私は、青空なんて信じない。
『Seraphic Blue』とは、天ぷら(榊本祐)氏によって制作されたRPGツクール2000製のフリーゲームである。通称「セラブル」。
ニコニコ動画では「セラフィックブルー」でタグ登録されている。→タグ検索「セラフィックブルー」
2004年5月15日公開。ジャンルはRPGで、天ぷら氏によるゲーム作品としては3作目となる。
(過去2作品『SACRED BLUE』『STARDUST BLUE』は公開を停止している為、入手は不可能)。
過去作とはストーリー上の繋がりは無いので単品で遊んで問題ない。
何は無くとも、標準クリアタイム50~55時間という長大なボリュームがまず特徴に挙げられる。
後述するが本作はストーリー主体のRPGであり、一般ゲーム機のいわゆる「RPG」と同様の構成を思い浮かべてもらってのこの数字である。
加えてツクール製ではあるが、メニュー画面や戦闘などのシステム面はほぼ全て自作である。
フリー素材の活用に加え作中のイラストや翻訳などで有志の手を借りてはいるものの、個人製作レベルでここまで作り込んだゲームは非常に少ない。
フリーゲームの本気とでもいったところである。時間のあるときにどうぞ。
長い映画を見ているような本格派のストーリー構成と、100枚を軽く超える一枚絵、擬似的な動画なども使った美麗な演出も特徴。
オープニングから最初の戦闘まで30分など1回1回のイベントが長い構成、そこかしこに出てくる「屠る」「暗澹」などの漢字語や「此処」「心算」「呉れる」などの漢字表現には面食らう人もそれなりに居るが、それに慣れてしまえば本作の舞台設定は奥深い。
(なお、漢字表現自体は少々読めなくても物語の解釈に大した支障はない。読めるに越したことはないが)
フリーゲームだけに一般のコンシューマーゲームには見られない表現も多く、暗い場面やショッキングな場面も多々見受けられる。
ただし重い暗いで陰鬱なだけのストーリーかというとそうでもなく、ユーモアのあるセリフや熱い展開も多数あり、キャラクターを立たせている。
序盤では難解な表現やプレイヤーの知らない単語が使われた「?」な場面もやや見られるが(だいたいオーファとエルのせい)、伏線が中盤~終盤、一気に回収され謎が解けていく展開は非常に魅力的である。
世界観はSF的な要素が多く、ゼノギアスに近いかもしれない。
戦闘もよく練られており、戦略性の高い戦いを楽しめる。バトルバランスはやや難しめで、システムを理解していないと先へは進めない。
少々初見殺し的な要素もあるが、全滅したら装備や戦法を工夫してもう一度挑むということができるように作られている。
なお、進行はほぼ完全な一本道。ごく僅かサブイベントがあるくらいで、隠しダンジョンや裏ボスの類も存在しない。
(過去作はむしろそういうお遊び要素が多分に含まれていたのだが、今作ではあえてこういう作りになっている)
セリフ回しや演出を中心に好みが分かれる要素も極めて強いが、最後までやれば何かが心を打つこと間違いなしの傑作である。
基本戦闘システム
敵味方それぞれにWT(ウェイトタイム、待機時間)が設定されており、AGL(素早さ)に応じてWTが減っていく。
WTが0以下になったキャラは行動でき、行動内容に応じてまた新たなWTが蓄積される(リアルタイム戦闘ではなく、コマンド選択中はWTは減らない)。
有名どころだと『ファイナルファンタジーX』のカウントタイムバトル(CTB)によく似ているので、そちらを想像してもらえると分かりやすい。
ただし画面には行動が回ってくる順番ではなく、残りWTが表示されている。
FE(フィールドエレメント)
「場の属性」の名前通り、フィールドに属性が蓄積されるシステム。
画面右下に「○○○○○」と5つの玉が並んでおり、これが変色することで属性の蓄積が表現される。
炎属性の技を使ったならフィールドが炎属性を帯び、風属性の技を使ったならフィールドが風属性を帯びる。ただし、炎⇔水といった反対の属性同士は互いに相殺する。
敵味方ともに一部の強力な物理・魔法攻撃はこのFEを消費しないと使用できない。
本作には、Vectorに登録されている元々のバージョン(通常版)と、2006年11月に作者ブログ上で公開されたディレクターズカット版が存在する(現在はブログサービスのMaglogが終了し、一般サイトでの代理公開も終了したため正規の方法では入手不可能)。
違いは大きく以下の通り。
弱キャラが救済されたり空気ボスがそれなりに印象に残る敵になったりとおおむね好意的に受け止められているが、
BGMの変更については選曲の面で少々賛否両論である(戦闘曲のいくつかが正統派のものからテクノ系に変わっているなど)。
どちらかと言えばディレクターズカット版が薦められることが多いが、通常版の良さも複数あるので基本的には好みの範疇。
海外サイト「RPGMaker.net」(英語圏のRPGツクール作品紹介サイト)では、作者の天ぷら氏から許諾を得て翻訳された英語版が公開されている。
本作を最後まで遊んだプレイヤーであれば、全ゲーム作品でも稀なテキスト量と一部の難解な台詞を訳すのがどれだけ大変かは容易に想像できるだろう。
というか本当にお疲れ様です。
他に有志による通常版を元にした改造版も存在するが、非公式であり趣が異なるので詳しくは書かない。
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掲示板
195 ななしのよっしん
2024/05/15(水) 19:58:55 ID: vNwWgVE6nb
今日で20周年
改めて見るとガチで今やっても(シナリオは)全く古さを感じないゲームだわ
女性キャラが全体的にちゃんと自立性があって置物に全くなってない(別にフェミニズム的ではなくて男もカッコいい)
死生観に至ってはむしろ時代が追い付いた感すらあるし、反出生主義の話も決して押しつけがましくなく描かれてる
196 しんぱいお
2024/09/03(火) 02:46:44 ID: LS8uHjzyrT
作者はセラブルのテーマに人生をかけていたのか
時流に乗っていただけなのか
サドマイは時代の流れの早さについて来れなかったのか
個人製作では限界がある
197 ななしのよっしん
2025/03/15(土) 22:03:46 ID: dGfyAPQyRD
ゲーム会社に就職した天ぷら氏はもう業界から足を洗ってしまったんだろうか
今思い返しても当時20歳ちょい過ぎの大学生がこんな時代を先取りしたテーマをRPGのシナリオとして扱ったのが信じられん
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最終更新:2025/03/23(日) 20:00
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