有機化学とは、有機化合物すなわち炭素化合物の合成、性質についての研究を目的とする化学の分野である。
炭素は炭素を含む様々な元素と結合し、結果多様な物質を生む。そのために化学においては重宝されている元素である。
かつては有機物は生命体からでないとできないと言われていたが、1828年にフリードリヒ・ヴェーラーが、シアン酸アンモニウム水溶液から尿素を生み出すことに成功(ヴェーラー合成)した。
またウォーレス・カロザースにより、1935年に人工繊維「ナイロン」の合成に成功。
これが現在までに至る様々な人工物質の生産や利用の始祖と考えてよいだろう。
有機化学というと無機物質である金属は関係ないのかというとそうではない。
触媒としてプラチナなどが利用されたり、グリニャール試薬に代表される有機金属試薬などにも利用されており、有機金属化学という一大分野を築いている。むしろ有機化学と付き合っていく上で金属は避けて通れない(避ける必要はないけど)。
化学は創造の学問と言われるが、有機合成化学はその最たるものだと思う。
ヴェーラーの合成に始まった人の手による有機化合物の合成は、今や自然界に存在する化合物ばかりでなく、自然界に存在しないもの、天然に存在するものの性質をさらに改良したもの、人間の想像したもの(ナノプシャン)などを現実に作り出している。
このような学問は有機化学をおいて他にないものと言える(無機化学とか化学以外にもあるけど)。実際に分子を目で見ることはできないけれども、分光器などでその存在を確認することは出来る。
化学の研究室(実験室)といったらエバポレーターがクルクル回って試薬棚に試薬がずらりと並び、よくわからないガラス器具をいじくって反応させて(爆発して黒焦げ?になる)るというイメージがまず浮かぶという人は多いと思う。それくらい有機合成化学は化学の花形であると思う。
実際には、男ばかりで華がなくて、薬品臭さと地味な作業の毎日で幻滅したという人もいるはずだ。しかし、苦労して目的の物を合成したり新しいものを創りだした時の喜びはモノづくりのそれに繋がるものがある。
変態と思わそうであまり人には言えないけど、マジで何段階もかけた化合物には愛着がわいてしまう。という経験のあるひとは多いはず。
とにかく、勝手に思いつくまま有機合成化学への思いを数行だけ書かせてもらったけど、日本はこの分野で世界のトップクラスにある。
先人たちのおかげでもあるし、それだけの熱意を注ぎこむだけの面白さが詰まっている学問だと思う。せっかくいい環境にあるから有機化学を志してるかそんな気のある人には盛り上げて行って欲しいと思います。
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最終更新:2025/03/21(金) 18:00
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