エアロエース 単語


ニコニコ動画でエアロエースの動画を見に行く

エアロエース

5.3千文字の記事
これはリビジョン 2489978 の記事です。
内容が古い・もしくは誤っている可能性があります。
最新版をみる

エアロエースとは三菱ふそうトラック・バスが発売する大型ハイデッカー観光バスである。この記事ではエアロエースの前身であるエアロバス、エアロバスMM、エアロクィーンについても記載。

概要

2007年8月に従来のエアロバスをフルモデルチェンジする形で販売を開始した大型ハイデッカー観光バス。姉妹車種としてスーパーハイデッカーのエアロクィーン、エアロエースの車体長を9mに短縮したエアロエースショートタイプMMがある。いずれもフロントマスクはほぼ同じ。

初代エアロバス

1982年発売。イタリア人デザイナーのアルド・セッサーノが基本デザインを手がけ、モノコック車体とスケルトン車体の長所を組み合わせた”スーパー・コンプ・ストラクチャー”工法が生み出す秀逸なスタイリングと前輪独立懸架サスペンション、高出力エンジンなどが全国の事業者に大ヒットした。

P-MS7系

1982年秋に従来のMS6系をフルモデルチェンジ。新たにエアロバスと命名した。昭和58年排ガス規制適合。

三菱自工(大江工場)製のハイデッカ、スタンダード(ミドル)デッカーが標準だが、新呉羽製のサンシャインデッカ、エアロキングに似た車体のエアロクィーンK、改造扱いで前輪後ろから車高を高めたスーパーエアロI・段差のない屋根でエアロクィーンWの原型となるスーパーエアロIIも用意された。

エンジンはMS6系に搭載された8DC8と8DC9を更にパワーアップしたものを搭載。更にパワー厨高出力を求めるユーザー向けにターボチャージャー付も用意された。

P-MS735SA

1984年から86年にかけて合計16台が日本国有鉄道自動車局に納車された車両。いわゆる「国鉄専用型式」の最終車両で、ターボ付き8DC9型エンジンやフルエアブレーキの搭載、富士重工業製ボディの架装が大きな特徴。

国鉄最後の特注車であると同時に、国鉄最初のハイデッカー車だった。東名ハイウェイバス、名神ハイウェイバスで使われ、2000年に全廃された。

U-MS7系

平成元年排ガス規制に伴い、1990年にマイナーチェンジ。スタイルはほぼ先代のP-MS7系とほぼ共通。

エンジンは8DC9と8DC10を搭載。1992年には一部改良によってABSを搭載した。エアロクィーンと同じエンジンをエアロバスのシャシーに搭載した強馬力仕様のモデルのMS729系もパワー厨高出力を求めるユーザー向けに用意されたが、製造台数は少ない。

初代エアロクィーン

エアロクィーンW(P-MU5/U-MU5系)

1985年、エアロキングにやや遅れて追加された後輪2軸のスーパーハイデッカー車。後輪が2軸に増えた分架装重量にゆとりが生まれたことから、豪華仕様の観光バス、国鉄バスの夜行高速バス「ドリーム号」などに使われた。

エアロクィーンM/MV(P-MS7/U-MS7系)

1988年、初代エアロバスシリーズの追加モデルとしてエアロクィーンMが登場。丁度この時期は観光バスのハイグレード化・高速バス開設ブームが起きており、それまで三菱ふそう車の導入実績がなかった会社も含めて、非常に多くの会社で導入された。

1989年、低運転台でフロントガラスが分割されたエアロクィーンMVが登場。こちらは高速バスでの導入例がほぼないため、製造台数が少ない。

ニューエアロバス・ニューエアロクィーン

1992年10月エアロバスシリーズの観光・高速系がフルモデルチェンジされて登場。この代より三菱自工と新呉羽製車体の設計が統一され、スーパーハイデッカーはフロントガラスが1枚のエアロクィーンIと、エアロクィーンMV・エアロクィーンKに代わる低運転台仕様のエアロクィーンIIの2モデルが設定され、翌年にはアンダーフロアコクピット構造のエアロクィーンIIIが追加された。

