たのしい静岡の旅 単語


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たのしい静岡の旅
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たのしい静岡の旅とは、上記コピペの通称、転じてJR東海道本線の静岡県区間を旅することである。

※スマートフォンではコピペの横スクロール可能。
 全体を1画面で見たい人は、横画面表示での閲覧推奨。

概要

東海道線の静岡県区間には快速がほとんどなく、全区間を乗り通す場合、上のコピペのように各駅に停まる普通列車に3時間程度乗り続けなければならず、これを苦痛に感じる人がいる。

このような状況は中央本線や東北本線、山陽本線などのほかの区間でも珍しくはないが、静岡県に関しては新幹線に使用できない青春18きっぷ等を利用した関東~中京・関西間の利用者が多いことから言及されやすい。

列車の長さはおおむね3両~6両が中心で、稀に東京から沼津まで乗り入れる10両の列車、名古屋から浜松まで乗り入れる8両の列車が走っている。

熱海~新所原の全区間を通して運行する普通列車はほとんどなく、熱海、沼津、興津、静岡、島田、掛川、浜松などで乗り換えが発生する。

ちなみに愛知県の二川駅・豊橋駅までの区間も静岡県側と一体化して運行されており、実質的にはたのしい静岡の旅の一部として扱われることもある。一方で、東の湯河原~熱海の区間については静岡県と神奈川県の区間を両方含むが、東京から来るJR東日本の列車がほぼ全てを占めるため、たのしい静岡の旅の区間には入れないことが多い。

路線の概略について知りたい人は「東海道本線(静岡地区)」の記事を参照。

普通列車以外の種別について

一応快速もなくはない。ただ、三島駅に着いた下り最終こだまから接続する、金曜日や土曜日等の深夜に走る三島→静岡の1本だけなので、使う機会はほとんどないと思われる。

他には通勤時間帯に運行される追加料金ありの「ホームライナー」がある。稀にこのホームライナーが、ダイヤ乱れにより追加料金不要の快速に種別変更される場合もある。

ほかに豊橋~浜松の間では名古屋方面からの快速列車の一部が乗り入れるが、全ての列車がこの区間は各駅停車で運行される。

特急は「ふじかわ(静岡~富士)」「踊り子(熱海~三島)」で、静岡県内の東海道線では部分的な運行が中心。寝台特急のサンライズ出雲・瀬戸もあるが、運行は深夜帯で浜松は下りのみの停車なので、県内移動での使い勝手はそれほど良くない。過去には「東海」や「ムーンライトながら」などもあったが、廃止されている。

それほどでもないのでは?という意見

このように全区間乗り通しで行くと不便に感じる人が多い静岡県区間ではあるが、

  • どの駅でも毎時3本~6本の列車が確保
  • 毎時2~3本ある新幹線が並行
  • トイレありの車両の整備が進みつつある
  • トイレがない車両に乗っても駅で降りれば必ずトイレがある
  • 途中下車するとほとんどの駅の周辺に何らかの食事処がある

等の条件は他の路線よりも良く、「静岡県は大して苦痛ではない」とする意見もある。

かつては風景が楽しみづらい、もたれて寝ることができないと言われるロングシートの車両を中心に運行されており、それを嫌う声もあったが、逆に「出入りしやすい/混みづらいロングシートのほうが好み」とする声もある。また、2022年には名古屋周辺でセントラルライナー等に使われていた転換クロスシートの車両「313系8000番台(銀色とオレンジ色の列車)」も導入されている。

なぜ快速列車がないのか?

