新幹線鉄道保有機構 単語

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新幹線鉄道保有機構とは、国鉄分割民営化に伴い設置されたJR東海キングボンビー特殊法人である。1991年解体。

概要

国鉄分割民営化に際し設置された新幹線の施設を保有し、JRに貸し出す組織。建前上は「民営化し事業基盤が脆弱なJRが安定して事業運営できるよう下の部分を持つ(ただし、第三種鉄道事業者ではない)」ということで、その代わり毎年数~数千億のリース料をJRから受け取ることとなっていた。元々設置予定はなかったが、民営化議論の際に後にJR東日本の初代社長となる運輸省出身者が構想をぶち上げて設置が決まった。
しかし、機構の実際は抜群の収益性を誇る東海道新幹線の利益を他のJRに分配し、他新幹線の建設費などを賄うという国鉄時代の内部補助と大差ないものであった。加えて、JRは上の部分しか持たないため、設備改修をしても下の保有者でないために減価償却費を計上ができないなど、JR東海減価償却費が少ないという弊も生み出した(対策としてJR東海減価償却費を厚くするため100系新幹線電車の大量増備と300系新幹線電車開発に踏み切る)。

リース期間は民営化後30年で、リース料は2年ごとに運輸省作成の算定式により改定。当初の予定通りであれば2017年JR本州3社に新幹線の設備が譲渡されるはずだった(なお、譲渡条件は未定だった)。
向きが変わったのは2年後の最初のリース料改定の際で、気を追いJR東日本JR東海の業績が好調でくも上場が視野に入った一方、JR西日本はその域に達せず焦りがあったことである。JR西日本の要請で(JR西日本社長をやっている運輸省OBの顔を立てるため)当初の算定式通りでやるのではなく、一定額を上積みする形にしたいとJR東日本JR西日本事前調整した運輸省からJR東海に打診があった。
民営化直後から機構解体をしていたJR東海は、須田寛社長から「(事前の計算額から)許容範囲内であればその場で了承してよい」との許しを得て4者会合に参加した葛西敬之が「今後も恣意的に改定されては困るから、リース料を固定したうえで機構を解体してほしい」「リニア中央新幹線運営体はJR東海であると確定してほしい」の2点を提示。予算編成の都合から期決着を図りたかった運輸省JR東日本松田士とJR西日本井手正敬にその場でこの条件を飲ませ、JR東海の悲願であった機構解体(とリニア運営)への筋をつけた。

その後、上場のための条件整備の際に発案者であるJR東日本初代社長国鉄最後の総裁であった清算事業団の杉浦理事長に「(JR東海減価償却費が少なくなるのは)わかってたこと。仕方なかった。」とぶっちゃけたうえで引き続き機構はあるべきとの立場であったが、東が「収益調整弁として恣意的に使われる可性」と「譲渡条件が定まっていないのは投資保護のうえで問題がある」とし上場前に解体し譲渡するよう要請したため、最終的に法改正を経て1991年に解体された。
ただ、解体・譲渡の際に残り26年分のリース料に約1兆円を上乗せした計9兆1767億円を3社に配分し、それを整備新幹線の財とした。このあたりはさすが官僚である(なお、そのお金現在独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構へと継承されている)。

JR東海からは(というか経済学者からも)すごぶる評判の悪かった組織だが、利益をもらえた側からすれば民営化直後に一定額で安定して運営できたため素晴らしい仕組みであった。このため、松田士が識者として参加した道路団の民営化の際に「日本高速道路保有・債務返済機構」という似たような組織が出来上がっている。

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