アフガニスタンとは (アフガニスタンとは) [単語記事]

アフガニスタンとは、現代の魔窟である。

概要

アフガニスタンはアフガンとも呼ばれ、古代から中央アジアの交通路でインドの入り口であった。シルクロードの南ルートを使う場合、交通可能なのがカイバル峠だけであるため、中央アジア⇔中東を移動するためにはこのアフガニスタン地域を通らざるを得なかったのである。

そのため、多くの民族がこの地域に侵入し国を建てた。しかしひとたび建国しても次から次へと異民族がやってくるため、有史以来出来ては滅び出来ては滅びを繰り返した。

これは近代以降にも変わらず、イギリス、ロシア（ソ連）、アメリカと近現代の大国が侵入する。

イギリスは三度アフガン戦争を起こしたが、ことごとく苦戦した。一時は首都カブールを占領したもののその後すぐに英領インド軍カブール駐屯軍とその家族ら一般人約１万五千人が全滅し、生存者が一名という失態を演じた。

ソ連は1979～1989年まで軍事介入をする。ソ連は最大で十万強の兵力を投入したがソ連側の死傷者は９万人であり

うち戦死者は１万五千である。ソ連はかつてのベトナム戦争でのアメリカの教訓からヘリボーン作戦を実施するが、アメリカがアフガンのムジャーヒディーンにスティンガー地対空ミサイルを供与したため苦戦することとなった。

そして、アメリカである。2001年からの戦闘でアフガン正規軍、NATO軍、アメリカ軍合わせて十万弱展開しているが

この数年は治安は回復していないどころか悪化してる地域もあり、国連職員や国境なき医師団などNPOやNGOなどの

誘拐・殺人が起きているのが現状である。

国家構成

パシュトゥーン人(パターン人)、タジク人、ハザラ人、クチ人、アイマク人、ペルシア人、パルチ人、ウズベク人、トルクメン人など。人口は3000万人に満たないが、これでも冷戦時代に比べれば1000万人以上増えている。実際には民族ごとに住み分けがされているため、「統一国家」の雰囲気はあまり無い。

宗教はイスラム教ではあるが、スンナ派8割シーア派2割で対立があり、近年はここに第三勢力であるイスラム原理主義が加わっている。

国土のほとんどが山岳地帯で産業が発達せず、古来よりある産業といえば遊牧が関の山である。近年は苛酷な環境でも育つケシが麻薬原料として栽培されることも多いようだ。

民族の長はハーン(チンギス・ハーンのあのハーンと同じ意味)と呼ばれる。その下に部族の長が居りマリク(中東方面の言葉で「王」、「長」などの意)と呼ばれる。また民族的な権力者とは別に宗教指導者も居りムッラーと呼ばれる。このように権力構造も国家、民族、宗教でバラバラになっており、国家がYESと言っても民族がNOと言ったり、民族と宗教がOKを出したのに国家がＮＧを出すなど、かなりのカオスとなっている。