快速がない理由については下記のように推測されている。

  • 競合する交通機関がなく、速達性を意識する必要がない
    • 鉄道で並行しているのは静岡~清水の静岡鉄道程度。そちらは地元密着型、停車駅多めで総延長も短く、速達性はそれほど意識していない。
      富士市の岳南鉄道(吉原~岳南江尾)は路線図では並行しているようにも見えるが、海岸近くを通る東海道線とは異なり、富士市吉原の中心商店街や富士山の麓の地域圏を結ぶ路線でありほとんど競合していない。県西部の天竜浜名湖鉄道は掛川から新所原までを結ぶが、大回りで時間がかかる。
      あとは郊外の東名高速のバス停を結ぶ高速バスや、速達性・運行距離では劣る路線バスが並行するぐらいであり、静岡県の東西の都市間公共交通については東海道線・新幹線が圧倒的な優位に立っている。
  • 10駅以上をまたぐ地元利用者の東海道線での移動はそれほど多くない
    • 通勤圏が大きく西部(浜松市、掛川市)・中部(静岡市)・東部(富士市と、沼津市+三島市)で分かれており、長距離を移動する人は少ない。それをまたぐ移動になる場合は後述するように新幹線を利用する地元民も多く、快速はあまり求められていない。
  • 駅間がもともと長く、速度も他と比べればそれほど遅くない
    • 駅間距離は平均3km程度で、静岡区間の普通列車の平均速度は時速60km台であり、普通列車としては速め。東京・神奈川区間の東海道線よりも平均速度が速い場合もある。
  • どの駅にも利用需要が一定程度あり、差が少なく通過駅を決めづらい
    • 例えば清水~静岡~島田間の間では比較的人口規模の大きな地方都市が連続し、用宗駅・六合駅を除いてどの駅も概ね5000人以上の乗車人員がある[1]。また、浜松~豊橋間では弁天島駅を除いて乗車人員がどの駅も2000~4000人程度である。このような区間に快速を設定しても停車駅が多くなってしまう。
      これ以外にも、他の鉄道との乗換駅となっている吉原駅・金谷駅、観光需要がある弁天島駅などもあり、通過駅に設定してしまうと地元からの批判を受ける可能性も高い。
  • (特に中部~西部の場合)快速を設定しても大して時間短縮にならない
    • 静岡~浜松間の普通列車は70分程度なのに対し、間の停車駅を6つに絞ったホームライナーは60分ほどであり、10分程度しか違わない。快速を作ったところで大して変わらない可能性もある。
  • 地元利用者からすれば、急いでいるときや長距離の移動のときは新幹線の利用で十分である
    • こだまの自由席は両数が多くほとんどの場合座れるうえ、ラッシュや繁忙期でなければ空席も多いためのんびりできる。追加でかかる特急券の料金も、静岡~浜松や静岡~三島の乗車であれば自由席なら1000円以内に収められる。のぞみ等の通過待ちがあるこだまに乗っても、上記区間の乗車時間は概ね30分以内であり速達性に優れるため、やはり新幹線を利用する人が多い。

実際、過去には今よりも本数が多い快速(1970年代)や通勤快速(1990~2000年代)が設定されていたが、上記の背景により「停車駅が増えて普通列車と差がなくなる」「利用者が少ない」などで苦戦し、最終的には廃止されている。

静岡区間が苦痛に感じるのは、結局のところ「静岡県の区間が物理的に長く、どうしても駅数と駅間距離・時間が多くなってしまう」ということに起因する部分が多い。

たのしい静岡の旅を楽しむ工夫

たのしい静岡の旅を行う際は、以下のような工夫をするといいかもしれない。

  • 静岡をいくつかの地域に分割して考える
    • 静岡はもともと「伊豆国」「駿河国」「遠江国」に分かれていた地域が1つになっているので、分割して考えたほうがいい。実際、「富士山」「製紙工場」「富士川」「駿河湾」「静岡の街」「安倍川」「大井川」「茶畑」「エコパスタジアム」「天竜川」「浜松の街」「浜名湖」など目印があるので、そのあたりをチェックポイントにするといいかもしれない。
  • 途中で降りて静岡を観光する
    • 息抜きに駅で降りて観光するのも一手である。以下に駅から歩いて20分以内の主要観光地を並べる。少し距離があるものや興味が分かれるものも含むので、詳細は各自で調べてほしい。
      三島駅 楽寿園・源兵衛川、三嶋大社
      吉原駅 富士と港の見える公園
      清水駅 ちびまる子ちゃんランド
      草薙駅 静岡県立美術館
      静岡駅 駿府城公園、呉服町商店街
      焼津駅 焼津小泉八雲記念館
      島田駅 蓬莱橋
      金谷駅 旧東海道石畳
      掛川駅 掛川城、掛川花鳥園
      浜松駅 浜松楽器博物館、浜松城公園
      高塚駅 スズキ歴史館
      舞阪駅 旧東海道舞坂宿松並木
      弁天島駅 弁天島海浜公園
      新居町駅 新居関所跡
    • 上記以外にももちろん観光地があるので、他の交通機関などを使って遠くの観光地へもみるといいかもしれない。
      なお、炭焼きレストランさわやかに行く場合はお昼時を避けて、西焼津駅、天竜川駅、高塚駅から少し歩いたところにあるさわやかに行くのがおすすめである。静岡駅・浜松駅前にもあるが、比較的混雑が激しく待たされることが多い。
  • ホームライナーを利用する
    • 時間が合えばホームライナーを使ってみるのもいいかもしれない。ホームで乗車整理券を購入する必要があるが、それほど高くはない(2022年時点で330円)。

 

…とはいっても、何度もこの区間を使っているとさすがに飽きてきたり時間の制約を負担に感じたりするので、元も子もないように聞こえるが「最初から新幹線に乗る」ことも視野に入れてもいいかもしれない。

関連動画

関連静画

関連リンク

関連項目

  • 東海道本線(静岡地区)
    • JR静岡
  • 静岡県
  • 青春18きっぷ
  • ホームライナー

脚注

  1. *乗車人員データは静岡県統計年鑑より2019年。以下同じ。
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