「ふん、来たな。戦争を教えてやる…」
デメジエール・ソンネンとは、機動戦士ガンダムMS IGLOOの登場人物。CVは天田益男。
OVA『機動戦士ガンダムMS IGLOO -1年戦争秘録-』 第二話「遠吠えは落日に染まった」に登場。ジオン軍所属の戦車兵で階級は少佐。量産化が不採用となった試作モビルタンク『ヒルドルブ』の試作機を地上戦力として投入するべく第603技術試験隊に編入。
元々は戦車教導団の教官を勤める優秀な戦車兵だったが、周りの若手がMSパイロットに転向していく中で転換試験に失敗したため自暴自棄になって糖尿病を患い、それによる発作を『ドロップ』と称する吸収効率のよい糖類で抑えている。モニク・キャディラック特務大尉とは旧知の仲であり教導団時代は尊敬されていたようだが、オリヴァー・マイ技術中尉に関係を訊ねられた時は「鯛は腐っても鯛、軍人は腐ったら野良犬以下よ」と失望感を露わにされていた。
軍人としては腐っていても、戦車兵としての実力は腐っていなかった。小説版によると戦車戦なら自分以上の者はいないと自負していたようだ。今回のヒルドルブのテストは、戦車の真の実力を頭の固い上層部に教えられる最後のチャンスだと考えており、ヒルドルブとのタッグなら必ず達成できると自信に溢れていた。
コムサイに載せられ、走行試験を行うアリゾナ砂漠に降下していったが、管制と支援を行う第67物資集積所が敵襲を受けていた。このため着陸を待たず、ヒルドルブとソンネンはパラシュート降下。敵コマンド部隊と交戦する。
ひとたびヒルドルブを駆ると経歴に違わぬ活躍を見せ、連邦軍のフェデリコ・ツァリアーノ中佐率いる鹵獲したMS-06J(陸戦型ザクⅡ)6機と61式戦車2機を相手に単機で交戦、これを撃破・殲滅した。無限軌道をやられた際にスモークディスチャージャーで時間を稼ぎつつ変形することで接近戦に移行したり、倒したMSの腕を巻き込んでスタックした際に榴弾の反動で片輪走行して脱出するなど歴戦の猛者らしい冷静な判断力と機転を発揮したが、小破し戦闘不能になっていたフェデリコ中佐の奇襲で相撃ちになり戦死。存命中は彼への毒舌が絶えなかったキャディラック特務大尉も「死んだらやっぱり野良犬以下よ…」とその死を惜しんだ。
なお、敵指揮官が顔有りのいわゆる『ネームドキャラクター』として登場した唯一のエピソードでもあった。
皮肉な事に、敵は人生転落を切っ掛けを作ったザク、そして元戦車兵だったがモビルスーツパイロットに転向できたフェデリコ・ツァリアーノと、ソンネンとは対極を為す存在だった。
「へっ、一発あれば十分だ…」
大艦巨砲主義を地で行く大型の機体で、自走砲形態と半MS形態への可変機構を有し、61式戦車程度ならあっさり撃破する至近距離からの120mmザクマシンガンを完全に弾く堅牢な装甲と20km先からザクⅡの上半身を吹き飛ばす30サンチ(cm)砲は徹甲弾以外にも曲射榴弾、焼夷弾、対空榴散弾といった弾薬の撃ち分けが可能。試作品・急造品・欠陥品のオンパレードなMS IGLOOの603兵器群の中では珍しく戦闘終了後も原型を留めた小破で済んでおり、ついに最後までマシントラブルとは無縁に終わった優良機であった。本シリーズの中でも一際むせる人気機体である。
前述のフェデリコ中佐の奇襲の件で不可解な事がある。実は中佐はヒルドルブが変形した直後にマシンガンでザクの右爪先をやられてうつ伏せに転倒したため戦闘不能となっていたのだが、部隊機壊滅後に突然ヒルドルブの目の前に立った状態で現れマシンガンの銃床で殴り掛かった。その際、殴られる瞬間までソンネン少佐は気付いた様子も無く、接近警告等の電子音や警告灯の点滅なども無かった。ヒルドルブを戦闘不能にした後は普通に足を引きずってゆっくり歩いていたので、どうやって気付かれずに真正面まで接近したのかは大きな謎である。
敵味方の識別コードが書き換えられておらず、ザクを味方と誤認した可能性がある。
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最終更新:2025/12/10(水) 13:00
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