朝潮型駆逐艦とは、日本海軍が建造した一等駆逐艦の艦級である。同型艦10隻。
ネームシップ<朝潮>の喪失除籍後、満潮型駆逐艦に名称を変更している。
初春型駆逐艦、白露型駆逐艦といった中型駆逐艦に続き、より性能を向上させた大型駆逐艦として建造された艦隊型駆逐艦。後継艦級である陽炎型駆逐艦ともども、主力艦直衛を中心に活躍し、1945年4月の菊水作戦を最後に10隻全てを喪失した。
ワシントン海軍軍縮条約により主力艦に制限を受けた日本海軍は、駆逐艦のエポックメイキングたる特型駆逐艦の建造によって不利を補おうとした。だが、それすらもロンドン海軍軍縮条約によって中途で挫折を余儀なくされ、条約に従って中型駆逐艦として初春型を建造したものの過剰要求から問題が発生。設計に修正を加えた白露型も海軍が満足する性能とはいえず、海軍は中型駆逐艦に見切りをつけ始めていた。
1936年1月、日本はロンドン海軍軍縮条約を脱退。当時進められていた第二次補充計画(マル2計画)の改白露型駆逐艦14隻建造予定のうち、10隻を条約の制限を受けない大型駆逐艦の建造へと変更した。こうして計画され、特型駆逐艦の改良型として設計されたのが、のちの朝潮型駆逐艦である。
当艦の建造にあたっては初春型、白露型駆逐艦や友鶴事件といった教訓を活かして強度面の改良が加えられたが、建造開始後の第四艦隊事件によりさらに設計を変更。その結果、海軍としては満足できる性能とは言えず、朝潮型を更に改良した陽炎型駆逐艦が設計・建造されることとなった。
船体は全長118.0m、全幅10.38mと、特型駆逐艦とほぼ同じ。
ただし、初春型で排水量に対し武装が過大だった教訓から、吃水をやや深くすることで安定性を高めている。そのため、排水量は基準1680tから同2000tへと拡大している。
主砲は50口径三年式12.7cm砲C型連装3基6門。特型駆逐艦以降のスタンダード的主砲であり、数も特型同様。一方雷装は白露型と同じく61cm四連装魚雷発射管2基8門を装備するが、特型駆逐艦と比べると一門の減少となっている。
その他、13mm連装機銃2基、九一式爆雷などを搭載。機銃については後に25mm機銃に換装して対空防御を強化し、主砲塔を機銃座に積み替えた艦も存在する。
搭載機関はロ号艦本式ボイラー3基、艦本式タービン2基で50000馬力、最高速力は34.85ktとされる。
航続距離は巡航18ktで4000海里。
速力は本来最高35ktで計画されていたが、起工直後の設計変更により若干ながら低下してしまったもの。このことと航続距離の不足が海軍をして朝潮型に不満足たらしめる理由であった。ただし、公試成績では最高35.98kt、18ktでの航続距離5000海里を記録している。
大日本帝国海軍 一等駆逐艦 艦級一覧 | |
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戦間期 | 海風型 - 浦風型 - 磯風型 - 江風型 |
峯風型 - 神風型[II] - 睦月型 - 吹雪型(特型) - 初春型 - 白露型 - 朝潮型 - 陽炎型(甲型) | |
戦中 | 夕雲型(甲型) - 秋月型(乙型) - 島風(丙型) - 松型(丁型) |
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最終更新:2024/11/08(金) 12:00
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