おやしお型潜水艦とは海上自衛隊が保有する通常動力型潜水艦である。11隻建造された。
なお海上自衛隊にはかつておやしおという名の潜水艦が存在したが、こちらは同型艦は無く退役済みである。
前級はるしお型に続き開発された通常動力型潜水艦である。
それまで海上自衛隊の潜水艦は、戦後アメリカから供与されたバーベル級潜水艦の設計資料を参考に涙滴型完全複殻式の船体を採用していた。それらをおやしお型では一新し、葉巻型部分複殻式の船体を採用している。
これにより同じ全長全高でも内部容積が大きくとれるために居住性の改善の他、静粛化や各種機器の搭載が可能となっている反面、それまでの複格式と比較し防御力などはある程度トレードオフしている可能性がある。
またセイルは単純な塔型ではなく斜めに傾けられ、船体ともども対ソナーステルスを意識しているとされる
ソナーは船首にドーム型のコンフォーマル式の他、直線的になり面積が増えた船体を生かし側面にも巨大なコンフォーマル式のソナーが装備されており、これにより低周波音の感知能力の向上や艦のの変針なしでの音源の方位特定が可能となっている。この他に曳航式ソナーや逆探ソナーなどを備える。
これら複数のソナーは全て統合制御され、情報表示も一元化されているなど大幅に自動化がなされている。これにより優れた多目標同時対処能力、対妨害能力を持つという。
なお、艦首ソナーはそれまで王冠状の形のものを採用していたが、おやしお型以降は性能向上のためコンフォーマル式のものを採用している。
武装は水圧発射式533mm魚雷発射管6門。搭載兵装は89式魚雷と潜水艦発射式ハープーン対艦ミサイルの他、自走機雷やデコイなど。
ちなみに艦首ソナーがコンフォーマル式になった都合上それまでと違い艦首上方にスペースがあるため、はるしお型が船体側面に魚雷発射管を装備していたところおやしお型以降は艦首上方に2段4列並べて魚雷発射管を装備している。
潜水艦の肝といえる静粛性確保には最大限の努力がなされており、船体の主要部(船体全てではなく上部等を除く)には吸音材が張られている。しかし吸音材は他国では接着剤による貼り付けが主流であるのに対し、ボルト止めとなっている。この点は次級のそうりゅう型潜水艦も同様である。
このほか前級はるしお型までで培ってきた制振機構の多重化や機関の静粛化、ハイスキュードプロペラの採用などといった静粛化技術により、おやしお型は乗員が艦の増速に気づかないレベルにまで達しているという。
この他に艦の運行についても自動化が推し進められており、操舵はそれまで2名必要だったのがワンマンに、注排水システムの自動化、シュノーケル操作の遠隔化などが行われ、はるしお型より5名少ない70名での運用となっている。
このようにおやしお型はそれまで海上自衛隊が保有してきた潜水艦と比べ多くの新技術や設計変更が行われており、設計に携わった技術者が「在来型潜水艦の技術は一応の到達感を得られた」と述べていることからもその様が伺える。
平成25(2013)年12月に発表された「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について」によって、海上自衛隊の潜水艦はこれまでの16隻体制から22隻体制に増強することが決定している(練習艦は含まない)。[1]おやしお型は建造された11隻全てが現役だが、寿命16年の想定で建造されているため、今後寿命を延長するための改修が行われるはずである。
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最終更新:2025/12/06(土) 09:00
最終更新:2025/12/06(土) 09:00
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