be完了とは、英語史における用語である。be動詞を用いて完了相を表す形態のことをさす。
印欧祖語において、現在、完了、不定過去(アオリスト)の三相はゲルマン祖語に至るまでに現在(非過去)と過去の二時制にまで編成がなされた。
古英語においては、現代英語のbe動詞に相当するsindon動詞を用いて完了を表す方法が用いられており、特に、移動、変異の動詞に関してはその傾向が強く出ていた。
ところで古英語においては現代英語の「have+ (目的語)+(形容詞)」に相当する「 habban(現代英語haveに相当)+ (対格) + (他動詞過去分詞)」の形態があった。これ自体は現代英語との違いはないが、語順が比較的自由であった古英語においては、「habban + (過去分詞) + (対格)」という形態が8世紀に現れ始め古英語後期には一般化した。更には本来の用法が忘れられ、「habban+(過去分詞)」という塊が一つの用法を為す(文法化する)ようになり、中英語に入るまでに他動詞のみならず自動詞にもその用法を拡大していった。16世紀以降は、現代英語に連なる「過去と繋がる現在」という意味合いが強化されていくことになる。17世紀までに移動、変移以外の動詞はhaveによる完了形が使用されるようになる。
更に、移動、変移の動詞にbe完了が使われる傾向は18世紀まで続いたが、移動、変移の動詞によるbe完了も18世紀末までに"be gone"を除き漸減していった。
現代英語において、be完了は少なくとも文法としてはみなされず、せいぜいが下に挙げる例のように、形容詞やイディオムのように捉えられる程度である。
但し、ドイツ語では変移、移動の動詞にはbe動詞に相当するsein動詞を用いて完了を表す用法が保たれている。
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最終更新:2024/11/08(金) 20:00
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