏では、「11と12が1単語で言える」という数唱の都合から12×12まで表があり、そこまで覚える(近年では日本と同じく9×9まででいい場合もある)。

口唱のフォーマット日本ほど統一されていない。例えば「3×5=15」は、式のとおりに読めば「Three times five equals fifteen.」「Three fives are fifteen.」だが、日本と同じく「Three five fifteen.」と数字だけ取り出して覚える場合もある。

覚えていない場合は、3, 6, 9, 12, 15…と、下の段にかける数を足しながら答えることも日本よりは許容される。答えがわかりさえすれば日本ほどの即答は要されない。

また、日本では小学校中学年以上なら九九をすべて暗記することがめられるが、諸外でそこまで要されるかはや地域、学校によって、または学習的や教科によっても異なる。高校数学テストでも、九九表は印刷して配られる場合もある。

掛け算九九表

以下に、掛け算九九とその一般的な口唱を羅列する。
導書や地域によっては言い方が異なる場合がある(例えば2×8=16は、「にはちじゅうろく」と「にはじゅうろく」の2通り読み方がある)。

  • 1×1= 1 いんいち が いち
  • 1×2= 2 いんに が に
  • 1×3= 3 いんさん が さん
  • 1×4= 4 いんし が し
  • 1×5= 5 いんご が ご
  • 1×6= 6 いんろく が ろく
  • 1×7= 7 いんしち が しち
  • 1×8= 8 いんはち が はち
  • 1×9= 9 いんく が く
  • 2×1= 2 にいち が に
  • 2×2= 4 ににん が し
  • 2×3= 6 にさん が ろく
  • 2×4= 8 にし が はち
  • 2×5=10 にご じゅう
  • 2×6=12 にろく じゅうに
  • 2×7=14 にしち じゅうし
  • 2×8=16 にはち じゅうろく
  • 2×9=18 にく じゅうはち
  • 4×1= 4 しいち が し
  • 4×2= 8 しに が はち
  • 4×3=12 しさん じゅうに
  • 4×4=16 しし じゅうろく
  • 4×5=20 しご にじゅう
  • 4×6=24 しろく にじゅうし
  • 4×7=28 ししち にじゅうはち
  • 4×8=32 しは さんじゅうに
  • 4×9=36 しく さんじゅうろく
  • 5×1= 5 ごいち が ご
  • 5×2=10 ごに じゅう
  • 5×3=15 ごさん じゅうご
  • 5×4=20 ごし にじゅう
  • 5×5=25 ごご にじゅうご
  • 5×6=30 ごろく さんじゅう
  • 5×7=35 ごしち さんじゅうご
  • 5×8=40 ごは しじゅう
  • 5×9=45 ごっく しじゅうご
  • 6×1= 6 ろくいち が ろく
  • 6×2=12 ろくに じゅうに
  • 6×3=18 ろくさん じゅうはち
  • 6×4=24 ろくし にじゅうし
  • 6×5=30 ろくご さんじゅう
  • 6×6=36 ろくろ さんじゅうろく
  • 6×7=42 ろくしち しじゅうに
  • 6×8=48 ろくは しじゅうはち
  • 6×9=54 ろっく ごじゅうし
  • 7×1= 7 しちいち が しち
  • 7×2=14 しちに じゅうし
  • 7×3=21 しちさん にじゅういち
  • 7×4=28 しちし にじゅうはち
  • 7×5=35 しちご さんじゅうご
  • 7×6=42 しちろく しじゅうに
  • 7×7=49 しちしち しじゅうく
  • 7×8=56 しちは ごじゅうろく
  • 7×9=63 しちく ろくじゅうさん 
  • 8×1= 8 はちいち が はち
  • 8×2=16 はちに じゅうろく
  • 8×3=24 はちさん にじゅうし
  • 8×4=32 はちし さんじゅうに
  • 8×5=40 はちご しじゅう
  • 8×6=48 はちろく しじゅうはち
  • 8×7=56 はちしち ごじゅうろく
  • 8×8=64 はっぱ ろくじゅうし
  • 8×9=72 はっく しちじゅうに
  • 9×1=9 くいち が く
  • 9×2=18 くに じゅうはち
  • 9×3=27 くさん にじゅうしち
  • 9×4=36 くし さんじゅうろく
  • 9×5=45 くご しじゅうご
  • 9×6=54 くろく ごじゅうし
  • 9×7=63 くしち ろくじゅうさん
  • 9×8=72 くは しちじゅうに
  • 9×9=81 くく はちじゅういち

掛け算以外の九九

理論上は、様々な二項演算に九九が考えられる。
しかし、計算上有用なのは、1桁演算の組み合わせで計算できる掛け算足し算だけである。

足し算

足し算は合計が10以下になるものだけ覚えていれば事足りる。
例えば、8+6を計算するときは、小学校1年生で教わるとおり8+2+4=10+4と変形すればよい。そろばんを習っているなら、そろばんを頭の中に浮かべる「珠算式暗算」が使える。

しかしながら、その計算が面倒で、そろばんも習っていない人は、1桁の計算を丸暗記することが有用なこともある。そのため、「九九」という形で表や暗記表にはなっていないが、1桁の足し算パターンを全て覚えている人もいる。

引き算

繰り下がりの計算をする必要から、1桁の引き算同士を組み合わせた「引き算九九」を作っても、全ての整数引き算満足しない。引き算は、足し算九九を逆演算することでめることがほとんどであろう。

なお、各位の数が負の数になることを認め、「ゼロの段」と「十の段」を加えれば、この範囲内で(理矢理)筆算をすることも可である。

例:93-57

9 3
- 5 7
4 -4

答えが「四十マイナス四」という奇妙な表記になるが、「十の段」を使って繰り下がりをすることで本来の表記である「36」になる。

割り算

そろばん専用の「割り算九九(八算)」が存在する。

現在そろばん割り算は、掛け算九九を逆に使う「商除法」がで、割り算九九を別に覚える「帰除法」はほぼ使われていない。これは、別に九九を覚える手間と、「30÷7=4あまり2」が「七三四十二(しちさんしじゅうのに)」、「20÷5=4」が「五二倍作四(ごにばいさくのし)」など現代人には覚えづらい文句であること等が理由である。また、2桁以上の割り算では「見一」「帰一」とよばれる操作を別に覚える必要がある。

しかし、ある位を割る際の商と余り機械的に入力できるため、覚えれば商除法より速く計算ができるという。

べき乗

べき乗九九を作ることは可だが、例えば123456を計算しようとしても、各桁同士の演算の組み合わせで計算することはできず、123を456回掛け算する必要がある[1]。そのため、作っても意味である。

ただし、初学者は63の計算を、(6を3回かけることは知りつつも)一発で計算する方法があるはずだと思うことがあるので、「べき乗に九九のようなものはないので、地に回数分掛け算しなければならない」ことを説明するために引き合いに出すことはある。

九九を元ネタとしたもの

関連動画

関連項目

脚注

  1. *どうしても各桁に分解して計算したい場合、二項定理を駆使すればよいが、恐らく掛け算を繰り返す方が楽。
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