武田信長(?~?)とは、室町時代に活躍した武将であり、上総武田氏の祖にあたる人物である。
下の名前のせいでなにかと有名な存在でもある。
甲斐守護・武田信満の次男で、武田信重の弟。おおよそ1390年ごろの生まれとされる。彼の初見は1416年に起きた上杉禅秀の乱であり、父、兄とともに鎌倉府と対立する禅秀方に参加。しかし鎌倉府側の勝利によって、甲斐に逃げ込んだものの、父は自害、兄は高野山へ逃走する結果になり、一人甲斐に取り残されてしまった。
その結果、新たな守護として幕府から派遣された叔父・穴山武田信元に協力し、鎌倉府と結んだ逸見有直と戦っていった。
1420年前後に武田信元が亡くなると、武田信長の嫡子である武田伊豆千代丸が養子として跡を継いだ。当然伊豆千代丸はまだ幼く、事実上甲斐は信長が治める状態になったのである。このため信長の系統が甲斐を治めることは、正当性を持ったものであると粉飾されていったようだ。しかしこの状況に対し幕府は高野山に逃れていた信長の兄・武田信重を信元の家督を継いだ甲斐守護として派遣する。一方鎌倉府も吉見伊予守、榎下上杉憲家、一色持家らを進軍させ、信長の支配は幕府、鎌倉府双方から認められないものであったようだ。
幕府は武田信長に、武田信重に協力するようにしたが、信長はこれを拒否。しかし二方面からの敵対に孤立し、1426年についに鎌倉府に降伏することとなった。こうしてある程度の勢力を維持しながらも、鎌倉府に従うことになったのである。
しかし、武田伊豆千代丸の補佐をしていた守護代の跡部氏は次第に従わなくなり、信長は鎌倉公方の足利持氏とも対立するようになる。1433年に信長は鎌倉から逐電し、信長率いる日一揆と跡部氏率いる輪宝一揆が抗争に突入。その結果信長が敗北し、駿河に退居。鎌倉府はこれを追討しようとするが、幕府はこれを認めず、駿河守護・今川範忠と結びついた信長はしばらく動向がわからなくなる。どうやらこの間、甲斐における跡部氏との抗争を断念し、浪人同然で奉公衆として室町幕府の扶持を得ていたようだ。
1438年、鎌倉府で永享の乱が勃発し、足利持氏追討のために派遣された、犬懸上杉教朝に武田信重が従う。こうしてようやく信重が甲斐に入国し、鎌倉府側の逸見氏と対立しながらも、跡部氏と協力し守護として活動を始めたようだ。だがこのころ武田信長はまだ動向がはっきりしない。
1440年の結城合戦でおよそ数年ぶりに武田信長は歴史の表舞台に登場する。斯波持種、四条上杉持房率いる幕府軍に従って下向し、結城合戦に参戦したようだ。しかし幕府軍が引き上げた後も信長は残り、足利成氏による鎌倉府復活によってその奉公衆となったようである。かつての幕府の奉公衆としての経験から、有力宿老の一人として活動し、すでに60代の信長は成氏から重用されたようである。
そして1454年に享徳の乱が勃発する。武田信長は一色直清とともに相模からの上杉軍に対する大将に任じられ、扇谷上杉持朝率いる上杉軍を打ち破っている。その後1456年以降上総に侵攻し、上総武田氏の成立の基盤を築いたようだ。……しかしこのころから動向がわからなくなり、死去も明らかではない。
武田信長のあとは嫡流の百首城主の系統ではなく、庶子の武田清嗣にはじまる真里谷武田氏が有力となる。真里谷武田氏は、下総千葉氏とともに鎌倉府に従って享徳の乱にあたり、長享の乱では古河公方支持する扇谷上杉氏に従い、公方・足利政氏とその嫡子・足利高基間に起きた永正の乱では政氏方についた。
真里谷武田氏からは佐貫武田氏、小田喜武田氏、などが分流していったが、長南武田氏がそのうち一歩抜きんでた存在となった。しかし、その後長南武田氏はあまり動向がはっきりしなくなるが(これまで長南武田氏の祖として武田清嗣と並び称されていた上総介は、実は千葉氏庶流の上総氏の人物で、近年長南武田氏の成立時期が下った)、時に真里谷武田氏と対立しながらも、上総の国衆として生き残っていったようだ。
やがて房総半島が北条氏と里見氏の抗争地帯になると、真里谷武田氏の家督争いがそれに連動し、小田喜武田氏、万喜武田氏、佐貫武田氏といった上総武田氏の一門全部を巻き込んだ内乱が勃発する。その結果真里谷武田氏は領国を維持することができず断絶してしまった。長南武田氏も北条氏の滅亡と歩みを同じくし、こうして上総武田氏は滅亡してしまったのである。
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6 ななしのよっしん
2022/11/09(水) 20:54:01 ID: zELB/SVRj4
この人の方が古い人物なんだが、如何せん織田信長と武田信玄が有名すぎるw
7 ななしのよっしん
2022/12/01(木) 02:54:08 ID: xDRSXxf4Oe
織田信長が上総介を名乗ってるのと
武田信長が上総を治めていることは全然関係ないんだけど
変な偶然感があるなw
8 ななしのよっしん
2024/09/15(日) 07:53:00 ID: srMjrgEnRr
なろうの小説とは言え、
武田信長の野望 ~滅亡して追放された武田信玄五代前の祖先は武田家を復興して大名に復帰するぞ!~って主人公の氏名からしてネタにしてくれと言わんばかり
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最終更新:2025/04/07(月) 10:00
最終更新:2025/04/07(月) 09:00
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