ある世界の住人が死後に別の世界(異世界)で生まれ変わり、新しく人生をやり直すというもの。転生後は赤ん坊から物語が始まる場合もあれば、ある程度成長した段階で前世を思い出して物語が始まる場合もある。また、転生先では異なる種族として生まれ変わったり、性転換していたり、果ては生き物ですら無いものになってしまったりする場合もある。異世界転生の中で神様が転生させた場合は神様転生と呼ばれている(詳しくは神様転生の記事を参照)。
転生前の記憶や技術・知識を活用するものもあるが、チート級の特性・数値補正などの転生特典を意図せず得ており発動によって騒動を巻き起こす場合もある。ただし異世界独自の物理法則や未知の動植物(モンスター等も含む)・物質・魔法、地理・歴史・派閥・情勢などそれらの解明が必要な場合も多い。
その他、転生ものの利点として転移ものにおけるよくあるツッコミ(現地人との言語の問題、異世界の常識に対する理解の問題、異世界での生活基盤)などをすべてスルーすることができる点がある。例えば言語の問題に関しては、「実際には異世界の言葉でしゃべっているが、読者に分かりやすいように日本語吹き替えされている」のような設定を通せる。転移ものと比べてのメリットデメリットの詳細については後述。
古くから存在するジャンルで、日本のアニメでも80年代後半で既に近い特徴を持った『New Story of Aura Battler DUNBINE』[1]が登場しているが、近年ではネット小説を中心に現代日本から異世界に行く作品が非常に多く作られ、転生後の世界は作者オリジナルの世界であったり、二次創作であれば既存の作品(漫画やアニメ、ゲームなど)の世界であったりする。日本の小説では『翔び去りしものの伝説』が先駆けと思われる。
出版科学研究所の調査によると、タイトルに「異世界」や「転生」という言葉を含む新刊書籍の点数は2014年は128点であったが、2017年には490点と3年間で約4倍にまで増えている(『日本経済新聞』2018.11.13 夕刊)。この数字はシリーズものを別々の書籍として扱ってしまってはいるが、タイトルに「異世界」や「転生」という言葉を含まない作品が多数あることを考慮すると、実態として「異世界転生もの」の点数はさらに多いと推測される。このような数値から見ても、「異世界転生」という言葉の浸透や「異世界転生もの」の市場規模拡大が急速であったということが見て取れる。
小説投稿サイトで有名な「小説家になろう」では、異世界転移の作品と共にランキングを占めてしまったため、ジャンルの再編成が行われた。
似たようなジャンルとして異世界転移、憑依があるが、異世界転移はある世界の住人が異世界に移動する事、憑依は異世界の人物に乗り移る事である。かなり大雑把に言うと
ただし憑依については、異世界に居た他の誰かの体を使う事になる作品であっても作者が「異世界転生」と分類しているケースも多く[2]、また「死を切っ掛けにして異世界に行くが、肉体の状態は死亡前のまま」といったケース[3]では作者により転生か転移のどちらに分類するか異なるなど、厳密に使い分けられているわけではない。
少し異なるが異世界ではなく、死亡後に同じ世界の誰かに憑依する作品も無いわけではない。
異世界転生と異世界転移はほぼ同じジャンルとして扱われがちだが、元の世界との向き合い方という点で違いが見られる。転移の場合は元の世界に帰ることを当面の目標としたり、少なくとも将来の選択肢の一つには入れているものが大半であるが、転生の場合は「前世は前世、今世は今世」と割り切ってしまっているものが多い。今世における新たな家族や友人の存在や、肉体的には既に別人なので帰ったところで元の生活には戻れないといった事情があるためである。
また、それ以外の転生と転移の違いでは、現代の便利グッズの持ち込みが可能かという点と、異世界の知識と生活基盤などの点で差がつけられる。転生では、現代の道具は持ち込めないが、赤ん坊から人生をやり直す中で異世界の言葉や知識を身に着けることができる。異世界人としてまっとうに生活できていたのであれば、その生活基盤を継続して利用できるため、物語序盤でのスムーズなスタートが切れる。転移では、現代の道具を持ち込めるが、異世界の知識や言葉を一から覚えなくてはならない。また、身一つでの転移の場合にはその日の食事や寝る場所に困るという状況に陥ってしまう。
まとめると、以下の表のようになる。
異世界転生 | 異世界転移 | |
---|---|---|
異世界の知識 | 〇 | × |
異世界の生活基盤 | 〇 | × |
現代の知識 | 〇 | 〇 |
現代の道具 | × | 〇 |
現代への帰還 | × | △ |
もちろんすべての異世界転生・異世界転移作品がこうなっているとは限らない。神様転生/神様転移の際にチートをもらってすべてを解決する作品もあるし、転生先が食物連鎖の下位に位置する弱小モンスターで何の異世界知識も持たず明日をも知れぬ命の状態で始まる作品もある。
転生なので異世界に行くには一度死ぬ必要があるが死因は様々で、事故に巻き込まれて死ぬ、誰かを守ろうとして死ぬ、社畜が過労死する・・・…など様々である。特にトラックに轢かれて転生する場合は「トラック転生」と呼ばれている。
夢半ばにして事故死・病死したり自身の無力を痛感しつつ死亡するなど、強い未練を死ぬ間際に感じたり「もしも~なら」と願って暗転…の後に転生する場合もある。
などがある。なお、転生と憑依は境界が曖昧な部分があるため、異世界憑依作品も含んでいる。
上記は主人公が異世界転生した作品群だが、主人公以外の人物が異世界転生している作品もある(盾の勇者の成り上がり、デスマーチからはじまる異世界狂想曲など)。
掲示板
1764 ななしのよっしん
2025/04/09(水) 21:40:29 ID: YT7UbUSfV4
死んだら転生してしまうという地獄に恐れを抱く主人公がいないのが本当に不思議だわ
たまには、反出生主義者の主人公が輪廻からの解放を目指すような、死生観や宗教観に踏み込んだ高尚な作品があってもいいと思うんだけどな
1765 ななしのよっしん
2025/04/10(木) 13:42:36 ID: SAj7C6lTZ5
>>1764
高尚かどうかは知らんが、「四度目は嫌な死属性魔術師」はそんな話だった気がする
現世も地獄、異世界転生後も神の手違いで地獄、からの再転生の物語
1766 ななしのよっしん
2025/04/11(金) 06:12:25 ID: P8ZziCvNtb
火の鳥を代表に異世界転生ブーム以前から不死・転生属性のキャラで散々触れられてて手垢ベタベタで、>>1765も挙げてるように別に異世界転生ものの中でも該当例はあるテーマだし
大概の主人公はまだ2度目・前世が早死に・別世界で新鮮と意識しない理由が揃ってる上に神様転生だと「特別にもう1回(暗に3度目はない通告)」と説明されがちだし
ものを知らずに印象と色眼鏡で自己完結してる感がすごい
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最終更新:2025/04/13(日) 22:00
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