イザーク・フェルナンド・フォン・トゥルナイゼン(Isaac Fernand von Turneisen)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。CV.大滝進矢。
銀河帝国軍人。ラインハルト直属の分艦隊司令官の一人で、艦隊旗艦は<テオドリクス>。
ラインハルトと同い年の若い軍人で、OVAでは灰色の髪に自信が溢れた表情が特徴な青年軍人として描かれる。
「フォン」の称号を持つ家の出ながら持ち前の才能と先見の明で頭角を現したが、自身の能力への過信と自己顕示欲、そして同い年の覇者に対する過剰な意識によって自ら栄達の道を失わせしめる結果となった。
トゥルナイゼンは軍幼年学校ではラインハルトと同窓であり、首席こそラインハルトが独占していたものの、それを追う優秀な成績で卒業した。その後ラインハルトと違い士官学校に進んだが、彼はあえて中途退学の道を選び、ラインハルト同様に前線に出て武勲を重ねた。
帝国暦488年、リップシュタット戦役が勃発すると、彼は同窓の貴族将校がこぞって貴族連合に参加するのを尻目にラインハルト側に立つことを選んだ。彼の慧眼は正しく、カール・グスタフ・ケンプの指揮下でリップシュタット戦役に勝利した彼は中将としてラインハルト直属艦隊の司令官の一人に抜擢される。
489年、「神々の黄昏」作戦の発動によりラインハルトとともにフェザーンへと降り立ち、翌490年の新年パーティーにも参加。原作ではこのパーティーが実質的な初登場(それ以前に「神々の黄昏」作戦の説明時に名前が登場、OVAではガイエスブルグ要塞移動実験に向けたケンプ、ミュラー両艦隊の出撃時に姿を見せる)となる。
バーミリオン会戦においては縦深陣の第二陣を任された。しかし、トゥルナイゼンは血気に逸って前進を命じ、ヤン艦隊と帝国軍第一陣が衝突せんとしていたところに後背から殺到して最前線に大混乱を招くことになる。ラインハルトの直接命令によってトゥルナイゼン艦隊自体はどうにか後退したものの、その混乱はラインハルトの壮大な戦略そのものを危うくしかねない大きな失敗であり、事実ヤンはそれを巧みに利用して帝国軍の前方部隊を撃破した。
その後、縦深陣に感づいたヤンが後退して戦力を再編して陽動に出ると、トゥルナイゼンもそのラインハルトの主力艦隊の一員として陽動部隊(帝国軍はヤン艦隊本隊と考えていた)を攻撃する陣列に加わり、結果ヤンの構築した巧妙な陥穽に落ち込み包囲殲滅の危機に瀕したが、幸いにも戦死・戦傷ともに免れて停戦を迎えた。
能力に見合わない大言壮語やバーミリオン緒戦における不手際などから新王朝成立以後は閑職に回され、登場しない。ただし後に大将の一人として「精彩を欠く」という形で名前が出ており、バーミリオンで敗戦した同僚と同等に昇進を果たしたと思われる。
自己過信や戦乱の時代の終焉への焦り、大言壮語癖やラインハルトへの過剰な意識など欠点は多いが、任官後指揮官としてもまた作戦参謀としても武勲を立てたとあり、軍人としての指揮能力は基本的に優秀といえる。
実際、バーミリオン会戦最終局面ではウェルナー・アルトリンゲン、ロルフ・オットー・ブラウヒッチといった他の指揮官の部隊が「軍隊の残骸」にまで落ち込み、グリューネマンも負傷して参謀長が指揮を代行している中で、「防御だけで手いっぱい」ながらもカルナップと並んで戦線を維持し続けた点には見るべきものがある。またラインハルトも彼の能力をある程度信頼していたようで、輸送船団護衛を指揮していたゾンバルト少将の救援に駆けつけるよう命じられたのもトゥルナイゼンだった。
しかしやはり彼が後の七元帥クラスに劣るのは戦略面での軽率さで、ヤン艦隊の蠢動にパターンを見出そうとする言動などはビッテンフェルト上級大将にばかにされる結果となってしまっている。
その他、彼の優秀さとして目立つものとしてはその先見の明がある。
貴族出身でありながら士官学校を中途退学という思い切った行動で前線に出る、リップシュタット戦役で(幼年学校の貴族生徒の中では嫌われ者だったはずの)ラインハルトに味方する、という選択をあえて取ったその器量は、彼の能力を評価するのに見落すべからざる部分である。
やはり自己過信と大言壮語の欠点は大きく、バーミリオンでの不手際の後の評価は散々なものである。
パウル・フォン・オーベルシュタインの「声は遠くにとどくのに、目はちかくのものしか見えない。忌避すべき輩ですな」という評はそれを如実に表しているといえるだろう。
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最終更新:2025/12/10(水) 09:00
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