車体デザインは初代の流れをくみながら、より洗練されたスタイルとなった。

全シリーズに共通する特徴として以下のものがある。

  • ボディスタイルは三菱自工と新呉羽で共通
  • 前照灯は廉価版を除きプロジェクターヘッドランプ
  • サスペンションは独立懸架式と車軸懸架式の2種類を用意。4輪電子制御サスペンションを導入し、より乗心地を向上
  • 全長そのままに、ホイールベースを短縮
  • 低出力車以外はパワータードブレーキやホイールパーク式駐車ブレーキを装備

U-MS8系

1992年登場。登場時のキャッチコピーは「バス・ルネッサンス」。

標準床・前輪車軸懸架、出力300馬力の8DC9エンジンを搭載するMS815、出力335馬力の8DC10エンジンを搭載するMS826、出力400馬力の8M20-1エンジンを搭載するMS821の3種類がラインナップされた。

ホイールベースは長尺と短尺の2種類が用意された。

エアロクィーンIIの中に1台だけエアロクィーンIIIと同等の車体を架装した車両が存在する。

KC-MS8系

1995年、より強化された排ガス規制へ適合するためマイナーチェンジを実施。先代に比べてエンジン出力が向上したが、ラインナップは同じ。なおU-代では対応していた富士重工業ボディの架装はこのモデルを最後に中止されている。

1997年には衝撃吸収式ステアリングを採用、1998年にはボディの製造元が三菱自動車バス製造へ一本化された。更に1999年にもマイナーチェンジが行われ、前照灯がディスチャージランプに変更されマフラーの位置も変化した。

この代のエアロクィーンには機械式ATのINOMATを搭載した車両が存在している。

KL-MS8系

2000年に強化された排ガス規制に対応するためマイナーチェンジ。外観はKC-代とほとんど変わらないが、廉価版が廃止され、全車のヘッドランプにプロジェクター式を採用。更に全車フルエアブレーキ・ホイールパーク式駐車ブレーキを採用した。トランスミッションはフィンガーコントール式6速MTを標準としオプションでロッド式も用意した。

PJ-MS8系

2005年、平成16年新短期規制に適合させマイナーチェンジ。エンジンの関係上、ホイールベースを短縮してリアオーバーハングを延長している。またそれまでホイールベースの違いで2種類の車体長を用意していたのをやめ、長さ12m級に一本化。一方、従来では特注対応だった直結エアコン・大容量床下トランク装備モデル「エアポートライナー」がエアロバスに標準設定された。

エンジンは後に初期のエアロエースに搭載されることになる6M70型を搭載。トランスミッションはフィンガーコントロール式6速MTに一本化され、ロッド式を全廃。このモデルより西日本車体工業へのシャーシ供給が行われなくなった。

車体のラインナップではハイデッカーのエアロバス、スーパーハイデッカーのエアロクィーンI・IIのみとなり、アンダーフロアコクピットのクィーンIIIがカタログ落ちした。

エアロバスMM

1993年に従来のエアロミディMM観光系をモデルチェンジする形で登場。車体幅2.5m、車体長9mのいわゆる「大型ショート系」の観光バスである。

ボディスタイルはニューエアロバスを長さ9mに縮めたようなもので、車内の快適性はフルサイズのエアロバスと同等である。

2007年8月に製造を終了。後継のエアロエースショートタイプMMが登場するまでの5ヶ月間、三菱ふそうの観光バスラインナップから9m大型車が姿を消した。

エアロエース・エアロクィーン(3代目)

2007年にエアロバスPJ-MS系をフルモデルチェンジして登場した。尿素SCRシステム採用によってよりクリーンな排ガスを実現している。

BKG-MS系

エアロエースシリーズの最初期モデル。新長期規制(平成17年排出ガス規制)適合車。更に基準と比較して窒素酸化物・粒子状物質の10%削減を達成した。これは尿素SCRシステム採用の賜物である。更に平成27年重量車燃費基準も満たしているため、規制記号「BKG-」取得となった。実は国産ディーゼルバスでは最初の取得車でもある。

発売からおよそ2ヶ月の2007年10月には高速路線バス仕様のハイウェイライナー、空港連絡路線仕様のエアポートライナーがラインナップ入りしている。

日産ディーゼルへOEM供給されており、スペースアローA・スペースウィングAとして販売されていた。

LKG-MS系

2010年9月発売のBKG-MS系の大規模マイナーチェンジ車。今回のマイナーチェンジでは平成21年排ガス規制(ポスト新長期規制)への対応が主軸に置かれ、排ガス処理システムが尿素SCRのみから尿素SCR+DPFの「BlueTecシステム」へと変更された。エンジンもBKG-MS系の6M60から大型トラックのスーパーグレートと同じ6R10型へ変更された。

