お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件とは (オトナリノテンシサマニイツノマニカダメニンゲンニサレテイタケンとは) [単語記事]

もどかしく、焦れったい。
愛おしい二人の歩み寄り――

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件とは、佐伯さんによるライトノベルである。
イラストは和武はざの(1巻)、はねこと(2巻以降)。

概要

「小説家になろう」で2018年より連載され、その後2019年にGA文庫より書籍化された作品。生活能力皆無で自堕落な生活を送っている男子高校生・藤宮周と、その隣人・椎名真昼の恋模様を描いたラブコメである。二人の関係の変化や甘くじれったい恋模様が丁寧に描写されており、保護者のような気持ちになること請け合いである。

あらすじ

藤宮周の住むマンションの隣には、学校で一番の美少女・椎名真昼が住んでいる。
特に関わり合いのなかった二人だが、雨の中ずぶ濡れになった彼女に傘を貸したことから、不思議な交流が始まった。自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて、食事をつくり、部屋を掃除し、なにかと世話を焼く真昼。
家族の繋がりに飢え、次第に心を開いて甘えるようになる真昼と、彼女からの好意に自信を持ちきれない周。素直でないながらも、二人は少しずつ距離を縮めていく・・・
「小説家になろう」で絶大な支持を集める、素っ気なくも可愛い隣人との
甘く焦れったい恋の物語。

※GA文庫特設サイトから引用

登場人物

藤宮周(ふじみやあまね)
主人公。地元を離れマンションで一人暮らしをしている、少々地味で野暮ったい雰囲気の高校一年生。かつて信頼していた人に裏切られた経験から、必要以上に他人と関わろうとせず友人も少ない。自分に自信がなく、何かと自分を卑下しがちな所がある。生活能力は皆無で、生活空間はいわゆる「汚部屋」状態である(後に真昼の助力で改善)。これらの理由から周囲からは陰キャと見られる事が多かった。
実際には他人を思いやれる優しい心の持ち主で、少々口が悪いものの態度は紳士的。当初はマイナスイメージを持っていたが、実際に接した結果認識を改める者も多い。また、お洒落に無頓着なだけで容姿自体は悪くなく、外行きの格好に整えるとガラリと印象が変わる。授業の復習を欠かさないため成績はよく、真昼程ではないがテストでは上位をキープしている。
ある雨の日、公園で傘も持たずにずぶ濡れになっていた真昼を見かねて傘を貸した事がきっかけで、彼女との交流が始まる。小言を言い何かと世話を焼く真昼とは最初こそ衝突するが、徐々に信頼を寄せ甘えるようになる真昼を異性として意識していく。そして、彼女の隣に立つのに相応しい人間になるため、少しずつ努力を重ねていく。
椎名真昼(しいなまひる)
ヒロイン。周の隣人で、彼と同じく一人暮らし。周囲から「天使様」と呼ばれている学校一の美少女で、亜麻色のロングヘアとカラメル色の瞳が特徴。体格はやや小柄だがスタイルは非常に良い。テストでは常に一位、部活には所属していないものの運動も得意。更には家事全般も完璧にこなす。このように非の打ち所がない完璧超人に見えるが、それは本人のたゆまぬ努力による所が大きい。
その一方で家庭環境は冷え切っており、親からの愛情を受けられずに育った(母親からは要らない子とまで言われている)。上記の努力も親に少しでも振り向いて欲しいためだが、それが報われる事はなかった。そのため家族というものに飢えている。
周から借りた傘を返しに彼の部屋を訪れた際、あまりの惨状を見かねて何かと彼の世話を焼くようになる。周とその家族・友人との交流は冷え切った心を溶かしてゆき、「天使様」ではなく椎名真昼という一人の女の子として接してくれる彼に少しずつ惹かれていく。
赤澤樹(あかざわいつき)
周の友人。恋人の千歳をちぃと呼んで溺愛しているが、その事で父親との折り合いが悪く、しょっちゅう反発している模様。勘が鋭く周と真昼の恋模様にもいち早く気づいており、時折からかいつつも友人として見守っている。
白河千歳(しらかわちとせ)
周の友人で、樹の恋人。明るく溌剌としたスレンダー体型のボーイッシュな少女で、体を動かすことが好き。料理の際に妙なアレンジや変な物を加えようとするきらいがある。クリスマスに樹と共に周の部屋に遊びに来た際、真昼が周の隣人であることを知る。以後は彼女の良き友人となり、勉強を教わったり恋愛相談に乗ったりしている。
門脇優太(かどわきゆうた)
樹の友人で、1年生ながら陸上部のエースを務める、運動神経抜群の爽やかな少年。女子からの人気が非常に高い。バレンタインに大量のチョコを貰って途方に暮れていた所を周に助けられた事がきっかけで彼と親しくなる。