この他の変更点はサービスボックスの容量拡大や、サービスボックスの形状見直しで最前列足元空間の拡大の実現、運転注意力モニターが標準装備化、ホイールベースの延長とリアオーバーハングの短縮、ラジエータの駆動方式の油圧シャフト駆動への変更など。

このモデルまでUDトラックスへ供給されていた。

QRG-MS系・QTG-MS系

2012年4月より発売。新エコカー減税対応のため、排ガス規制記号を変更。同年7月には同月に施行された国際連合欧州経済委員会の定める国際基準に準じた安全規制に適合、ブレーキオーバーライドシステムの採用、サイドビューカメラの全車標準装備などを行いより安全性を高めた。

今モデルよりサブエンジン式エアコンが無くなり、新開発の床下設置型直結エアコンへ置き換えられた。ただしハイデッカーのみ従来の天井設置型直結エアコンがオプション設定されている。

2013年1月には安全性をさらに高めるため、衝突被害軽減ブレーキ、車間距離警報装置、ふらつき防止装置を標準装備とするマイナーチェンジを実施。先頭部の車間距離レーダーの開口部の形状で見分けられる。

2014年9月にさらにマイナーチェンジが実施。今度はエンジン周りの変更と車内の改良が行われ、ターボチャージャーにアシンメトリックターボチャージャーを採用、ECOドライブモード実装、プラズマクラスターイオン発生装置、抗菌シート生地を標準採用。室内灯と路肩灯にLEDを採用するなどの変更が行われた。

2015年4月、新エコカー減税が実施され、型式がQTG-MS系へと変更された。QRG-MS系からの仕様の変更はない。

2TG-MS系

2017年5月発表。平成28年排出ガス規制(ポスト・ポスト新長期規制)適合に合わせて大幅なマイナーチェンジが行われた。

まずトランスミッションは従来の6速MTから8速AMTの「Shift Pilot」へ切り替えられた。大型観光バスでのAT搭載は2005年に発表された日産ディーゼル・スペースアロー、スペースウィングのADG-RA273系以来だが、トルコンATを採用した日デと異なり、ふそうは大型トラックでの採用例も多い機械式ATを搭載することとなった。これに合わせて運転席にも変化があり、従来のフィンガーシフトがなくなり、ステアリングホイールの左側にギア操作用マルチファンクションレバーが設置され、クラッチペダルもなくなった。微速調整はクリープ現象によって行う。

エンジンも従来の6R10型から6S10型へ切り替えられた。6S10型は排気量が7.7リットルと6R10型から大幅に小排気量化された。排気量が小さくなったことでエンジンそのものの軽量化も実現している。併せてトランクルームの拡大と乗車定員の増加も実現している。

また型式も従来のMS96VPからMS06GPへと変化している。

エアロエースショートタイプMM

2008年1月発売。エアロエースの車体を9mに縮めたような車両で、エアロバスMMのフルモデルチェンジ車。

PDG-MM系

2008年1月に発売された新長期規制適合車。基準に対してPMの10%減を達成しているが、燃費基準は未達成となっている。

車体デザインはフルサイズのエアロエースに準じているが、排ガス処理でフルサイズのエースが尿素SCRを採用しているのに対し、こちらはDPFを中心としたシステム採用している。

エンジンは燃料噴射にコモンレールを採用した6M60系(270馬力)を搭載。この代のみ日産ディーゼルへ供給され、『スペースアローA ショートタイプ』として販売していた。

LDG-/SDG-MM

2011年8月発表。PDG-MM系からマイナーチェンジを行い、8列一般車が平成21年排出ガス規制に適合、7列サロン車が平成22年排出ガス規制へ適合。

排ガス処理はDPF中心から尿素SCRに変更され、エンジンも改良されて燃料タンクの容量が増強された。

QDG-/TDG-MM

2012年7月発表。先代からより一層安全対策が強化され、ブレーキオーバーライドシステム、サイドビューカメラの搭載などのマイナーチェンジが行われた。

関連動画

関連項目

  • 三菱ふそうトラック・バス
  • 観光バス

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
山口剛央[単語]

提供: Pyun Pyun

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2025/12/08(月) 21:00

ほめられた記事

最終更新:2025/12/08(月) 21:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP